
ホームセンター大手のジョイフル本田<3191>が、M&Aに本腰を入れる。
2025年6月にM&Aを推進する専門部署を設置したほか、業界再編や事業承継などにつながる案件を対象に複数のM&Aを実施する方針を打ち出した。
こうした取り組みと既存事業の成長などにより、3年後の2028年6月期には2025年6月期比16.2~24.0%増となる売上高1500億~1600億円を目指す計画だ。
M&A推進の遅れを反省
ジョイフル本田はこれまで「業界再編の担い手となり、機動的な合従連衡を実現する」との方針を掲げていたが「体制が不十分だったことでM&Aの推進が遅れた」との認識を持つ。
この反省を踏まえ、2025年6月に機構改革を行い、出店、既存店開発、DX(デジタル・トランスフォーメーション=デジタル技術で生活やビジネスを変革する取り組み)と並んでM&Aを担当する経営企画本部を新設し、M&A推進部を設置した。
今後3年間(2026年6月期~2028年6月期)に「専門性を追求した積極的なM&Aを推進する」計画だ。
すでに2025年8月1日に、茨城県内でホームセンター「ホームジョイ本田」を2店舗運営する本田(茨城県土浦市、ジョイフル本田と資本関係はない)の子会社化を決めており、同年9月30日に実施する。
同社では今後、業界再編や事業承継などにつながるM&Aを計画しており、さらに「非連続な経営資源の獲得」を目的に、複数のM&Aを想定しており、本田に次ぐホームセンターのM&Aに踏み切る可能性は高い。
M&A資金については、出店やDX、新規事業、既存業務の効率化や最適化など合わせて、今後3年間に260億~310億円を見込む。
2028年6月期の売上高 最大1600億円に
ジョイフル本田は、スポーツクラブやスーパー、ショップなどを併設した、数万平方メートル~10万平方メートルを超える大型の店舗で顧客のニーズにワンストップで応えられる体制と、木材、建築資材、塗料、工具などで、プロの職人が満足できる専門性の高い品ぞえを実現しているのが強み。
2025年6月期は、資材・プロ用品や、デイリー・日用品などが伸び、売上高は1289億8000万円(前年度比1.6%増)、営業利益は107億4800万円(同1.7%増)と増収営業増益を達成。2026年6月期は3.1%の増収、7.0%の営業減益を見込む。
売上高1500億~1600億円を目指す2028年6月期については、利益の目標を明らかにしていないが、自己資本に対する当期純利益の割合を示すROE(自己資本利益率)は8%以上、営業利益と減価償却費の合計額を売上高で割ったEBITDAマージンは11%以上を目指すとしている。

ホームセンター業界にM&Aの動き
業界団体である日本DIY・ホームセンター協会が公表している「年間総売上高とホームセンター数の推移(推計値)」によると、コロナ禍の中の「巣ごもり需要」で、ホームセンター業界の売上高は2020年に4兆2680億円と過去最高を更新。
翌2021年は、巣ごもり需要の反動で減少に転じ、その後は横ばいで推移。2024年の売上高は4兆180億円となり、コロナ禍前の2019年3兆9890億円を少し上回った状況にある。
一方、店舗数はコロナ禍前から増え続けており、2024年は5020店と初めて5000店を超えた。
また帝国データバンクが2024年10月に公表した「ホームセンター業界の動向と展望」では、市場全体の成長が頭打ちとなっていることから「新規出店を抑え、PB商品の開発強化、オンラインでの販売強化、プロ向け事業の強化などで収益の確保を目指し、M&Aを活用した業界再編や新規事業への進出などに焦点をあてる動きが目立つ」としている。
同社ではM&Aの事例として2021年のニトリホールディングス<9843>による島忠の子会社化、2022年のカインズ(埼玉県本庄市)による東急ハンズの会社化、2023年のDCMホールディングス<3050>によるケーヨーの子会社化などの案件を挙げる。
このあとDCMホールディングスは、静岡県を中心に57店舗のホームセンターを運営するエンチョー<8208>を2025年9月に子会社化すると発表している。
今後、これにジョイフル本田のM&Aが、何件積み重なることになるだろうか。
文:M&A Online記者 松本亮一
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