自動車向け組み込みソフト上流に強い「エクスモーション」AI活用で成長モデルを転換

自動車向け組み込みソフトの上流工程に強いエクスモーション<4394>は、生成AI(人工知能)を活用した成長モデルへの転換に踏み出す。

自動車産業をはじめとする製造業でソフトウエア開発需要の拡大が続く中、人員規模に依存しない事業体制の確立を狙う。

あわせて、M&Aを通じた技術基盤の強化や人材確保にも取り組み、成長モデルの転換を後押しする。

製造業で拡大するソフト需要

エクスモーションは今後、自動車をはじめ建設機械や農業機械、医療機器など多くの製造業で、製品を販売した後もソフトウエアによって価値を高めることが一般化するとみる。

このためメーカーは、従来とは異なる量とスピードでソフトウエアを開発する必要に迫られると分析する。

これまでは開発規模の拡大に対し、人員の増加で対応してきたが、急速な需要増の下では人海戦術に限界がある。

IT人材の不足もあり、人員拡大による対応は難しさを増している。

こうした認識のもと、2025年11月期には生成AIサービス「CoBrain」を用い、新たなビジネスモデルの成立性を、実際のプロジェクトで検証した。

その結果、生成AIとソフトウエア開発ノウハウを組み合わせることで、製造業が求める生産性を実現できるとの結論に至った。

今後はこのモデルを事業に展開し、人員規模に依存せず、需要の増加にも対応できる体制の構築を目指す。

生成AIはソフトウエア開発の30~40%を占める下流工程では導入が進む一方、機密性が高く学習が難しい上流工程では活用が進んでいない。

同社は上流の設計技術と生成AIを組み合わせ、先行事例を築くことで競争優位の確立を狙う。

生成AI戦略を補完するM&A

エクスモーションは生成AIの活用と並行して、M&Aも成長戦略の一角に据える。目的は規模の拡大ではなく、技術領域の補完や専門性の高い人材の確保にある。

同社は「高品質+高生産性」の実現に向け、技術レパートリーの強化を課題に挙げており、その解決策として技術強化につながるM&Aを模索する。

具体的な対象は公表していないが、事業戦略として掲げているAI関連分野が中心になる可能性が高い。

これまでのM&Aでは、2023年にソフトウエアテスト請負の日の出ソフト(現 bubo)を子会社化した実績がある。

ソフト検証業務の遂行体制を強化するのが狙いで、buboの業績寄与により、事業規模は拡大基調にある。

自動車向け組み込みソフト上流に強い「エクスモーション」AI活用で成長モデルを転換
エクスモーションの沿革

上流工程特化で存在感

エクスモーションは2008年に東京都内で、ソフトウエア開発のコンサルティングを目的に設立された。

現在は自動車メーカー向けを中心に、組み込みソフトウエアの上流工程や設計品質改善を支援する専門企業として事業を展開する。

近年は自動車業界からの継続案件に加え、他の産業分野からの新規顧客獲得も進む。

2025年11月期は売上高13億8600万円(前年度比7.9%増)、営業利益1億8900万円(同22.1%増)と増収営業増益を達成した。

2026年11月期は、売上高14億5100万円(同4.7%増)、営業利益2億400万円(同7.7%増)を見込む。

生成AIの活用とM&Aを両輪とする成長戦略が、業績拡大をどこまで押し上げられるかが今後のポイントとなりそうだ。

自動車向け組み込みソフト上流に強い「エクスモーション」AI活用で成長モデルを転換
エクスモーションの業績推移

文:M&A Online記者 松本亮一

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