3年間で売上高が13倍に急拡大した「テクノロジーズ」さらなる成長戦略とは

太陽光発電やITなどの事業を展開するテクノロジーズ＜5248＞は、2023年1月期に10億円強だった売上高が、2025年1月期に約13倍の139億円となり、さらに2026年1月期には18倍ほどの200億円に迫る見通しだ。

この急拡大の背景には、2023年7月に子会社化した太陽光発電設備の施工、販売を手がけるエコ革（栃木県佐野市）の存在がある。

同社では今後も成長が見込める太陽光発電などの再生可能エネルギー分野で、さらなるM＆Aを計画しており、急成長の流れは当面続くことになりそうだ。

再エネ事業をワンストップで対応

エコ革は太陽光発電を中心とする再生可能エネルギー事業の認定申請から販売、造成、測量、施工、保守までをワンストップで手がけている。

無人航空機を用いて精度の高い3次元地形データを作成することや、計画に合わせて造形データを作成し案件の具体的なイメージを提供するなどの強みを持つ。

一方、テクノロジーズはソフトウエア開発やAI（人工知能）、SaaS（インターネット経由でソフトウエアを利用できるサービス）などを用いたDX（デジタル・トランスフォーメーション＝デジタル技術で生活やビジネスを変革する取り組み）化技術が強みだ。

両社の強みを合わせることで、物件施工前の3次元データなどに対する画像認識処理や、デザインの最適化、DXによる業務の効率化などが可能となることから、グループ化が実現した。

グループ入り前の2022年9月期のエコ革の売上高は77億円ほどで、M＆Aによってテクノロジーズの売上高は一気に7倍以上になり、その後もエコ革の事業拡大が続いたため、10倍を超える成長となった。

屋根設置企業や事業エリア拡大企業が対象

自然エネルギー財団が2024年12月に公表した「太陽光発電の動向」によると、太陽光発電の導入量は、2050年に4億キロワットに拡大する見通しで、これは2022年（7100万キロワット）と比べて6倍ほどになるという。

こうした動向を踏まえ、同社では太陽光発電事業の成長をさらに促進するためにM＆Aを活用する計画で、今後は都市部への進出を見据え、太陽光発電設備の屋根設置を得意とする企業や、事業エリアの拡大につながる企業などを対象にM＆Aを模索する。

このほかにも、開発コンサルタントや、土木建設、伐採樹木リサイクルなどの分野でもM＆Aを検討する。

またエコ革が属する建設業界は、若手の入職者が少なく高齢化が進んでいることから人手不足に陥っており、人材育成と並行して、必要な部門では人材確保のためのM＆Aにも取り組む。

こうした施策で、引き続き高成長を目指す計画で、2025年1月期に125億円だった太陽光発電などの事業部門の売上高を3年後の2028年1月期には2.4倍の300億円に引き上げる。

経営資源をエコ革に集中

テクノロジーズは2014年に東京都内でBELAIR （現 テクノロジーズ） を設立し、翌月に転職マッチングサービスjobsの提供を始めた。

現在は総売上高の約90％を占める再エネソリューション事業（太陽光発電設備の施工、販売など）を核に、約8％のITソリューション事業（エンタメ映像ソフトウエア開発、システム、アプリ開発など）と、約1％のSaaS事業（人材派遣会社向け管理システムjobsの開発、販売など）で事業を構成している。

テクノロジーズの売上構成比

M＆Aについては以前から積極的で、2018年にAI（人工知能）関連システムの受託開発事業を行うTamagoを子会社化し、翌2019年にはエンターテイメントに関連する映像ソフトウエア開発関連の受託開発事業を行うCotoriと、ゲーム事業を行うSR factoryを子会社化した。

2023年にエコ革と、ゲームやアプリの開発、運用などを行うOGIXを子会社化。その後は経営資源をエコ革に集中するために、2024年1月にはOGIXを譲渡した。

直近では2024年11月に再生可能エネルギー関連事業を手がける小美玉パワー1号を子会社化している。

テクノロジーズでは2026年1月期に売上高199億3500万円（前期比43.4％増）、営業利益25億5800万円（同47.1％増）と40％を超える増収営業増益を見込んでいる。

さらなる成長戦略は、その後の増収増益率をどのように左右するだろうか。

テクノロジーズの主なM＆A

文：M＆A Online記者 松本亮一

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