
こんにちは、柳川隆洸です。 新月のタイミングに合わせて毎月1回、「ビジネス×占星術」の内容で連載をしています。
西洋占星術では1ヶ月の始まりを新月としており、新月の星配置を見ることで1ヶ月の社会的傾向を知ることができます。
まず、先月の6月25日の新月から現在までを振り返ってみましょう。
前回の記事で「木星が土星・海王星とネガティブに絡み、“過剰な期待と厳しい現実のギャップ”が表面化する」と書きましたが、この揺り戻しは、7月20日の参院選で自民・公明連立が過半数を失う大敗という結果にも反映されたかと思います。
さらに「イラン・イスラエル間の緊張」の予兆どおり、6月13~24日に両国が相互空爆を行い25日に米仲介停戦。続く「ウクライナ東部での消耗戦」は7月1日のルハンスク制圧宣言と9日の728機ドローン攻撃で現実化しました。「洪水、嵐、熱波」の警告も、7月4日のテキサス洪水や欧州熱波死者がでるなど痛ましい結果で顕在化しました。
インフラ障害や突発的な自然災害への懸念が膨らむ月に
そんな中での7月新月からの星の影響を見てみましょう。
新月は7月25日4:10です。この一カ月は「衝突」と「協調」の潮目が何度も入れ替わるような荒れた1ヶ月になりそうです。
まず8月上旬、活動力の火星が天秤座へ入り、改革の天王星とポジティブに繋がるので革新的技術が脚光を浴びやすいでしょう。AIを中心とした躍進はさらに続きそうです。ただ、それが無人機やAI(人工知能)兵器といった軍事的な側面での発展に向かう傾向もあります。中東や東欧の局地的衝突で世界をヒヤリとさせることもあるかもしれません。
さらに8月1日には金融を意味する金星が秩序の土星と理想の海王星と相次ぎハードにつながり、国民による財政負担が可視化されやすく、財政論争が激化しやすい時期になりそうです。市場は期待と現実のギャップを映して乱高下しやすいので注意が必要です。
8月15日頃からは知性の水星と火星がポジティブにつながるので、停戦や自由貿易協定が進展する一方、ウイルスやサイバー攻撃、フェイクニュースが蔓延しやすい時期に入ります。通信障害やデータ漏洩が企業価値を左右しかねないため、リスク管理の徹底が不可欠です。
終盤の22~23日には太陽と天王星がハードにつながります。
天王星は突発的な障害を引き起こしやすいので、インフラ障害や突発的な自然災害への懸念が膨らみやすい時期になります。災害になどに対する備えを重視してください。
【企業ピックアップ】日本製鉄
毎月気になる企業をピックアップし、その企業の占星術的な視点からポイントをお伝えしています。 今回は日本製鉄〈5401〉(1950年4月1日設立)を取り上げます。
同社は、粗鋼生産量で国内最大を誇る製鉄大手であり、世界ランキングでも常に上位に位置しています。2023年末に発表された米国USスチールの買収計画が注目を集め、2025年5月には株主総会の承認を得て、実質的に買収が実現しました。
一方で、米政府への“黄金株”譲渡による経営の主権問題や、過去の買収戦略との違いも話題となっており、世界的な再編の波の中でその存在感とリスクマネジメント力が問われています。
そこで今回は、同社のUSスチール買収にフォーカスし今後の課題や転機になりそうな時期などについて占星術的視点で見てみようと思います。
買収は強みと課題を可視化する「大きな試練」
実は日本製鉄は2019年にも一度取り上げているのですが、5年以上経っていますので、改めて同社の特徴をお伝えします。
日本製鉄ホロスコープを改めて見ると、企業の推進力を意味する太陽や知性の水星が牡羊座にあることで、瞬発力がありアイデアを即座に実行へ移す行動力を持っていることがよく分かります。
また、企業の拡大力である木星や金星が水瓶座にあり、「先端技術と大規模な協業で世界を牽引するリーダー」という気質を強く帯びています。国内外でのネットワーク形成や共同プロジェクトをスムーズに進める社交性と未来志向を後押しする星配置です。
一方で、火星と天王星がハードな星の繋がりになっており、これは例えば原料高騰や政策変更といった「外部ショック」に揺さぶられやすい脆さを抱えている側面もあります。
また、同社のホロスコープでは水の星座である蟹座・蠍座・魚座の要素が少ないため、社員や地域社会の感情面への配慮が後回しになりがちな点も弱点として浮かび上がりやすいです。
今回のUSスチール買収は、同社の強みと課題を一気に可視化する「大きな試練」であると感じます。技術力と交渉力によって新市場を獲得するチャンスであると同時に、巨額投資や米政府の黄金株による制約、労組との対話など、突発リスク、情緒面の課題を一挙に引き受ける出来事となりました。
2019年の記事でも「これまでと同様のペースで合併・買収を続けてしまうと、想像しなかった弊害が噴出する可能性もある」と懸念する内容を伝えていました。
それは、形式上の合併・買収に成功しても、水の星座の要素が少ないことで、社員や関係者の感情面を満足させた本当の意味での合併・買収は極めて難易度が高いという特徴を同社が持っいるからです。
ホロスコープ上での転換点にUSスチールを買収
では次に、日本製鉄のUSスチール買収に対する時期をみてみます。
買収を最終決着させた2024~25年は、ホロスコープ上でもまさに転換点でした。
2024年後半は天王星が木星へハードに衝突し、一発逆転の案件をもたらしやすい時期に入ります。さらに同年10月と12月には土星が同社の土星と対向し、企業にとっては厳格な見直しフェーズへ突入しました。
ここで「追加投資や米政府との条件交渉」という重荷がのしかかったのは偶然ではなく、「長期的に耐えうる財務構造を組み直す」という同社が発展する為の試練であったように感じます。
買収が承認された2025年前半は、木星と土星のハードな繋がりが3月まで続き、難しい時期でしたが、5月の天王星の影響で“電撃的なゴーサイン”が出て取引が成立。一気に世界3位規模へ躍進する勢いで頭角を現す結果となりました。
まさに星の影響通りのストーリーで今回の買収劇が展開していたことが分かります。
来年から再来年にかけて、早くも試練が…
次に同社の試練となるのが2026年~27年です。土星が同社の太陽と重なることで今回の買収が本物であったかどうかが問われる時期になります。「成果を数字で見せる」「シナジー指標を公開」「労組や地域社会との対話」などが厳しくチェックされるイベントが発生しやすい時期と考えて良いでしょう。
また同社は米政府との国家安全保障協定(NSA)で 2028年までに約1兆6000億円の設備投資 をコミットしていますが、2028年に入ると天王星が同社の土星にハードに繋がることで、予想もしていなかった外部ショックが起こりやすくなる時期に重なります。
そして、一番の山場となりやすいのが2031年以降で、木星と海王星が同社の太陽に影響し、理想と実際の数字的結果を求められる時期に入ります。USスチール買収やグリーンスチールで利益を出せたかを世間から総点検されるはずです。
これを乗り越えることができれば、冥王星が山羊座から水瓶座へ移る2033~35年には、同社自らが業界を作り替える側に回るチャンスに恵まれる時期に入ります。“真のグローバル・グリーンスチール企業”として台頭する可能性が高まりそうです。
したがって、USスチール買収は、日鉄が抱える弱点を克服し得る絶好の試練であり、このハードルを鮮やかに乗り越えた先には、世界基準を塗り替えるほどの飛躍が待っているはずです。日本を代表する企業として、そのシナリオの実現を大いに期待したいと思います。
*次回公開予定は8月22日です。
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