住宅事業を主力の一つとする積水化学工業<4204>は2026年1月、北海道エリアの業容拡大に向け、木造住宅会社アーキテックプランニング(札幌市)を子会社化した。
2024年にリフォーム会社クレアスト(札幌市)を子会社化し、住宅ストック(リフォームや買い取り再販の対象となる建物)事業の強化に踏み出しており、北海道における住宅関連のM&Aはこれが第2弾となる。
新築分野にも対象を広げることで、住宅事業の厚みを増す狙いだ。
新築・ストックの両輪で北海道の事業基盤を強化
積水化学工業は、住宅事業で新築住宅に加え、リフォームや不動産・まちづくりを展開する。
住宅事業はグループ売上高の約40%を占める主要セグメントで、事業基盤の強化を進めている。
住宅業界では、新設住宅着工戸数の伸び悩みを背景に、既存住宅の活用やリフォーム需要への対応が課題となっている。
こうした環境下で、同社は新築、住宅ストック、不動産関連を組み合わせた収益機会の拡大を目指す。
北海道では、住宅ストック分野や商品ラインアップの拡充が課題となっていた。
今回のアーキテックプランニングの子会社化は、こうした課題への対応策の一つと位置付けられる。
アーキテックプランニングは、北海道を中心に、高い性能とデザイン性を兼ね備えた木造の注文住宅を手がけており、札幌市、旭川市、苫小牧市近郊で豊富な施工実績を持つ。
積水化学工業は、顧客のライフスタイルや価値観の多様化を踏まえ、新たな価値を提供できるパートナーを探索してきた。
木造住宅の設計・施工力を取り込むことで、新築分野の対応力を高め、地域の顧客ニーズに応える体制を構築する。
あわせて、職人不足への対応や施工時期の平準化、効率的な輸送体制の構築にも取り組む考えだ。
同社はM&Aを成長投資の一つに位置付けており、北海道では2024年にリフォーム会社クレアストを子会社化した。
2025年には首都圏の不動産会社ベンハウスを傘下に収めるなど、地域ごとの住宅事業の増強も進めている。
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住宅事業を軸にした成長モデルの確立へ
積水化学工業は1947年、プラスチックの総合事業化を目的に積水産業として発足した。
その後プラスチック成型品の製造などを通じて事業領域を広げ、業容を拡大してきた。
住宅事業には1971年に、鉄骨系ユニット住宅「ハイム」の販売を開始し、参入した。以降、住宅は同社の中核事業の一つとして位置付けられている。
現在の事業構成は、住宅のほか、高機能プラスチックス(売上高構成比約34.1%、エレクトロニクス材料、モビリティ向け高機能材料など)、環境・ライフライン(同約18.3%、配管・パイプシステム、住・インフラ複合材など)、メディカル(同約7.6%、感染症検査キット、医薬原薬・創薬支援など)で成り立つ。
2025年3月期は売上高1兆2977億5400万円(前年度比3.3%増)、営業利益は1079億5100万円(同14.4%増)の増収営業増益となった。
住宅部門の売上高は1.1%の減少となったが、営業利益は13.6%増となり、利益面の下支えとなった。
2026年3月期は売上高1兆3232億円(前年度比2.0%増)、営業利益1100億円(同1.9%増)を見込む。
北海道での木造住宅会社やリフォーム会社の取得は、住宅分野の事業基盤を補完するとともに、地域特性に応じた事業展開の広がりにつながりそうだ。
文:M&A Online記者 松本亮一
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