スキマバイトサービス「タイミー」攻めの経営へ インオーガニック戦略を推進

スキマバイトサービス「タイミー」を展開するタイミー<215A> は、2030年に向け攻めの経営へ転じる。

業界トップの地位を確立したとして、これまで取り組んできた不正利用対策強化などの守りの姿勢から転換し、2030年度までの5年間で売上高は年平均20%、営業利益は同30%の成長を目指す。

介護福祉を中心とした新たな業界の開拓や、複数の新規事業・サービスの立ち上げに加え、M&Aなど外部資源を活用した成長を狙うインオーガニック戦略を推進し、目標達成につなげる考えだ。

業界首位のポジションを確立

タイミーが中核とするスキマバイトサービスは、働きたい時間と働いてほしい時間をマッチングする事業で、利用者は短時間、単発で働く仕事を探すことができる。

設立から1年後の2018年にスキマバイトサービス「タイミー」の提供を開始。全国に拠点を広げながら事業を拡大してきた。

現在は、物流、飲食、流通、介護、ホテルなどを対象に、スポットワーク(短時間、単発で働く仕事の形態)事業として展開している。

同社では、サービス利用率や求人掲載数などの指標で、スキマバイトサービス分野で業界首位のポジションにあると分析する。

直近2年程度は、不正利用対策の強化や業界ルールの整備に経営資源を投下してきた。

こうした取り組みを「守り」の期間と位置付け、業界首位の地位を固めたことを受け、経営の重心を「攻め」に移す判断を下した。

今後は、業界ごとの新たなソリューション開発や、介護福祉を中心とした新規業界の開拓、複数の新規事業・サービスの立ち上げと拡大を進める。

あわせてM&Aを活用する方針だ。対象は、既存のスポットワーク事業の強化につながる同業企業のほか、請負や派遣、人材紹介など、既存事業とのシナジーが見込める近接領域を中心に探索する。

投資額は一件当たり数億円から数十億円を想定する。

福利厚生、コンサルティング、SaaS(インターネット経由でソフトウエアを利用できるサービス)といった周辺領域や、海外展開、フィンテック(金融と技術を組み合わせたサービス)分野も検討対象には含めるものの、これらの優先度は相対的に低いとしている。

同社の沿革によると、これまでのM&Aは2025年に実施した、単発アルバイトマッチングサイト「Sukima Works」を展開するスキマワークス(東京都港区)の子会社化の1件にとどまる。

スキマワークスは、スポットワークを活用した物流倉庫オペレーションの受託(請負)を強みとし、同社を傘下に収めることで、成長が見込まれる物流業界での受注拡大につなげている。

スキマバイトサービス「タイミー」攻めの経営へ インオーガニック戦略を推進
タイミーの沿革

成長ペースはM&A次第

国内では労働力不足が深刻化しており、労働人口の減少により状況はさらに厳しさを増すとみられる。

同社によると、アクティブワーカー(月1回以上稼働したワーカー)の約8倍に当たるワーカーが、アプリを開いて仕事を探している状態にあり、アクティブワーカーの拡大余地は大きいという。

こうした環境を踏まえ、2030年度までに売上高で年平均20%、営業利益で同30%の成長を目指す。

この数値には、スポットワーク以外の事業やM&Aによるインオーガニック成長も織り込んでおり、同社では「成長率の最低ライン」と位置付けている。

2025年10月期は、売上高342億8900万円、営業利益67億4700万円となった。

この期から連結決算に移行したため前年度比は公表していないが、74億900万円の増収、25億円の営業増益となった。

スキマバイトサービス「タイミー」攻めの経営へ インオーガニック戦略を推進
タイミーの業績推移

次期は決算期を4月に変更するため、2026年4月期は6カ月の変則決算となる。

売上高は192億2800万円~199億7500万円、営業利益は31億2800万円~36億8800万円を見込む。

同社が換算した2025年5月~2026年4月の12カ月決算ベースでは、売上高が370億5700万円~378億400万円となり、前年同期(2024年5月~2025年4月)と比べ20.0%~22.4%の増収となる見通しだ。

また、同じく12カ月決算ベースの営業利益は66億1100万円~71億7100万円で、同14.1%~23.8%の増益を想定する。

幅を持たせた業績予想について、同社では上限を戦略投資の効果やM&Aのシナジーが想定を上回った場合の楽観シナリオと説明する。

攻めの経営への転換を掲げた同社の成長ペースは、今後どのようなM&Aを実行できるかに左右される展開となりそうだ。

文:M&A Online記者 松本亮一

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