不動産テック中堅の「GA technologies」急成長続く その理由は

中堅の不動産テック(ITを活用した不動産取引や管理)企業であるGA technologies<3491>は、年率35%の規模拡大が続き、2026年10月期も30%近い成長を見込む。

事業拡大の背景には好調な不動産市場があるが、それだけではない。

積極的なM&Aが急成長を支える要因の一つとなっているのだ。

事業環境の良さが急成長を下支え

GA technologiesは、立地や流動性に優れた単身者向けの小面積中古マンションの売買・仲介・投資サービスを主力とし、近年は新築アパート(集合住宅)や北米、アジアなどの海外投資用不動産にも業容を拡大。

中古住宅、投資物件の売買、賃貸、管理などを行うAI(人工知能)を用いた不動産投資サービスRENOSY の開発・運営を中心とする「RENOSYマーケットプレイス事業」と、不動産業向けSaaS(インターネット経由でソフトウエアを利用できるサービス)の提供と賃貸管理支援を行う「ITANDI事業」の二つで事業を構成する。

RENOSYは投資マンション販売で、ITANDIは不動産仲介会社による利用率でそれぞれトップクラスの実績を持ち、これが同社の競争力の源泉となる。

この強みを背景に、2021年10月期に748億6700万円だった売上高は、2025年10月期に2489億4700万円に拡大。この間の年平均成長率は35%に達した。

さらに2026年10月期も売上高は3230億円、前年度比29.7%の伸びを見込む。

部門別では、2025年10月期の売上高構成比はRENOSYマーケットプレイス事業が97.3%、ITANDI事業が2.7%だった。

不動産テック中堅の「GA technologies」急成長続く その理由は
GA technologiesの売上高構成比

新しい成長分野として注力する海外事業は、部門としては独立していない(上記の円グラフでは「RENOSYマーケットプレイス事業」として算出)ものの、北米とASEAN(東南アジア諸国連合)などの七つの国と地域で展開。

海外事業の売上高は、2022年10月期の2億5000万円から、2025年10月期には107億円へと42倍超に拡大し、ITANDI事業(65億8600万円)を上回る規模に達した。

売上高の拡大に伴い、利益も順調に増加。2021年10月期に4億5400万円の赤字だった事業利益(売上高から売上原価と販管費を引いた金額)は、2025年10月期には72億9800万円に増加。2026年10月期には100億円(37.0%増)を見込む。

同社では、単身者向けなどの小面積の中古マンションの投資市場は拡大傾向にあり、今後も個人投資家の不動産への積極的で継続的な投資姿勢は続くとみる。

こうした事業環境の良さが足元の高成長を支え、今後も高い伸びを見込む要因となっている。

不動産テック中堅の「GA technologies」急成長続く その理由は
GA technologiesの業績推移

粗利益のノンオーガニック率は48.5%に

成長を後押ししたもう一つの要因がM&Aだ。同社は新規領域への参入に加え、既存事業のエリア拡大や顧客獲得などを目的にM&Aを活用。

これまでに、既存事業の強化を目的としたロールアップ型M&A(複数の中小企業を買収し、統合することで一つの大きな企業として成長を目指すM&A)で2社、新領域への参入を目的としたM&Aで12社の、合計14社を傘下に収めた。

この結果、RENOSY事業では商品ラインアップの拡充と物件管理体制の強化を実現。ITANDI事業でも提供サービスの拡大により、対応業務領域を広げた。

利益面ではM&Aによって傘下に収めた企業が生み出す粗利益の割合(ノンオーガニック率)は、2025年10月期に48.5%(前年度は42.6%)に達した。

同社は「将来必要なM&Aは時期を待たず実施する」との方針を掲げており、今後も積極投資によって、成長を加速させる計画だ。

対象企業については新たな方針は打ち出しておらず、今後も既存事業のロールアップ型M&Aと、新領域への参入を目的にしたM&Aが中心となる。

高成長が続く中で、今後のM&Aの成否が、その勢いを持続できるかどうかを左右することになりそうだ。

文:M&A Online記者 松本亮一

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