【出光興産】創業家との確執を経て実現した経営統合の「現在・過去・未来」|ビジネスパーソンのための占星術

こんにちは、柳川隆洸です。新月のタイミングに合わせて毎月1回、「ビジネス×占星術」の内容で連載をしています。

西洋占星術では1ヶ月の始まりを新月としており、新月の星配置を見ることで1ヶ月の社会的傾向を知ることができます。

まずは先月の新月から1ヶ月の振り返りをしたいと思います。

前回の記事で「8月上旬、革新的技術が脚光を浴びやすいでしょう。AI(人工知能)を中心とした躍進はさらに続きそうです。」とお伝えしていましたが、8月7日に米OpenAIが「GPT-5」を発表し、同時に米政府のAI導入も同日に報じられ、AIが一段と脚光を浴びました。

また「8月1日には金融を意味する金星がハードにつながり、財政論争が激化しやすい時期になりそうです。」とお伝えしていましたが、8月1日の新関税発動と雇用統計悪化で米株が急落、政策を巡る論争と、BLS局長の解任という異例対応が行われました。

このように概ね、先月お伝えした流れで推移してきた1ヶ月だったかと思います。

最先端技術のトラブルや局地的紛争が起こりやすい月に

そんな状況での8月新月からの星の影響を見てみましょう。新月は8月23日15:06です。

まず今回の新月は乙女座で起こり、太陽と月が天王星と厳しい配置を作っています。天王星は最先端技術を意味しますので、AIやネットワーク全体で突発的な問題や予測不能なトラブルをもたらす可能性が高まります。ハッカーによる攻撃やコンピューターウイルスなどにも注意が必要です。

特に9月上旬には水星と天王星がハードに繋がる時期が控えており、インフラ障害や仕様変更に伴う混乱が懸念されます。

また、天王星には革命の意味もありますので戦争や一触即発の緊張が急に高まる場面も想定され、攻撃性を持つ火星の作用が間接的に刺激されることで、局地的な衝突や不安定な軍事行動が注目される懸念もあります。



9月中旬頃には太陽と水星が木星と程よく噛み合い、政策や経済活動に追い風が吹きそうです。これまでの問題やトラブルに解決の兆しが見え、消費や新規事業の動きも発展しやすい展開が見込めます。

ただ、9月下旬には水星が土星や海王星と向かい合い、フェイクニュースやリーダーによる責任を巡るテーマが社会的にクローズアップされる可能性が高まります。特に国家や大企業の発言には厳しい目が注がれやすい可能性があります。

個人レベルでは、ネットワークやセキュリティの対策をしておくことが安心を生みそうで、突発的な問題に巻き込まれないように注意したい1ヶ月です。冷静に判断してください。

【企業ピックアップ】出光興産

毎月気になる企業をピックアップし、その企業の占星術的な視点からポイントをお伝えしています。今回は出光興産<5019>(1940年3月30日設立)を取り上げます。

同社は石油元売り大手で、2015年に昭和シェル石油との経営統合を発表後、創業家の反対などを経て2019年に統合を実現しました。

近年はカーボンニュートラル社会への対応を急いでおり、アンモニア燃料や合成ガソリンの供給計画、再生可能エネルギー事業など、脱石油を見据えた多角的な戦略を加速させています。そんな出光興産の今後を西洋占星術を使ってチェックしていきたいと思います。

「先駆け・突破・リーダーシップ」を武器に成長

最初に出光興産の企業傾向を占星術で見てみます。

同社のホロスコープでは、企業の推進力を意味する太陽が牡羊座に位置し、拡大・追い風を象徴する木星とポジティブに繋がっています。牡羊座は「先駆け・突破・リーダーシップ」を意味する星座であり、この配置は強い信念で道を切り開く積極性を意味します。

戦後のエネルギー供給や海外開発に果敢に挑戦してきた歴史は、まさにこの組み合わせを体現していると見られます。一方で、平時であっても時に強引な判断につながりやすい側面があり、賛否が分かれる判断をする傾向も感じます。

また、規律・試練を司る土星と、根本的な変革を意味する冥王星がハードな繋がりを形成している点が注目されます。これは「既存秩序」と「抜本的な変革」が、常に対立しやすい構造を意味します。

経営統合の過程で見られた創業家と経営陣の対立の根源がここにあったのではないかと予想しています。2017年の増資を巡る法廷闘争は、この構造が表面化した典型的な例と言えます。

さらに、情報・交渉を意味する水星と、理想・混乱を象徴する海王星がハードな繋がりにあるため、コミュニケーションにおいて事実と理想が交錯しやすい傾向がありそうです。

加えて、価値・ブランドを意味する金星、行動力を示す火星、先進性・急変を象徴する天王星が牡牛座で重なり合っているため、経済的価値を重視し粘り強く事業を推進する一方で、価値観の急な変化や突発的な対立も起こりやすい体質です。

総じて、出光興産は理想を掲げる強い推進力と、内部の構造的対立という二面性を抱える企業であり、このバランスをどう取るかが経営の鍵になる企業のホロスコープと言えるでしょう。

エネルギー業界の変化に追いつけるか?

ではこれから出光興産の今後の流れを見てみようと思います。

2015年の経営統合発表から2019年の実現に至る流れは、占星術的な視点からも分かりやすくその特徴が出ていました。

2015年後半、統合発表直後には、変容を促す冥王星が同社の水星とハードな繋がりとなり、情報戦や相互不信が生まれやすい配置でした。同時期、突発性を意味する天王星が太陽・木星に重なっており、経営方針の急転換という衝撃を象徴しているようです。

2017年中盤には、冥王星が同社の「土星と冥王星のハードな繋がり」を刺激し、権力構造を巡る対立が激化しやすい配置でした。これにより公募増資の決定と、それに続く法廷闘争という形で表面化したのではないかと予想されます。

最終的に2019年前半、土星と冥王星が同社の太陽・木星とポジティブな角度を形成したことで、強い圧力の下での統合成立へと着地したと見られます。

この流れから、2017年中盤が対立の頂点であり、出光興産にとっての最大の転換期であったことが予想されます。

一方で現在に目を向けてみると、今年2025年は同社にとって大きな変革の年となる可能性が予想されます。

天王星が同社の金星・火星・天王星の重なりに合致し、企業体質の大きな変革が進みそうで、再生可能エネルギーや次世代燃料の事業化が加速する可能性が強まりそうです。ただ、変化の速さに追いつけずに疲弊する可能性もあり、意外なトラブルが表出するかもしれません。

2027年のイノベーションが成長のカギに

次に2027年前後には、土星が同社の太陽・木星に接近するので、同社にとっては試練の時期となりやすそうです。特にこれまで進めてきた次世代に向けた施策に対して厳しくチェックされるようなイベントが発生するのではないでしょうか。

ですが、これを乗り越えると、2028~29年には天王星と水星が調和的な配置となり、新技術導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)が一気に進みそうな時期へと入っていきますので、2027年での立ち回りがとても重要な1年といえるでしょう。

そしてひとまずの着地として、2030~32年にかけては、冥王星と同社の土星が調和的な配置を形成し、事業基盤の強化が本格化しそうです。

現時点で同社が目標とする、「2050年に向けた長期事業環境シナリオ」を実現する為の既存事業の収益強化がある一定の成果として実現する可能性が高いのではないかと予想できる重要な好機となりそうです。

脱炭素分野での先行力を生かしつつ、内部の価値観対立や情報管理をうまく制御できれば、さらなる成長が期待される企業であると感じます。

*次回公開予定は9月21日です。

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