ホッチキスなどの「マックス」海外や鉄筋結束機事業でM&Aを模索 今後1年半ほどで実現へ

ホッチキス(マックスの商品名、針で紙を綴じる機器)や鉄筋結束機などを手がけているマックス<6454>が1年半ほど先の2027年3月期末に向けM&Aの実現に力を入れている。

2025年4月に公表した「修正中期経営計画」の中で、海外事業や鉄筋結束機事業でM&Aを検討するとの具体的な検討領域を明記したほか、2025年11月1日に公表した「統合報告書2025」の中では、2027年3月期までに実現を目指すとの方針を示した。

同社は2014年に店舗のウインドー広告や駅の案内表示などを作成する表示作成機の欧州代理店である英国のLighthouse(UK)Holdco Ltd.を子会社化して以降、M&Aの実績はなく、実現すれば10年以上ぶりとなる。

120億円枠を設定

マックスは、2024年4月に策定した2025年3月期~2027年3月期の中期経営計画の中で、M&Aを含む事業拡大に120億円程度を投資するとしていたが、対象企業の領域などは示していなかった。

修正中期経営計画ではM&Aについて「成長市場である海外市場、かつ重点事業の鉄筋結束機事業の拡大に資する投資を中心として、M&Aを含め検討中」とし、領域を絞って対象企業を探索していること明示した。

投資枠についての変更はなく、M&Aなどの事業拡大に120億円程度を投じる計画だ。

また、統合報告書2025では「事業拡大投資はM&Aを含め検討が進みつつあり、中期経営計画期間に実行したい」とし、2027年3月期までの実現を目指す考えを示した。

M&Aの検討領域としている鉄筋結束機は、鉄筋コンクリートの建物を建設する際に鉄筋同士をワイヤーで固定する電動工具で、順調に事業が拡大しており、M&Aでさらなる成長を目指すことにした。

また海外市場でも鉄筋結束機や表示作成機などが堅調に推移しているため、これら分野での事業拡大に取り組むとしている。

実績のない2014年以降のM&A

マックスは1942年に航空機のウィング部品を製造する企業である山田航空工業を設立したのが始まり。

1945年に山田興業に社名を変更するとともに、ホッチキスなどの事務器の生産を始め、マックスの基礎を築いた。

M&Aについては2000年に浴室暖房換気乾燥機メーカーのシンワハイテクグループ2社を子会社化し、住環境機器事業に進出。

2009年には床暖房システム製造のサンサニー工業を子会社化し、住環境機器事業を拡充した。

さらに2010年に、介護用車いすを中心とした福祉用具を製造販売するカワムラサイクルを子会社化し、事業領域を拡大するなど新事業の立ち上げや拡充にM&Aを活用してきた。

直近では2014年に、店舗のウインドー広告や駅の案内表示などを作成する表示作成機の欧州代理店である英国のLighthouse(UK)Holdco Ltd.を子会社化した。

Lighthouseは表示作成機本体と専用消耗品を英国や欧州各国で販売しており、欧州での販売・保守網や人的資源を獲得できることから買収に踏み切った。

これ以降、マックスによるM&Aの実績はない。

ホッチキスなどの「マックス」海外や鉄筋結束機事業でM&Aを模索 今後1年半ほどで実現へ
マックスの主なM&A

さらなる上方修正も

マックスは、鉄筋結束機、釘打機、浴室暖房換気乾燥機などの「インダストリアル機器部門」(売上高構成比約73%)を主力に、ホッチキスをはじめパンチや表示作成機などの「オフィス機器部門」(同約24%)と、介護用車いすなどの「HCR(在宅ケア&リハビリテーション)機器部門」(同約4%)の3部門で事業を構成する。

ホッチキスなどの「マックス」海外や鉄筋結束機事業でM&Aを模索 今後1年半ほどで実現へ
マックスのセグメント別売上高

ホッチキスをはじめ、充電式鉄筋結束機や電気式浴室暖房換気乾燥機など、トップシェアや世界初の製品を数多く持っているのが強み。

2026年3月期は、第2四半期時点でインダストリアル機器部門が好調に推移していることから業績予想を上方修正し、売上高は25億円多い977億円(前年度比6.4%増)、営業利益は15億円多い172億円(同18.9%増)に引き上げた。

また2025年4月の修正中期経営計画では、2027年3月期の業績計画も上方修正し、売上高は3億円多い981億円に、営業利益は2億円多い155億円に引き上げていたが、営業利益は1年前倒しで達成できる見込みのため、さらなる上方修正が見込まれる。

文:M&A Online記者 松本亮一

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