乳業大手の雪印メグミルク<2270>が、海外展開や機能性商品の拡充などでM&Aの積極活用に乗り出した。
日本の乳業業界は人口減少に伴う市場の縮小が懸念されており、海外展開や新規事業の開拓などが企業成長の重要な要素になることが見込まれる。
雪印メグミルクが海外や機能性商品などの分野で、M&Aの積極活用に取り組むのには、こうした背景がある。
M&A1件当たり50億円がめど
同社は前中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)の振り返りで、今後「あるべき姿(食の持続性の実現、企業価値の向上)に到達するためには、これまでの延長ではない意欲的な施策に打って出る必要がある」と結論づけた。
この方針に沿って、牛乳の供給体制の持続的成長に向けた大型の更新投資や、将来に向けた種まきの投資などと並んで、シナジーや事業領域の拡大が見込める分野で、積極的にM&Aを活用することにした。
今後5年間(2026年3月期~2031年3月期)で総額3200億円を投資する計画のうち、400億円をM&Aに充て、海外展開の強化や機能性商品の拡充、代替食品分野の育成を進める。
海外展開では東南アジアを中心に、チーズやMBP(牛乳由来の機能性食品素材)をはじめとする機能性素材の販売チャネルの獲得につながる企業を模索。
重点機能性商品や代替食品では、菌体ビジネスの収益化につながるような企業や、PBF(プラントベースフード=植物由来の原料で作った食品)、発酵、培養などを手がける企業などを対象にする。
さらに新たなビジネスの展開として、ペット市場や宇宙産業などに関わる企業も検討する方針で、投資額はいずれも1件当たり50億円をめどにする計画だ。
次は買収か、譲渡か
雪印メグミルクは2000年の食中毒事件などで経営危機に陥った雪印乳業と、日本ミルクコミュニティが2009年に経営統合して誕生した。
前身は北海道製酪販売組合で、ここから数え2025年5月に創業100周年を迎えた。自社の強みとして「生産から販売までを一貫して行う牛乳の供給体制」「商品化のための技術開発力」「市場競争力」の三つを挙げる。
現在の事業構成は乳製品事業(バター、マーガリン、チーズ、機能性食品など)と、飲料・デザート類事業(牛乳、乳飲料、ヨーグルト、デザートなど)がそれぞれ売上高の約40%、飼料・種苗事業(牧草、飼料作物、野菜など)が約8%、その他事業(共同配送センター、不動産賃貸など)が約6%を占める。
2025年3月期は売上高6158億1900万円(前年度比1.7%増)、営業利益191億2500万円(同3.6%増)の増収営業増益を達成。2026年3月期は6400億円(同3.9%増)、営業利益190億円(同0.7%減)を見込む。
M&Aにはなじみが薄く、適時開示情報によると2024年にチーズの製造、加工を手がけるヨシダコーポレーション(愛知県愛西市)を子会社化した案件と、2025年10月10日に飼料の仕入れ販売や、家畜の飼育販売を手がけるロイヤルファーム(青森県十和田市)を譲渡した案件の2件にとどまる。
今後5年間の経営計画では、シナジーや事業領域拡大が見込まれる分野で積極的にM&Aを実施する一方で、シナジーの少ない事業の撤退や譲渡にも取り組む方針を明らかにしており、ロイヤルファームの案件はこの方針に沿ったものとなる。
雪印メグミルクが次に打ち出すのは、買収か、それとも譲渡か。
文:M&A Online記者 松本亮一
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