スタンレー電気は自動車用ランプ(ヘッドライド、リアランプなど)の大手メーカーとして名をはせる。売上高は5000億円に達するが、ランプ類を中心とする自動車機器事業が全社の86%を占め、“一本足打法”の感も否めない。
岩崎電気は道路、工場照明などに強み
スタンレー電気は1月末、道路・トンネル、工場向けなどの照明を手がける岩崎電気(東京都中央区)を702億円で買収すると発表した。スタンレーとしてこれまで最大のM&Aとなる。4月1日付で米投資ファンドのカーライル・グループなどから全株式を取得し、子会社とする。
買収により、自動車分野から自治体・公共インフラ、工場、商業施設まで光を活用したさまざまな製品・サービスを提供できる体制を実現する。
また両社の技術を組み合わせ、AI(人工知能)やセンサーを搭載したスマート道路灯をはじめ、自動運転や防犯、交通安全などにつながる次世代公共照明の開発を進めるほか、ASEAN(東南アジア諸国連合)・インドでの道路灯事業の拡大を推し進める。
岩崎電気は売上高600億円、営業利益61億円(2025年3月期)。東証プライム市場に上場していた2023年、カーライル・グループと組んでMBO(経営陣による買収)を行い、株式を非公開化した。
国内LED(発光ダイオード)照明市場が縮小に転じたのを踏まえ、新規事業の創出や海外展開の拡充などの経営課題に対処するためとして、1961年以来の株式上場を廃止した。従業員数は1470人(25年5月末)。
「電子事業」2000億円の目標達成に弾み
スタンレー電気は車載ランプを中心とする「自動車機器事業」、LEDなどのデバイスを提供する「コンポーネンツ事業」、車載センサーや光モジュールなどの「電子応用製品事業」を経営の3本柱とする。
2025年3月期業績は売上高7.9%増の5095億円、営業利益37%増の490億円。売上構成をみると、自動車機器事業が86%と圧倒的で、コンポーネンツ事業4%弱、電子応用製品事業10%。
スタンレーは電子事業(コンポーネンツ、電子応用製品の両事業を合わせた総称)に関し、2029年3月期に現在の3倍近い売上高2000億円(2025年3月期711億円)を目標に掲げており、今回の岩崎電気の買収で達成に弾みをつける。
海外M&A、2019年以降本格化
スタンレー電気の海外事業は顧客である四輪車・二輪車メーカーのグローバル展開に呼応する形で進展してきた。
売上高に占める海外比率は75%に達し、現地生産拠点はアジア(タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド)、米州(米国、メキシコ、ブラジル)、欧州(ハンガリー)、中国の10カ国に置く。
海外でのM&Aは2019年、ドイツ企業傘下で二輪車用ランプ製造のフィリピンHella‐Philを子会社化して以降、本格化した。
ハイライトが訪れたのは2024年。持ち分法適用関連会社で自動車用ランプを製造するタイThai Stanley Electric(THS)の子会社化だ。274億円を投じて株式を追加取得し、持ち株比率を40%以上に引き上げて連結子会社とした。
THSは1980年に合弁で設立し、日系自動車メーカーにランプを供給してきたが、現地での競争激化に伴い、グループ傘下に取り込み、アジア・オセアニアのハブ(中枢)拠点とすることを狙いとした。
二輪車ランプ事業の拡充も
同じ2024年には二輪車・商用車用ランプを製造するブラジルAngstrom Electricの株式75%を取得し、子会社化した。
スタンレーはブラジルに日系メーカー向け四輪車用ランプの生産拠点を持っていたが、今後10年単位で堅調な成長が見込まれる南米の二輪車市場および非日系四輪車メーカー向け需要を取り込むのが狙いだ。買収金額は非公表。
二輪車関連については2029年3月期までに売上高を1500億円(2025年3月期999億円)に増やす計画で、南米やインドでの現地開発・拡販体制の強化を打ち出している。
車体の傾きに応じて配光パターンを自動調整し、夜間走行時の安全性を高める二輪車ADR(アクティブ可変型ヘッドランプ)の量産体制も整えた。
一方、電子事業では2020年、窒化アルミニウム半導体基板メーカーの米国HexaTechの全株式を約42億円で取得し、子会社化した。
三菱電機子会社と次世代ランプ事業を統合
今年3月末には、三菱電機傘下の三菱電機モビリティ(東京都千代田区)との間で、ADAS(先進運転支援システム)など次世代車両を対象とするランプシステム事業の統合が控える。統合新会社にはスタンレーが66%を出資し、主導権を握る。
スタンレー電気の創業は1920(大正9)年にさかのぼり、自動車用ランプで最大手の小糸製作所に次ぐ2番手に位置する。100年を超える歴史の中、サプライヤーとして自動車業界の変革を乗り越えてきた。
そして足元では、EVシフトに代表される電動化や、自動運転への対応が差し迫っている。新たな成長局面を迎え、次なるM&Aの出番も大いにありそうだ。
文:M&A Online
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