研修・人材育成サービス大手の「インソース」M&AでAI強化やIP確保を推進

企業向け研修や人材育成サービス大手のインソース<6200>は、生成AI(人工知能)対応サービスの拡充や、教育コンテンツIP(知的財産)の確保を目的にしたM&A戦略を推進する。

これまでもAIやコンテンツ関連の人材投資などは行ってきたが、今後は投資額を倍増し、M&Aの強化にも踏み出す。

AI時代到来を追い風に

インソースは「生成AI時代の到来を絶好の機会」と位置づけており、生成AI対応サービスの拡充を進める。

AIを活用した教育コンテンツの開発やコンサルティング事業を展開するほか、AI活用基盤の整備やAIアプリケーションの提供にも取り組む。

これら事業を推進するためM&Aを活用する計画で、AIベンチャーや教育DX(デジタルトランスフォーメーション)関連企業などが主な対象となりそう。

一方、コンテンツIPの確保に向けては、独自の教育コンテンツや教材、eラーニング動画などの知的財産を保有する企業を対象にした探索が進む見通し。

M&Aの実績は3件

インソースはAIやコンテンツに関して、これまでもエンジニアやコンテンツ開発者、企業向け研修などを企画・提案するコンサルタントらの人材確保に投資してきた。

今後はこれら人材の増強に加え、M&Aも活用するため、投資額を過去3年間(2023年9月期~2025年9月期)の60億円から、今後3年間(2026年9月期~2028年9月期)は2倍強の132億円に引き上げる。

これまでのM&Aの実績は少なく、適時開示した案件は3件にとどまる。

直近では2022年に、システム運用管理やサーバー監視などを手がけるビー・エイ・エス(現 インソースビジネスレップ)を子会社化した。

研修・人材育成サービス大手の「インソース」M&AでAI強化やIP確保を推進
インソースが適時開示したM&A

研修サービス市場は伸長

企業向け研修サービス市場は、矢野経済研究所が2025年8月に発表した「2025 企業向け研修サービス市場の実態と展望」によると、2024年度の市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比約5%増の6000億円ほどとなった。

2025年度も、人的資本経営に取り組む企業の増加を背景に、引き続き約5%の成長を見込んでいる。

インソースでは、社会人教育市場について、2024年から2030年までの間は年平均4%で成長し、2030年には市場規模が4250億円に達すると推定する。

さらにAIシステム市場は、同期間に年平均47%成長し、2030年の市場規模は1兆7750億円に、DX教育市場も同16%成長し、2030年には780億円市場に拡大すると見る。

5年連続2ケタの増収増益に

インソースは講師派遣型研修事業(売上高構成比47%)と、公開講座事業(同24%)を主力とする。

これに教育向け統合管理システムを開発・運用するITサービス(同14%)と、動画教材の制作やコンサルティングなどのその他(同15%)で事業を構成する。

研修・人材育成サービス大手の「インソース」M&AでAI強化やIP確保を推進
インソースの事業構成

同社は、強固な顧客基盤やコンテンツ開発力、Webを活用した営業力、ITやAI、DXを内製化するIT力の四つを自社の強みとして分析する。

これらの強みを活かし、2025年9月期には売上高145億1000万円(前年度比16.3%増)、営業利益59億7800万円(同21.1%増)を達成した。

コロナ禍の影響で2020年9月期に減収減益に陥ったあと、2021年9月期から5年連続で2ケタの増収営業増益を維持しており、2026年9月期も15.8%の増収、13.7%の営業増益を見込む。

今後のM&Aによっては、従来の成長軌道を超える非連続的な成長が実現する可能性もありそうだ。

研修・人材育成サービス大手の「インソース」M&AでAI強化やIP確保を推進
インソースの業績推移

文:M&A Online記者 松本亮一

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