ブラインド・スクリーン国内最大手の立川ブラインド工業<7989>が、M&Aに舵を切った。
2026年12月期から2028年12月期までの3年間の中期経営計画に、トップライン(売上高)の拡大に向け、M&Aでリフォーム需要の取り込みや商材拡大を進める方針を盛り込んだ。
最終年の2028年12月期には2025年12月期に比べ7.6%の増収を計画しているが、これにはM&Aによる収益拡大は含めていない。
これまでM&Aは限定的だった同社が、今後どのような案件に踏み切るのか。その規模や内容によってはトップラインが大きく上振れすることもありそうだ。
リフォーム需要を取り込み
同社の沿革によると、M&Aはさほど多くない。1976年に富士変速機と業務資本提携を結び、減速機関連事業へ参入。その後、この関係は段階的な出資を経て強化され、2024年には株式交換により完全子会社化した。
このほかはグループ内企業の統合や事業移管など内部再編が中心で、これまでに適時開示したM&A案件はない。
2023年12月期から2025年12月期までの前中期経営計画には、M&Aの文字はなく、M&Aによる成長を目指していなかったことが分かる。
新中期経営計画では「M&Aやアライアンスの実現などによりトップラインを拡大」と明記しており、さらにM&Aの対象分野として、リフォームや新分野の商材など具体的な領域を挙げている。
投資についてはM&Aだけではないが、新工場の建設やスマートファクトリー化に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などを含め、3年間に90億円を投じる計画だ。
さらにM&Aについては、借入金の活用も検討するとしている。
強みは新機能製品の開発力
立川ブラインド工業は1938年に、東京都内で立川工業所を創業し、布製・木製ブラインドの製造・販売を開始したのが始まり。
1947年に立川ブラインド工業に改称し、アルミ合金条(ジュラルミン)のブラインドの製造販売を始めた。
現在は、光のコントロールやIoT(モノのインターネット)、機能塗料などの新機能を先行して開発し製品化する力を強みとする。
統合報告書2025の中で「ブラインド、スクリーン類の市場シェアは約40%を占め、業界No.1のシェア」としている。
室内外装品関連事業(ブラインド、スクリーン、間仕切などの製造・販売)が売上高の83.3%を占め、駐車場装置関連事業(機械式立体駐車装置の製造・販売・保守点検)が同8.8%、減速機関連事業(減速機の製造・販売)が同7.9%という構成で事業を展開している。
2025年12月期は、売上高426億2300万円(前年度比2.9%増)、営業利益44億1100万円(同1.2%増)の増収営業増益となった。
2026年12月期は売上高が2.1%増、営業利益が2.0%増と4期連続の増収営業増益を見込む。
さらに2028年12月期は、売上高458億円(2025年12月期比7.6%増)、営業利益48億5000万円(同9.9%増)の目標を掲げる。
内製強化を軸に成長してきた同社は、これまで踏み込んでこなかったM&Aを取り入れることで、成長戦略は新たな局面へ移ることになる。成果次第では売上高の伸びが計画を上回る可能性がありそうだ。
文:M&A Online記者 松本亮一
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