業務用洗剤大手の「ニイタカ」外食市場主体の事業構成を変革 ヘルスケアや新領域でM&Aを模索

業務用洗剤大手のニイタカ<4465>は、主力の業務用洗剤事業で、外食市場主体の事業構成の変革に乗り出した。

食品工場やホテル、スーパーなどの外食市場以外の業務用洗剤の需要開拓を進めるほか、ヘルスケア事業の拡大や海外展開、新領域の開拓を成長の軸に据える。

今後、事業強化に向けたM&Aを積極化する計画で、3年間(2026年5月期~2028年5月期)に35億円を投じる。

こうした取り組みで2028年5月期に売上高275億円(2025年5月期比15.9%増)を目指し、2035年には400億円規模への引き上げを長期目標として掲げる。

食品工場などのニーズを取り込み長期成長目指す

ニイタカは業務用洗剤の独立系専業大手で、外食市場向けが売上高の半分超を占め、残りを食品工場やホテル、スーパー、給食などが占める。

開発から生産、営業、サポートまでの一貫体制を有する数少ないメーカーで、開発スピードや量産化、安定供給、課題解決型営業に強みを持つ。

同社では、衛生意識の高まりや人手不足を背景とした省力化ニーズの拡大により、洗剤や消毒剤の需要は堅調に推移するとみる。

食品工場での「洗浄・除菌を効果的にしたい」といった課題をはじめ、スーパーでの「厨房床の清掃負担を軽減したい」、給食センターでの「アルミ食器などの洗浄・除菌を効率化したい」といった、外食産業以外のニーズに的確に応えることで、長期的な成長が可能と判断した。

今後は、衛生コンサルティングサービスの提供や課題解決型の提案を通じて、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に取り組む。

デンタル市場への展開も視野に

同社では、業務用洗剤や鍋料理用の固形燃料などのケミカル事業が売上高の約93.7%を占め、残りの約6.3%を乳酸菌発酵食品などのヘルスケア事業が占める。

地域別では、国内向けが売上高の約96%を占め、海外は約4%にとどまる。

こうした構成を踏まえ、ヘルスケア事業や海外事業、さらには新領域の開拓を進める方針だ。

ヘルスケア事業では、乳酸菌発酵エキスを活用した新領域向け製品の開発や、海外代理店とのパートナーシップを生かした事業展開を強化する。

海外事業では、業務用洗剤や固形燃料を中心に、中国やアジア、北米、欧州での市場開拓に力を入れる。

新領域事業ではデンタル市場への展開を計画しており、個人店舗が多い外食市場で培ったノウハウを生かし、個人経営の多いデンタルクリニック市場への参入を目指す。

業務用洗剤大手の「ニイタカ」外食市場主体の事業構成を変革 ヘルスケアや新領域でM&Aを模索
ニイタカの売上高構成比

こうした取り組みの中で、事業強化につながる企業や事業を対象にM&Aを検討する。

対象などの詳細は明らかにしていないが、事業拡大に向けたM&A投資枠(2026年5月期~2028年5月期)として、製品増産に向けた設備増強や新基幹システム投資などの基盤投資(28億円)を上回る35億円を設定した。

これまでにニイタカが適時開示したM&Aは2010年以降で5件あり、近年は2023年にアルコール製剤を製造する京葉糖蜜輸送を子会社化。除菌やウイルス対策などの業容を拡大した。

同年には、野菜や果物、海藻、キノコなどの植物原料を乳酸菌で発酵させた発酵エキスを製造し、健康食品や化粧品などに販売するバイオバンクを子会社化し、ヘルスケア事業に参入した。

直近では2024年に、料理用固形燃料などを製造する中国子会社の新高(江蘇)日用品有限公司について、当初計画通りの収益確保は極めて困難と判断し、同業の嘉德生物科技(江蘇)有限公司に譲渡した。

業務用洗剤大手の「ニイタカ」外食市場主体の事業構成を変革 ヘルスケアや新領域でM&Aを模索
ニイタカが適時開示したM&A

2035年に国内業務用洗剤市場でトップシェアへ

2025年5月期は、売上高237億1400万円(前年度比4.3%増)、営業利益19億2500万円(同30.4%増)と増収営業増益となった。

洗剤・洗浄剤では、人手不足に対応した製品を中心に、飲食店や食品工場、食品スーパーなどのニーズに沿った製品・サービスの提案が奏功したほか、乳酸菌発酵食品についても欧米を中心に海外での拡販が進んだことが好調の要因となった。

2026年5月期は、売上高で前期比4.8%増、営業利益で同3.9%増を見込む。さらに2035年5月期には、国内業務用洗剤市場でトップシェアを確立し、売上高400億円、営業利益40億円を目指す。

既存事業の強化に加え、M&Aを通じた新領域の取り込みをどこまで成長に結び付けられるかが、トップシェア実現へのカギを握りそうだ。

業務用洗剤大手の「ニイタカ」外食市場主体の事業構成を変革 ヘルスケアや新領域でM&Aを模索
ニイタカの業績推移

文:M&A Online記者 松本亮一

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