外食企業向け食品卸を主力とするトーホー<8142>は、M&Aによる事業拡大路線に転じた。
コロナ禍の影響で2024年に食品スーパー事業から撤退するなど、事業構成の見直しを進めていたが、業績回復を受けてM&Aを積極化する。
2026年3月には、2027年1月期を最終年とする中期経営計画の目標数値を上方修正し、2030年1月期に売上高3000億円を目標とする同社は、今後どのようなM&Aを繰り出すだろうか。
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食品製造や物流などでM&Aを活用
トーホーは、2025年1月期から2027年1月期までの3年間の中期経営計画で、重点施策「新たな成長ステージへの変革」の達成に向け、プライベートブランド商品の強化や、海外事業の拡大など五つの目標を掲げた。
そのうちの一つが「M&A、アライアンスの活用」で、スピード感ある成長戦略の実現に向けたM&Aやアライアンスを推進する方針だ。
この方針に沿って、外食ビジネスのトータルサポート体制を構築することを最終的な目標とし、M&A戦略による強化対象事業を定めている。
国内ではグループ内での内製化に役立つ事業として、食品製造や物流の分野でM&Aを活用し、グループ内機能を強化する。
そのうえで、業務用食品の卸売事業と、食材以外で外食ビジネスをサポートする事業の二つの事業で、事業強化に向けたM&Aを模索するとしている。
2025年9月に京阪神・中国地区で国産鶏肉の生産・加工を手がける三協流通グループを子会社化したのは、この方針に沿った取り組みだ。
三協流通グループは外食産業や学校給食、食品スーパーなどに鶏肉を販売しており、売上高は100億円規模に達する。
企業買収は2019年12月に適時開示した業務用食品卸売の香港Suitfit以来、6年ぶりとなる。
また、トーホーは2025年12月に、直営のコーヒーショップ「toho coffee shop 神戸元町」を神戸市内で開店した。
1951年以降、ホテル・レストラン・カフェなどに自社焙煎コーヒーを提供しており、中期経営計画では、toho coffeeを含めたブランドイメージ向上を重要なテーマとして掲げていた。
同社では「直営店という新たな顧客との接点を通じて、顧客の想いを知り、自社のこだわりや価値を伝える」としている。
同コーヒーショップは外食産業向けトータルサポート機能の実践の場としても位置付けており、使用するコーヒーマシンや、店舗のデザイン設計・施工は子会社が担った。
こうした食品製造の増強や外食企業のトータルサポート機能の強化を進める中で、今後M&Aの出番が増えることが予想される。
食品スーパー事業から撤退
トーホーは1947年に佐賀市で藤町商店を創立し、食品の卸売・小売業を開始したのが始まり。1951年には輸入コーヒー豆の取引を始めた。
1953年に藤町商店を解散し、神戸市で東蜂産業を設立。1954年に外食産業への食品卸に本格的に参入した。
食品スーパー事業は、1960年に熊本市で1号店を開店し、1963年に神戸市で兵庫県内1号店を開店したあと、多店舗展開に乗り出した。
M&Aには積極的で、2008年にフレッシュすかいらーく(現・トー ホーキャッシュアンドキャリー)の株式を取得しグループ化したほか、同年には桂食品工業(現・トーホー・北関東前橋支店)もグループ化した。
翌2009年には昭和食品(現・トーホー・北関東本社など)、神戸営繕 (現・トーホー・コンストラクション)を傘下に収めるなど事業規模を拡大していった。
その後もM&Aのペースは衰えず、2016年からの10年間に適時開示されたM&Aは12件に達した。中でも2016年から2019年までの4年間は9件と多く、いずれも買収案件だった。
その後はコロナ禍の影響で、食品スーパー事業が不振に陥り、2023年にバローホールディングスへの食品スーパー事業譲渡の検討を開始し、2024年に食品スーパー4店舗を三杉屋に譲渡するなど、売却案件が続いた。
2024年11月には食品スーパー全店舗の営業を終了し、1960年から半世紀以上続いた同事業から撤退した。
そして2025年には、鶏肉加工事業者を子会社化し、再びM&Aによる拡大路線に転じた。
過去最高業績を更新へ
外食産業はコロナ禍で大きな打撃を受けたものの、最近はインバウンド(訪日観光客)需要の拡大などから、業績回復の動きが目立つ。
これに伴い同業界でのM&A件数も増加しており、2026年1~3月に適時開示されたM&Aの件数は17件となり、2017年以降の10年間で過去最高だった2025年同期の13件を上回った。
外食産業を顧客とするトーホーの2026年1月期は、売上高2597億4700万円(前年度比5.4%増)、営業利益78億5300万円(同4.8%増)の増収営業増益となった。
2024年11月に撤退した食品スーパー部門の売上高(2025年1月期は46億5100万円)がなくなったものの、インバウンド(訪日観光客)需要や鶏肉加工事業者のグループ入りなどにより、増収を維持した。
利益面でも、赤字だった食品スーパー部門(同8億3500万円の営業赤字)がなくなったことで増益に転じた。
同期の事業構成は、主力のディストリビューター事業(ホテル、テーマパーク、レストランなどへの業務用食品の卸売)が売上高の77.3%を占めた。
このほかにキャッシュアンドキャリー事業(中小の外食事業者への業務用食品の現金卸売)が同17.6%、フードソリューション事業(クラウド型の業務支援サービス、不動産賃貸、飲食店の内装設計・施工、コーヒーマシンの販売など)が同5.1%となった。
2027年1月期は売上高2740億円(同5.5%増)、営業利益82億円(同4.4%増)と、売上高、利益ともに過去最高を見込む。
2024年3月に策定した中期経営計画では、2027年1月期に売上高2650億円を目標に掲げていたが、2026年3月に上方修正した。
食品スーパー撤退による事業構造の転換と業績回復を背景に、トーホーは再びM&Aを成長手段として位置付けた。
コロナ禍前の2019年には年間3件のM&Aを公表するなどM&Aに積極的だった同社が、再びM&Aの実行ペースを速める可能性が高まっている。
文:M&A Online記者 松本亮一
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