
大手ゴルフ場アコーディアを買収し、傘下のPGMと合わせたゴルフ場数が世界最多となった平和<6412>が、2025年3月期の業績予想を下方修正した。
アコーディア買収の際に発生したアドバイザリー費用と、金融機関からの借入に要する費用の計上に加え、遊技機事業のパチンコ機、パチスロ機の販売台数が計画を下回る見通しのためで、売上高と営業利益は当初予想よりも10%ほど、経常利益は同30%ほど、当期純利益は同40%ほど減少する見通しだ。
経常、純利益は2期連続の減益に
平和は2025年1月31日に、アコーディア・ゴルフ(東京都品川区)の親会社であるPJC Investments(現アコーディア・ゴルフホールディングス)を子会社化した。
取引総額は、取得価格(株式取得価格と有利子負債などの合計)5100億円とアドバイザリー費用などの20億円を合わせた5120億円で、このうち5100億円を三井住友銀行とみずほ銀行から借り入れた。
この買収にかかわる費用として、2025年3月期第3四半期に、アドバイザリー費用など18億円を販売費及び一般管理費に計上。さらに金融機関からの借入に要する費用60億円を2025年3月期第4四半期に営業外費用に計上する。
これに遊技機事業の売り上げ未達に伴う減益要因が加わり、営業利益は当初予想より33億円低い267億円(前年度比14.0%増)に、経常利益は同93億円低い199億円(同12.5%減)に、当期純利益は同79億円低い121億円(同27.2%減)に引き下げた。
当初、営業利益は前年度比28.0%の高い伸びを予想していたため、伸び率は半分程度になるものの、アドバイザリー費用の負担増をこなし増益を確保できる見込み。
経常利益と当期純利益も20%台の高い伸びを見込んでいたが、借入金費用の負担が大きく、こちらはいずれも2期連続の減益を避けられない見通し。

引き下げ後も増収見通し
売上高は128億円低い1454億円(前年度比6.6%増)に引き下げた。遊技機事業のパチンコ機、パチスロ機の販売台数は、ともに前年度比プラスで推移しているものの、当初の計画には達しない見込みのため下方修正した。
平和の2025年3月期第3四半期時点の遊技機事業の売上高は392億1400万円(前年同期比49.0%増)で、営業利益は127億5400万円(同4.87倍)。ゴルフ事業(PGM事業)の売上高は795億6800万円(同4.0%増)、営業利益はアドバイザリー費用の計上などもあり179億4300万円(同4.0%減)だった。
一方、子会社化したアコーディア・ゴルフホールディングス(東京都台東区)の2024年3月期は、売上高1197億6600万円(同1.5%増)、営業利益251億7800万円(同3.8%増)、経常利益99億7000万円(同28.0%減)、当期純利益62億6100万円(同54.7%減)だった。
平和は2026年3月期からアコーディア・ゴルフホールディングスの業績を、連結業績に反映させることにしており、この期の平和の業績は売り上げ、利益ともに一気に拡大する見通しだ。

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文:M&A Online記者 松本亮一
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