2026年1月のM&A件数(適時開示ベース)は107件、取引総額は1兆7623億円となった。前年同月(2025年1月)と比較すると、件数は24件増(28.9%増)となったものの、金額は約3.3倍に急増した。
三菱商事、米シェールガス事業を約8210億円で買収
1月の取引総額を牽引したのは、三菱商事<8058>による米国のシェールガス事業を手がけるAethon3社の買収案件だ。取得価額は約8210億円にのぼり、1月単独の案件としては突出した規模となった。三菱商事は、エネルギー価格の変動が大きい中でも、長期的に安定したキャッシュフローが見込める北米の天然ガス事業を重要な投資対象と位置づけている。今回の買収により、エネルギー転換期における収益基盤の強化と安定供給への貢献を目指す。
久光製薬がMBOで非公開化へ、マンダムには米KKRが対抗提案
金額2位は、湿布薬「サロンパス」で知られる久光製薬<4530>のMBO(経営陣による買収)だ。創業家が運営する資産管理会社がTOB(株式公開買付け)を実施し、約3934億円で株式の非公開化を目指す。MBO成立後は、主力医薬品である消炎鎮痛貼付剤「モーラス」シリーズについて薬価下落を抑制するために「基礎的医薬品」の指定獲得に向けて取り組みを進める。がん疼痛治療用の「ジクトルテープ」など既存製品の価値最大化に取り組むと同時に、マイクロニードル技術を核とした新領域への展開、さらには「サロンパス」ブランドを軸とする海外OTC(一般向けの医薬品)事業の拡大やEC・デジタル分野の強化を、中長期視点で推進する方針だ。
3位には、化粧品メーカーのマンダム<4917>に対する米投資ファンドKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)によるTOBがランクインした。これは、先に発表された同業のCVCキャピタル・パートナーズによるMBO提案価格を大幅に上回る対抗提案であり、今後の展開が注目される。
1月は大型の海外投資に加え、経営環境の変化に対応するためのMBOや、投資ファンドによるTOBなど、多様なスキームの大型案件が目立った。
1月のM&A取引金額TOP10
社名内容金額(億円)1三菱商事<8058>米シェールガス事業のAethon3社を約8210億円で子会社化8,2102久光製薬<4530>MBO、株式非公開化へ3,9343KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)米KKRがマンダム<4917>に1株3100円で対抗提案、CVCのMBO価格を大幅に上回る1,3994スタンレー電気<6923>照明機器メーカーの岩崎電気を子会社化7035ノーリツ鋼機<7744>建築構造部材・フロア材メーカーのセンクシアを子会社化6906豆蔵<202A>スウェーデンの投資ファンドEQTによるTOBで上場廃止5887トーセイ<8923>運用管理するファンドを通じてサンケイリアルエステート投資法人<2972>をTOBで非公開化5848住友ベークライト<4203>京セラ<6971>からケミカル事業を取得300
9コプロ・ホールディングス<7059>建設業界向け人材派遣・人材紹介のトライトを子会社化29410清水建設<1803>土木工事のあおみ建設を子会社化250『M&A年鑑2026』を100名様にプレゼント
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