レオパレス創業者が立ち上げたMDI、ソフトバンクと資本提携

レオパレス21<8848>の創業者・深山祐助氏が立ち上げた賃貸住宅事業のMDI(本社:東京都中央区)が、ソフトバンクグループ<9984>とOYO Hotels & Homes(以下:OYO)が出資する合弁会社を通して資本提携します。

OYOはインドで生まれた、格安ホテルと賃貸住宅を提供する注目のスタートアップ企業。

2018年には、ソフトバンク主導で10億ドル(1100億円)の資金調達が決まったことで話題となりました。OYOは国内でスマートフォンによる物件探しサービス「OYO LIFE」を2019年3月から展開中。今回の資本提携で、MDIは賃貸住宅供給力を引き上げ、OYOはシステムの利用者取り込みを加速させる狙いがあるとみられます。

レオパレス21の営業力を継承したMDI

レオパレス創業者が立ち上げたMDI、ソフトバンクと資本提携
孫正義氏
ソフトバンク主導で10億ドルを資金調達(画像はプレスリリース)

MDIはレオパレス21の48億円私的流用事件で辞任した、深山祐助氏が2008年に立ち上げた会社。ビジネスモデルはレオパレスと全く同じで、賃貸住宅経営のオーナーを探し、建物の建築、運営、管理を行います。

決算公告によると、MDIの2018年3月期売上高は1196億5526万円、営業利益は92億9060万円です。創業からわずか10年ほどで売上高1000億円を超えました。レオパレス時代の強烈な営業力を継承した会社です。

実はこのMDIという社名は、レオパレス21が社名変更する前に深山氏が使用していたもの。つまりMDIは、レオパレスへの当てつけとして立ち上げたといっても過言ではない企業です。

勢いのある企業であることは間違いありませんが、売上は頭打ちになってきました。2019年3月期の売上は1140億7500万円で、2012年以来初めて前年度割れを起こしたのです。

決算期売上高 2012年 3月期 115億3600万円 2013年 3月期 177億7600万円 2014年 3月期 266億5100万円 2015年 3月期 336億8500万円 2016年 3月期 567億8400万円 2017年 3月期 810億4400万円 2018年 3月期 1200億2200万円 2019年 3月期 1140億7500万円

※公式ホームページより筆者作成(決算公告とのずれは原文ママ)

背景にはレオパレスの施工不良問題があり、そのビジネスモデルを受け継いだMDIの賃貸住宅が売れにくい状況に陥った(同社は違法建築はなかったとの報告書を提出しています)。

または、自社が不利な立場に立たされたことにより、これまでよりも物件の販売価格を引き下げざるを得なくなったと考えられます。

OYOとの提携はMDI上場のチャンスとなるか

レオパレス創業者が立ち上げたMDI、ソフトバンクと資本提携
OYO LIFE
10月から関西方面に進出する「OYO LIFE」

OYOは2万軒以上のホテルを運営する、世界第6位のホテルチェーンです。企業価値は、7月に1兆円を超えたと創業者リテシュ・アガルワル氏が発表しました。この会社の最大の強みは、AIとビッグデータを駆使して、宿泊料を徹底的に管理。リアルタイムで最適な料金をユーザーに提示し、宿泊へと導いている技術力の高さです。

日本での賃貸住宅事業「OYO LIFE」は、2019年3月から開始しました。ヤフー<4689>と資本提携して合弁会社OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANを設立しました。

このサービスは、スマートフォンひとつで物件探し、契約や支払いのインフラ整備から退去まで一気通貫のサービスを提供するものです。ホテルに泊まるように、賃貸物件を借りられます。煩わしい敷金や礼金の縛りをなくし、ユーザーの利便性を高めました。しかし、これは表向きの顔。「OYO LIFE」は、一括借り上げをして家賃保証をするサブリースの側面があります。

レオパレス創業者が立ち上げたMDI、ソフトバンクと資本提携
MDIとOYO
MDIはOYOのビジネスモデルで物件の付加価値向上を狙う(画像はプレスリリース)

国内のサブリース会社と異なるのは、OYOが世界的なブランド企業であるということ。そしてヤフーと提携してマーケティングを強化していることです。「OYO LIFE」サービス開始前の事前登録者は1万人を超えていました。

ハイテク企業らしく、家事代行やカーシェアサービスを提供する企業と協業し、ユーザーへのサービスに厚みがあるのも特徴的。物件の利用者が、簡単に離れないような工夫を随所に凝らしているのです。

OYOへの加盟料、保証料、システム利用料などはすべて無料で、賃貸物件のオーナーのメリットが高いことも強みの一つです。

MDIは、OYOとの資本提携により、物件の付加価値を高めてオーナー候補への営業力に磨きをかけるものと予想されます。ハイテク企業との提携がMDI上場への足掛かりとなるのか。注目が集まっています。

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