SNS運用支援の老舗「ラバブルマーケティンググループ」M&Aで事業領域を拡張

SNS(インターネット上で登録者同士が交流できるサービス)運用支援の老舗であるラバブルマーケティンググループ<9254>は、M&Aを活用して事業規模の拡大を加速する。

2025年11月に実施した第三者割当増資で資金を確保しており、M&Aを積極的に推進する体制が整った。

今後、TikTokやLINEなどのSNSの運用、インバウンド(訪日観光客)関連、広告支援、購買支援などの領域を中心に対象企業を探索し、2029年10月期にはM&Aによる売上高を全体の20%にまで高める。

M&Aによる売上高が16%超に

ラバブルマーケティンググループは、SNSのアカウント運用で培った経験と実績をもとに運用全般を強みとし、「SNS黎明期である2008年より運用支援を開始した老舗企業として、追随するプレイヤーでは習得できない豊富な経験とノウハウがある」としている。

M&Aについては、これまでも積極的に取り組んでおり、適時開示したM&Aは5件にのぼる。

2025年10月期はWebサイトの企画・制作、保守などを手がけるユニオンネット、食分野に特化したインフルエンサーマーケティング支援の「ライフインザキッチン」事業、タイで120万人規模の訪日インバウンドメディアを運営する「Talon Japan」事業の3件のM&Aを実施。

これらM&Aによる売上高は、2025年10月期時点で全売上高の16%超を占めている。

また、すでに2026年1月にはLINEマーケティング支援などのエルマーケを子会社化(2025年9月発表)する予定だ。

SNS運用支援の老舗「ラバブルマーケティンググループ」M&Aで事業領域を拡張
ラバブルマーケティンググループが適時開示したM&A

隣接領域へ事業拡張

こうした姿勢を維持し、今後もM&Aによる事業拡大を進める計画で、SNS運用支援と隣接する領域や、新規領域でクロスセル(関連商品の追加販売)、アップセル(既存顧客の単価を高める上位提案)を狙ったM&Aを目指す。

SNSを中心とした隣接領域では、SNS運用支援をはじめ、インフルエンサーキャスティング(影響力のある個人を起用した情報発信)、広告支援、購買支援など既存事業と親和性の高い企業を対象とする。

またマーケティングやインバウンドなどの事業領域では、インバウンド向けメディア運営、観光コンテンツ開発支援などを手がける企業を候補とする。

このほかに将来の成長の柱となる最新テクノロジー領域では、マーケティング支援、インバウンド支援、SNS運用支援などに関するソフトウエアの開発など、固有の技術力や実績を有する企業を視野に入れる。

投資資金については2025年11月に、大株主でAI(人工知能)関連の投資事業を手がけるAIフュージョンキャピタルグループを割当先とする第三者割当増資により、4億9000万円超を確保した。

AI活用で競合優位性を強化

ラバブルマーケティンググループは、SNSマーケティング市場について、社会活動のデジタル化を背景に今後も拡大が進むと分析しており、同社事業は安定的な成長が見込めるとみる。

こうした事業環境に加え、取得したユニオンネットやライフインザキッチン事業などが寄与し、業績は好調に推移している。

2025年10月期は、売上高26億3000万円(前年度比21.7%増)、営業利益1億6000万円(同16.9%増)と2ケタの増収営業増益となった。

2026年10月期は、既存事業の伸長に加え、海外展開やインバウンドプロモーション(訪日客向けの情報発信や集客施策)などを推進することで、売上高30億円(同14.0%増)、営業利益1億8000万円(同12.3%増)を目指す。

さらに2029年10月期は売上高50億円、営業利益4億円を見込む。売上高50億円のうち、20%に当たる10億円分はM&Aで積み上げる計画だ。

同社ではM&A戦略と並んで「AI活用によって競合優位性を強化し、サービス価値の最大化につなげる」との方針も掲げる。

M&AとAI活用の進捗が、2029年10月期に向けた成長の行方を左右しそうだ。

SNS運用支援の老舗「ラバブルマーケティンググループ」M&Aで事業領域を拡張
ラバブルマーケティンググループの業績推移

文:M&A Online記者 松本亮一

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