信販大手の「オリエントコーポレーション」自動車流通の上流を強化 事業モデルを転換

クレジットカードやオートローンを主力とする信用販売会社大手のオリエントコーポレーション<8585>は、金融サービスの提供にとどまらず、自動車流通の上流に踏み込むことで事業モデルの転換を進める。

2026年2月20日に自動車販売プラットフォームのクルモを、双日オートグループジャパンから取得する。

同社はこの案件を中期経営計画で掲げる「与信×テクノロジー」の実現を加速させる取り組みと位置付ける。

今後、自動車領域を起点とした顧客との関わり方を広げる取り組みが、他分野にも及ぶ可能性がありそうだ。

自動車販売プラットフォームを取得

オリエントコーポレーションを取り巻く経営環境は、少子高齢化の進行や金利ある世界への回帰、デジタル化・キャッシュレス化の進展、所有から利用へと価値観が移行する動きが重なるなど、大きな転換点を迎えている。

さらに、生成AI(人工知能)をはじめとするテクノロジーの急速な進化により、従来の延長線上にはないインフラやサービスが生まれつつあり、事業環境は変化の局面にあると分析する。

中期経営計画では「強みである与信力をテクノロジーで磨き上げ真に顧客を軸とした事業モデルへ転換する」との方針を掲げた。

こうした方針に沿って実施するのが、自動車販売プラットフォームであるクルモの取得だ。

クルモは、車を売りたい人と買いたい人をつなぐ情報サイトで、新車、中古車、未使用車などを幅広くそろえており、個人だけでなく販売店からの購入も可能。

車の売買支援のほか、決済システムやローン、車両の輸送、検査登録手続などのサービスも提供している。

オリエントコーポレーションは、これまでオートローンを中心に自動車購入の下流領域での関与が主だったが、クルモの取得により、車両選定や購入検討といった上流領域にも関与する。

今後、同社が手がけるオートローンやオートリースとクルモを連携し、自動車の販売機能と金融サービスを一体で提供するモデルを目指す。

クルモの取得は、自動車販売のプラットフォームを起点に事業領域を広げることで、金融中心だった従来のビジネスモデルからの転換につながる可能性がある。

1978年にオートローンに参入

オリエントコーポレーションは、1954年に協同組合広島クーポンを設立したのが始まり。

その後、クレジットカード、信用保証業務、キャッシングサービス、住宅ローンなどに業容を拡大していった。

自動車分野への関与は早く、1978年に信用保証業務の一環としてオートローン業務を開始した。

現在の事業構成は、個品割賦事業が売上高の約35.1%を占め(オートローン、オートリース、ショッピングクレジットなど)、カード・融資事業は約31.3%(クレジットカード決済、カードローンなど)となっている。

このほか、銀行保証事業は約15.7%(銀行融資に対する債務保証)、決済・保証事業は約11.2%(家賃決済保証、売掛金決済保証など)、海外事業は約6.7%(アジアでのオートローンなど)を占める。

信販大手の「オリエントコーポレーション」自動車流通の上流を強化 事業モデルを転換
オリエントコーポレーションの売上高構成比

4期連続の営業減益に

2025年3月期は、売上高2452億7000万円(前年度比7.1%増)、営業利益123億4400万円(同23.4%減)の増収営業減益となった。

重点領域と位置付ける決済・保証事業の伸長に加え、3社を連結子会社化したことで増収となった一方、この3社の影響で費用が増加し、利益を押し下げた。

2026年3月期は、売上高2500億円(同1.9%増)、営業利益120億円(同2.8%減)と3期連増の増収、4期連続の営業減益を見込む。

海外事業を除く各事業の伸長で増収を見込むものの、成長事業への費用投下や金利上昇に伴う金融費用の増加が、利益面に影響する見通しだ。

クルモの取得は、そうした成長投資の一環であり、自動車領域を起点にした取り組みが、今後どこまで広がるかが焦点となりそうだ。

信販大手の「オリエントコーポレーション」自動車流通の上流を強化 事業モデルを転換
オリエントコーポレーションの業績推移

文:M&A Online記者 松本亮一

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