3Dアバター(利用者の分身となるキャラクター)を用いてVTuber市場の開拓に取り組むミラティブ<472A>は、事務所などに所属せずに活動する個人VTuberを中心に、配信者支援サービスを拡充する。
スマートフォンから手軽にライブ配信できる自社アプリ「Mirrativ」にとどまらない事業拡大を目指し、成長を加速させる手段として、M&Aや資本業務提携を活用する方針だ。
配信者支援を軸に事業領域を拡大
Mirrativは、スマートフォンからゲーム画面などをミラーリング(スマートフォンの画面をリアルタイムで配信する仕組み)し、ライブ配信できる機能を持つ。
3Dアバター「エモモ」を使うことで、顔出しをせずに感情表現を交えた配信が可能となり、個人VTuberによる配信に活用されている。
モバイルゲームを媒介に、配信を通した交流や、誰かのためにお金を使うことによる楽しさが体験できるギフト機能を備えているのが特徴だ。
同社は、スマートフォンアプリを通じたライブ配信サービスを軸に、広告、プロモーション、イベント運営、グッズ販売などを展開している。
また、2024年に子会社化したアイブレイドでは、VTuberと企業を結びつけるプラットフォーム運営や、音楽イベントの企画・運営などを手がける。
さらに2025年に持分法適用関連会社化したキャスコードは、Mirrativ以外のプラットフォームで活動する配信者に対しても、配信演出コンテンツや収益機会の提供を行っている。
同社では、アイブレイドやキャスコードのような案件を増やし、配信者支援サービスを拡充することで、さらなる成長を目指す。
拡大するモバイル市場が追い風に
ミラティブは2018年2月に東京都内にエモモとして設立された。翌3月にディー・エヌ・エーのライブ配信プラットフォームMirrativ事業を承継し、社名をミラティブに変更した。
同年にMirrativアプリ上で使用可能な3Dアバター・エモモの提供を開始。翌年にはユーザーが作成した3Dアバター・エモモを利用して、顔出しをせずにカラオケ配信ができるサービスを始めた。
2024年からは他のプラットフォームで活躍する個人VTuber向けにソリューション提供を行うことを目的に、アイブレイドの子会社化(2024年10月)やキャスコードの持分法適用関連会社化(2025年2月)に踏み切るなど、事業範囲を広げている。
モバイルコンテンツ市場は2024年に約3兆2000億円規模に達しており、今後も拡大が見込まれる。
こうした市場環境を背景に、同社ではミラティブ事業は安定成長が見込めるうえ「改善の余地があり、売上高、利益ともに伸びしろが期待できる」と分析する。
2025年12月期は営業黒字に転換
業績は公表資料によると、2020年12月期に19億9100万円だった売上高が、2025年12月期には70億400万円(2020年12月期比3.51倍)に拡大。
一方、営業利益は2020年12月期から2024年12月期まで5年間、赤字が続いていたが、2025年12月期は2億2900万円の黒字に転換する見通し。
今後は、収益化手法の多様化と外部プラットフォームを含めた支援体制の強化を進め、持続的な成長につなげられるかが焦点となる。
文:M&A Online記者 松本亮一
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