トマト加工品大手の「カゴメ」欧米でフードサービス事業を拡充 不足する資源をM&Aで獲得

トマト加工品を主力とするカゴメ<2811>は、欧米でフードサービス事業(外食や中食向けにピザソースやバーベキューソースなどのトマトの二次加工品を供給する事業)を拡充する。

2026年12月期から2028年12月期までの3カ年の中期経営計画で、成長率と市場規模の大きい欧米でのフードサービス事業を成長事業に位置付けた。

同事業の強化は前中期経営計画(2022年12月期~2025年12月期)でも掲げていたが、今回の中期経営計画ではM&Aで不足する経営資源を補う方針や投資枠の拡大を明示しており、今後、取り組みが加速しそうだ。

フランスやドイツでも市場を開拓

カゴメは国内市場について、健康志向の高まりなどから新たな需要が生まれているものの、人口減少や高齢化による需要減を踏まえ、低成長を見込む。

他方、北米と欧州はフードサービスの需要が高く、同市場の過去10年の年平均成長率は5.4%に達しており、今後も継続して成長するとの見通しを持つ。

フードサービス市場のシェアは、北米が約半数を占め、欧州が約20%となっていることから、両地域をピザソースなどの二次加工品事業の重点地域と位置付ける。

M&Aを含む戦略的な成長投資を計画しており、不足している資源をM&Aによって獲得し、両市場でのシェアを拡大する方針だ。

戦略投資枠は500億円程度を見込んでおり、前中期経営計画期間中のM&A投資額約360億円から大きく引き上げる。

同社では「格付を維持する範囲で負債を積極的に活用し、M&Aを含む戦略的な成長投資を実施する」としている。

すでに2026年1月には、トマト加工品仲介・卸売りの英国Silbury Marketingを子会社化(発表は2025年11月)しており、今後、マーケティング、開発、生産、販売の各機能を密接に連携できる体制を構築する。

英国のほかフランスやドイツでも市場開拓を進めていく方針で、これらの国々でもM&Aの可能性がありそうだ。

また、米国では営業・マーケティング人員の拡充により、組織を強化し顧客開拓を進めるとしており、こうした領域で不足する資源の獲得のためにM&Aに踏み切ることが予想される。

トマト加工品大手の「カゴメ」欧米でフードサービス事業を拡充 不足する資源をM&Aで獲得
2010年以降に適時開示されたカゴメのM&A

トマトペースト価格の下落で減収減益に

カゴメは1899年に創業者が西洋野菜の栽培に着手したのが始まり。その後トマトソースやケチャップ、ウスターソースなどを製造。1914年に、愛知トマトソース製造(現・カゴメ)として設立された。

現在は、野菜飲料やトマトジュースなどからなる飲料部門が売上高の26.9%を占め、最大の柱となっている。

次いで国内では、トマトケチャップや調味料、贈答品などの食品他部門が約18.9%、国内農事業や種苗、不動産、新規事業などで構成される、その他部門が約7.1%、通販部門が約4.5%といった構成だ。

海外ではトマトペーストなどのトマト他一次加工が売上高の約22.3%、ピザソースやバーベキューソースなどのトマト他二次加工が約20.3%を占める。

トマト加工品大手の「カゴメ」欧米でフードサービス事業を拡充 不足する資源をM&Aで獲得
カゴメの売上高構成比

同社は、品種、栽培技術の開発力、顧客のニーズに沿った商品開発力、世界中の拠点によるネットワーク力を自社の強みとして分析する。

2025年12月期は売上高2942億6400万円(前年度比4.1%減)、営業利益226億3800万円(同37.5%減)の減収営業減益となった。

国際事業で、トマトペーストの販売価格が下落したことなどから、落ち込みを余儀なくされた。

2026年12月期は売上高3100億円(同5.3%増)、営業利益230億円(IFRS変更により非公表)を見込む。

国際事業で市況変動リスクを抱える中、欧米でのM&Aを含む成長投資が業績回復につながるかが焦点となりそうだ。

文:M&A Online記者 松本亮一

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