中堅不動産の「グッドコムアセット」建設会社のM&Aに本腰 ボトルネック解消へ

中堅不動産のグッドコムアセット<3475>が建設会社のM&Aに本腰を入れる。

同社は不動産の仕入れ・開発から販売、管理までを幅広く手がけているが、建設の部分が事業拡大のボトルネック(阻害要因)となっているため、この部分を補強する手段としてM&Aを用いることにした。

建設会社の買収と並行して不動産ファンド事業や展開エリアの拡大などにも取り組み、今後5年間で現在の10倍超となる売上高6000億円の急成長を目指す。

バリューチェーン完成へ

グッドコムアセットは不動産事業を、川上から川下までの事業領域として「仕入れ・開発」「建設」「販売・売却」「管理」の四つに分類する。

このうち「仕入れ・開発」では、2025年にLivenup Groupを買収し、戸建て、中古不動産の仕入れ体制を拡充した。

あわせて日成アドバンスと資本業務提携し、関西の不動産仕入を強化した。

「販売・売却」では、2024年に不動産ファンド事業を開始。自社で開発した物件を売却し利益を確定できる体制を整えた。

さらに「管理」については、2020年に家賃債務保証事業を手がけるルームバンクインシュアを買収し、物件管理体制を強化した。

一方で残る「建設」は、事業拡大の阻害要因となっており、建設会社を傘下に収めることで良質な物件の建設や、建設人員の確保などを進める。

これによって同社は不動産事業の各工程を自社で押さえた一貫した強固なバリューチェーン(価値創出の流れ)を構築し、急成長を目指す。

さらに建設会社のM&Aと並行して、総合不動産会社への成長を見据えて、ホテルやオフィス、少子・高齢者向け住宅などを保有する企業の買収にも前向きに取り組む。

都心投資用マンションで成長

グッドコムアセットは2005年に東京都内で創業。2008年に自社ブランド「GENOVIA(ジェノヴィア)」シリーズのマンションの販売を開始し、都心部を中心に事業を拡大してきた。

2022年にはREIT(不動産投資信託)や不動産ファンド事業を目的に、子会社としてグッドコムアセット投資顧問を設立。

開発や販売だけでなく、資産運用分野へと事業領域を広げた。

現在の売上高構成を見ると、不動産のホールセール事業(法人への不動産販売など)が約72.1%と大半を占め、これにリテールセールス事業(国内外の個人投資家への不動産販売など)が17.8%で続く。

このほか、Livenup Group(戸建て事業、再販事業など)が約5.6%、リアルエステートマネジメント事業(建物管理、賃貸管理など)が約4.4%、その他事業(不動産ファンド事業など)が0.1%を占める。

中堅不動産の「グッドコムアセット」建設会社のM&Aに本腰 ボトルネック解消へ
グッドコムアセットの売上高構成比

不動産ファンドと関西事業を拡大

グッドコムアセットは投資用マンションの開発、販売から売却後のアセットマネジメント(資産運用)、プロパティマネジメント(物件管理)まで一貫して手がけており、東京23区を中心とした投資用マンションの仕入れや開発に強みを持つ。

2025年10月期は、売上高545億8100万円(前年度比8.7%減)、営業利益29億3500万円(同46.2%減)と減収大幅営業減益となった。

日本の不動産市場は、都市部でのマンションの賃貸需要が高水準で推移しているほか、投資家の国内不動産への投資意欲も旺盛な状況にある。

一方で、物価の高騰やマンション価格の上昇が続いており、この影響を受けて同社の販売戸数が減少したため、減収減益が避けられなかった。

同社では今後も、賃料の上昇を背景に投資用マンションの需要は引き続き好調に推移すると判断。すでに販売物件を確保しており、さらに東京23区を中心とした関東圏と関西圏で積極的な仕入を推進している。

これによって2026年10月期は、売上高792億8100万円(同45.3%増)、営業利益77億2900万円(同2.63倍)と過去最高の売上高と利益を見込む。

さらに2025年10月期比10倍強となる売上高6000億円を目指す2030年10月期に向け、自社物件を中心に高品質な賃貸住宅を組み入れ、運用・管理する不動産ファンド事業と、提携先の日成アドバンスを核とした関西圏での事業を、それぞれ拡大する。

建設業界では人手不足が業界全体の課題となる中、M&Aによる施工体制の確保で成長制約を解消できるかが、同社の中期成長の成否を左右しそうだ。

中堅不動産の「グッドコムアセット」建設会社のM&Aに本腰 ボトルネック解消へ
グッドコムアセットの業績推移

文:M&A Online記者 松本亮一

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