トランクルーム事業の「ストレージ王」ストック事業の拡充にカジ M&Aも視野に

トランクルーム事業を主力とする不動産サービス会社のストレージ王<2997>は、トランクルームを運営管理するストック事業(運営管理事業)の拡充を成長戦略の柱に据える。

今後の成長に向け、開発したトランクルームを売却するフロー事業(開発分譲事業)の成功を一過性に終わらせず、ストック事業の拡充が急務と判断した。

この戦略の実現に向け、M&Aの活用も視野に入れる。

フローとストックの両輪で成長モデルを構築

ストレージ王は、屋内型トランクルームと屋外型トランクルーム(コンテナ)を手がけており、いずれも拠点数は国内で10位台半ばの規模にある。

事業は、自社開発したトランクルーム物件を投資家に売却するフロー事業と、主に売却後の物件を賃借して運営するストック事業で構成される。

トランクルーム拠点数の拡大によるフロー事業の成長と、拠点数の積み上げに伴う利用者増によるストック事業の拡大が、同社の成長を支える両輪となる。

現在は開発分譲事業が売上高の78%を占め、運営管理事業は21%にとどまる(残り1%はその他の不動産取引)。

トランクルーム事業の「ストレージ王」ストック事業の拡充にカジ M&Aも視野に
ストレージ王の売上高構成比

同社は、フロー事業で成長を遂げた今後の課題として、市況変動の影響を受けにくいストック事業の拡充を挙げる。

このため今後は、トランクルーム物件の自社保有を進めるために資金調達力を高めるとともに、フロー事業で生み出した資金を、安定的に収益を生むストック事業へ振り向ける。

同社は、トランクルーム物件の高い開発力を強みとしており、この強みを生かし、トランクルームの自社保有を通じた資産形成(ストック)の積み上げを進める。

2027年1月期~2029年1月期の3年間に自社保有物件の増加に注力し、利益率を高めることで、運営管理事業の粗利構成比を2025年1月期の13.8%から、2029年1月期には65.0%へ引き上げ、収益構造の中核に据える計画だ。

この計画の推進にあたり、M&Aも活用する。

ストック事業の拡充を狙いに、安定的な収益基盤を持ち、継続的に収益を積み上げられる企業を対象に探索する。

あわせて、トランクルーム事業のバリューチェーンを内製化できる企業や、既存事業の横展開につながる企業も検討対象とする。

同社は少人数体制で事業を運営していることから、グループ化後も大幅な人員増を伴わず、持続的な成長が見込める点も重視する方針だ。

事業環境は堅調に推移

ストレージ王は2008年に、東京都内でトランクルームの運営・管理を目的に設立された。

2015年にアイトランク山陽、2016年にソーラーエナジーインヴェストメントとそれぞれ合併した。

2022年に東京証券取引所グロース市場に上場した後、これまでに適時開示したM&Aはない。

同社は、不動産所有者の資産価値向上と、トランクルーム利用者の利便性や満足感の向上をミッションに掲げる。

都心部でトランクルーム需要が堅調に推移していることに加え、ホテル物件などへの投資が難しくなる中、不動産投資家がトランクルームへの投資を積極化していることから、需要は今後も安定して推移するとみる。

こうした環境を背景に、2025年1月期は売上高42億6200万円(前年度比28.2%増)、営業利益1億7100万円(同13.9%増)と増収営業増益となった。

2026年1月期は、売上高が3.2%増、営業利益が7.6%増と、2期連続の増収営業増益を見込む。

2029年1月期には売上高52億200万円(2025年1月期比22.0%増)、営業利益3億1400万円(同1.83倍)を計画している。

フローとストックの両輪に、M&Aを補完的に組み合わせることで、安定成長型の事業モデルの確立を進める3年間となりそうだ。

トランクルーム事業の「ストレージ王」ストック事業の拡充にカジ M&Aも視野に
ストレージ王の業績推移

文:M&A Online記者 松本亮一

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