2025年、M&Aを最も多く手がけた上場企業はどこ?

2025年のM&A(適時開示ベース)は1344件と前年(1221件)を10%上回る過去最多となった。金額も前年比94%増の20兆8370億円とほぼ倍増し、これまでの最高を記録した。

空前の盛り上がりをみせる中、1社で18件のM&Aを手がけた驚きの企業もある。

4社に1社がM&Aを手がける

全1344件(買い手と売り手の双方が発表したケースは買い手でカウント)のうち、1社で複数(2件以上)のM&Aを発表した上場企業は226社(前年227社)で、件数にして596件。1件は748社(同629社)だった。

合計すると974社で、前年より118社増え、全国で約3890社ある上場企業の25%、4社に1社がM&Aに取り組んだ計算だ。

2025年、M&Aを最も多く手がけた上場企業はどこ?
※適時開示ベース

GENDAが18件、3連覇を達成

件数トップは年間18件のM&Aを発表したGENDA。同社は「GiGO」ブランドのゲームセンター運営を中心にアミューズメント事業を展開する。2位に入った印刷サービスの日本創発グループの10件を大きく引き離し、2023年(10件)、2024年(11件)に続く3連覇となった。

GENDAが取り組んだ18件はいずれも買収案件。内訳はカラオケ関連5件、ゲームセンター関連9件、フォトスタジオ、映画情報サイト、ミネラルウオーター、イベント関連が各1件だった。このうち海外案件は5件(米国4、英国1)で、いずれもゲームセンター絡みだった。

GENDAとして最大案件となったのが北米で100店舗を超えるゲームセンターと約2000カ所の無人ゲームコーナー(ミニロケ)を運営するカナダPlayer One Amusement Groupの買収で、同社の米国持ち株会社を約260億円で傘下に収めた。

GENDAは2023年7月に東証グロース市場に上場後、年末までの半年間で10件のM&Aを発表し、この年の年間1位をソフトウエアテスト事業のSHIFTを分け合い、一躍注目を浴びた。M&A件数は上場後の2年半で39件に達し、2018年5月の会社から上場前までを合わせると50件近い。

同社は「総合エンタメ企業」を標榜。

同業他社を連続的に買収してコスト削減や生産性向上などのスケールメリット(規模の利益)を追求し、優位な市場ポジションの獲得を目指すロールアップ型M&Aを基本戦略としている。

2位は日本創発、3位に“新顔”の技術承継機構

年間10件の日本創発グループは前年の5位(5件)から2位に順位を上げた。同社は積極的なM&Aで知られ、上位に名前を連ねる“常連”。先方との関係で取引金額を非公表とするケースが少なくないが、10件すべてで買収金額を公表している点は特筆される。

その中で、最も金額が大きかったのは紙パッケージ・ディスプレー製造の新和製作所(埼玉県川越市)を子会社化する案件で、約25億円を投じた。

3位に食い込んだのは中小製造業のグループ化に取り組む技術承継機構。昨年2月に東証グロース市場に上場したばかりの“新顔”だが、8件のM&Aを手がけた。

傘下に収めた企業の業種は研削加工、切削加工、金属熱処理、鋳造、ブレーキ部品製造、中古フォークリフト買い取り・販売など多岐にわたる。

技術承継機構は2018年に設立。買収した企業の再譲渡は行わず、優れた技術を未来につなぐため、長期的な目線で成長を永続的に支援することを旗印にする。上場前を含めて子会社としてグループに迎えた企業は17社に上る。

3位にはコクヨが同じく8件で並んだが、うち6件は国内の系列販売会社6社を子会社化したことに伴う。

4位は年間6件で、紙専門商社のKPPグループホールディングス(HD)、カー用品のオートバックスセブン、ネット印刷・資材販売のラクスルなど6社。

KPPグループHDは前年2位(9件)から順位を落としたが、海外買収案件を中心に高水準をキープした。

年間5件は9社、4件は11社を数える。3件にいたっては35社を上る。

石油資源開発、事業入れ替えを活発化

M&Aを通じた事業の入れ替えも活発化した。なかでも目を引いたのは石油資源開発で、年間4件中、3件は既存事業の売却だった。

同社は英領北海で石油開発を手がける子会社を現地企業に約330億円で売却。一方、米国ではシェールオイル・ガス開発会社を約2020億円で買収することを決めた。

前年までの過去5年間の件数トップは以下の通り。
・2020年=ココカラファイン(現マツキヨココカラ&カンパニー)8件
・2021年=アウトソーシング(24年に上場廃止)9件
・2022年=SHIFT、ヨシムラ・フード・ホールディングス各6件
・2023年=SHIFT、GENDA各10件
・2024年=GENDA11件

◎2025年:上場企業別のM&A件数(適時開示ベース)

18件 GENDA 10件 日本創発グループ 8件 技術承継機構、コクヨ 6件 6社=KPPグループホールディングス、THE WHY HOW DO COMPANY、
エフ・コード、オートバックスセブン、ユカリア、ラクスル 5件 9社=AnyMind Group、Arent、WOLVES HAND、アジャイルメディア・ネットワーク、エアトリ、サイバーステップ、ジーイット、じげん、ワイエスフード(現Trailhead Global Holdings) 4件 11社=AppBank、BCC、INTLOOP、No.1、SHIFT、TSIホールディングス、TWOSTONE&Sons、ジェイドグループ、石油資源開発、大栄環境、芙蓉総合リース 3件 35社=SGホールディングス、小野建、オリックス、マツキヨココカラ&カンパニー、ユアサ商事、ワールドなど 2件 161社=DCMホールディングス、SOMPOホールディングス、アインHD、亀田製菓、塩野義製薬、ソフトバンクグループ、高島屋、マルハニチロなど 1件 748社

文:M&A Online

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