【ニデック】的中した「創業以来最大の危機」を乗り越えられるか?|ビジネスパーソンのための占星術

こんにちは、柳川隆洸です。

新月のタイミングに合わせて毎月1回、「ビジネス×占星術」の内容で連載をしています。

西洋占星術では1ヶ月の始まりを新月としており、新月の星配置を見ることで1ヶ月の社会的傾向を知ることができます。

まず、先月の11月20日の新月から現在までを振り返ってみましょう。前回の記事で「金融や債務など“お金の裏側”に焦点が当たりやすく、制度改革が具体化しやすい」と書きましたが、ガザ停戦後を見据えた国際安定化部隊構想が具体化し、各国が参加する会合に向けて指揮系統や枠組みの調整が進む流れが報じられました。

一方で「通信・サイバー・国際交渉では突発的な問題が生じやすい」とも書きましたが、12月5日にはインターネット基盤の一角を担うCloudflareで大規模障害が発生し、世界中のサービスに影響し得る“突発的トラブル”として公式に説明されています。

社会のムードが二転三転しやすい1ヶ月に

そんな中での12月新月からの星の影響を見てみましょう。

新月は12月20日10時43分です。

まず、今月の星配置で最も特徴的なのは、射手座にある太陽・月・金星といった主要天体が、魚座に滞在する海王星や土星と非常に厳しい配置を作っている点です。射手座が象徴する「理想」や「拡大」のエネルギーに対し、海王星の「曖昧さ」や土星の「制限・重圧」が横槍を入れる形となります。

このため、社会全体に不透明な空気が漂いやすく、進めようとしていた計画が頓挫したり、リーダーの言動に一貫性がなくなったりと、方向感覚を失いやすいスタートとなりそうです。

そして、ビジネスに直結する「情報」や「金融」の領域でも警戒が必要です。情報の水星もまた、年末年始にかけて海王星や土星とハードな繋がりを形成します。これにより、通信インフラの突発的なトラブルや、大規模なシステム障害、あるいはフェイクニュースによる混乱などが生じやすくなります 。

金融の金星に関しても、土星による冷え込みと海王星による混乱が同時に作用するため、年末商戦の数字が伸び悩んだり、相場の動きが実体経済と乖離して乱高下したりするリスクがあると言えるでしょう 。

ただ、年が明けて1月に入ると、空気感はガラリと変わります。これまで射手座にあった星が次々と山羊座へ移動し、現実的で実務的なムードが強まりそうです。しかし、ここで新たな緊張が生まれます。1月10日前後には、国家や組織を表す太陽、攻撃性の火星、金融の金星が、拡大発展の木星と真っ向から向き合う配置となります 。

これは「権力の暴走」や「過剰な活動」を示唆します。強引な法改正や規制強化、あるいは外交面での強い衝突といった形で現れるかもしれません。金融面でも、極端な楽観と悲観が入り混じり、相場が振れやすくなることが予想されます。

年末の12月20日から1月頭にかけては、海王星の影響で物事の境界線が曖昧になりがちです。重要な意思決定や契約は、不備や見落としが発生しやすいため、慎重さが求められます。

一方で、1月15日を過ぎる頃には、革新の天王星が太陽や金星と調和的に響き始めます。ここでようやく、停滞していた状況に対する技術的な解決策や、新しい視点からの打開策が見つかり、事態は収束へと向かうでしょう。

このように、今月は前半の「混乱・迷走」と、中盤以降の「過剰・暴走」という、性質の異なる二つの荒波を乗りこなす必要があります。

いずれにしても、社会のムードが二転三転しやすい1ヶ月です。周囲の喧騒に巻き込まれることなく、冷静に判断しましょう。

【企業ピックアップ】ニデック

毎月気になる企業をピックアップし、その企業の占星術的な視点からポイントをお伝えしています。

今回はニデック<6594>(1973年7月23日設立)を取り上げます。
ニデック(旧 日本電産)は、創業者の永守重信氏が一代で築き上げた世界No.1の総合モーターメーカーです。

「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という強力な行動指針と積極的なM&A戦略を原動力に、HDD用精密モーターから電気自動車(EV)向けトラクションモーターまで事業を拡大し、売上高2兆円規模へと成長しました。

しかし、2025年には過去の不適切会計問題が発覚し、監査法人から半期報告書への「結論不表明」を受けるなど、創業以来最大の経営危機に直面しています。長年のカリスマ主導体制が生んだ企業風土の歪みを是正し、ガバナンスを正常化できるかが、再成長への鍵となっています。

実はニデックに関しては2018年にも当連載(「日本電産のピークは2024年!永守氏と新社長・吉本浩之の動向は?|ビジネスパーソンのための占星術」)で言及しましたが、大きな節目のこの時期に改めて同社の今後を西洋占星術を使ってチェックしていきたいと思います。

爆発的な行動力と革新に満ちた星配置

改めて、ニデックのホロスコープを見てみますと、企業のアイデンティティを示す「太陽」と、拡大と発展を意味する「木星」が、真正面から向かい合っており、 これは「限界なき拡大意欲」を意味します。

現状維持をよしとせず、常に高い目標を掲げ、実際に実力を引き上げていく「有言実行」のエネルギーが強いことが分かります。M&Aを繰り返し、世界一への野望を目指す姿勢は、まさに貪欲なまでの成長欲求そのものです。

さらに、企業の行動力や現場力を示す「火星」と、革新や突発的な変化を示す「天王星」もまた、180度の緊張感のある配置で、困難な状況や常識を覆すようなスピード感が求められる局面で爆発的な推進力を生み出します。

「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という有名な行動指針は、この火星と天王星を言葉にしたものと言えるでしょう。

一方で、太陽は夢や理想を意味する「海王星」とポジティブに繋がっており、 これは強烈な野心や攻撃性の裏側に、「世界をより良くしたい」というロマンや、大衆を惹きつける不思議なカリスマ性が備わっていることを意味します。

単なる利益追求集団に終わらず、大きなビジョンで人を巻き込む不思議な魅力として発揮されそうです。

このようにニデックのホロスコープは、世界No.1の総合モーターメーカーとして君臨するだけの極めて強い推進力を持った企業であることがハッキリと出ています。

今年は「実力以上に数字が伸びてしまう」時期だった

ではこれから、気になる「なぜ今回の不適切会計問題に発展してしまった」のかをチェックしていきます。

2018年にこの記事で、2024年まではかなり調子良く発展し、2025年から方向転換が入るとお伝えしてきました。その通りに、2018年から2024年にかけて見せた売上高は急成長しました。

まず、創業者・永守重信氏のホロスコープを見てみますと、乙女座に太陽があり、2018年から2020年頃に土星がこの太陽に対してポジティブに繋がっていました 。

土星は「実績」や「定着」を意味し、永守氏のカリスマ的な経営判断が、揺るぎない成果として現れやすい時期でした。M&AやEVシフトへの号令が、神がかったタイミングで市場に刺さったのも頷けます。

さらにニデックのホロスコープでも、 2020年末から2021年にかけて、水瓶座で木星と土星が重なる「グレート・コンジャンクション」という現象が起きました。これがニデックの木星の真上で発生していました。木星は「拡大発展」の象徴で、そこに、数十年に一度の強いエネルギーが影響していました。

結果的に「売上高2兆円」にまで躍進しました。

これは会計操作の影響もありケチが付いてしまいましたが、星のタイミング的には「実力以上に数字が伸びてしまう」という、ある種の“確変状態”に入っていたことも事実です。

一転して、2025年11月に監査法人から半期報告書への「結論の不表明」が出されるという異常事態が発生しました 。

2024年から2025年にかけて、破壊と再生を意味する冥王星がニデックの太陽の真向かいに位置していました。これは「隠されていたものが露見する」「古い権威を破壊する」という、かなり強い影響を持つ星配置です。

「結論不表明」により、上場廃止のリスクすら囁かれており、冥王星の影響がニデックに対し、永守商店的なワンマン体制を捨てる時期を示唆しているような星配置と言えるでしょう。

過去の栄光に固執すれば破滅の危機も

では、ニデックはこのまま沈んでいくのかというと、意外にも新しい形での「再生」の兆しがはっきりホロスコープに出ていました。

2026年、変革を意味する天王星がニデックの火星に対して、ポジティブな影響を発揮します。火星は「技術力・現場のエネルギー」を象徴します。つまり、これまでの「トップダウンによる統制」から、「現場主導の技術革新」へとシフトしていくことを意味しています。

これからは、カリスマ経営者の強烈な引力ではなく、天王星が象徴する「分散型のリーダーシップ」が組織を牽引することになるのではないかと予想されます。これまでの派手なM&Aではなく、地道な技術開発や、現場からのイノベーションが再評価されるような原点回帰が進むでしょう。

2026年のチャートにはまだ冥王星の影響が残っていますが、同時に木星が再びニデックの太陽に影響する時期も巡ってきます。

これは、市場からの信頼が回復する可能性を示唆しています。ただし、過去の栄光に固執すれば、冥王星の破壊作用が長引き、本当に組織が解体される恐れもあります。

これからのニデックに必要なのは、過去の否定であり土星が意味するコンプライアンスを骨格とした、透明性の高い組織へと生まれ変われるか。それができれば、2027年頃には再び、今度は健全な形での成長軌道に乗ることができる天体配置になっています。

新たな時代に適応した企業として生まれ変わるニデックの未来を期待したいです。

*次回公開予定は2026年1月19日です。

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