大手リースの「東京センチュリー」豪レンタカー会社を買収 海外モビリティ事業を拡大

大手リースの東京センチュリー<8439>は、オーストラリアのレンタカー会社Bargain Car Rentals Australia Pty Ltd(バーゲン・カー・レンタルズ・オーストラリア)の全株式を取得し、子会社化する。

単独では初めてとなる海外レンタカー事業の取得で、株式取得は2026年4月の予定。


同社は国内リース市場の成長が鈍化する中、オートモビリティ事業を成長分野と位置付けている。

帝国データバンクは、国内リース市場の大幅な拡大は見込みにくく、リースサービスへの需要が高まる海外市場の開拓が進むと予測する。

こうしたリース業界の状況と東京センチュリーの成長戦略を踏まえると、今後も同社のオートモビリティ事業の海外展開は拡大が続きそうだ。

空港近郊で13拠点を運営

Bargain Car Rentalsは、乗用車、商用車を対象にした地場独立系レンタカー会社で、約5000台の車両を保有し、シドニーやメルボルンなどの主要空港近郊に13拠点を構える。

東京センチュリーの子会社であるニッポンレンタカーサービス(東京都千代田区)が、在庫コントロールや高効率な店舗運営、顧客サービス高度化などの事業ノウハウを活用し、経営を支援する。

また将来は、国内事業で培った車両のリース・ファイナンスや中古車事業といった周辺領域にも事業を広げ、オーストラリアでのモビリティ事業のバリューチェーン構築と事業基盤の拡大を進める。

帝国データバンクが2025年8月にまとめた「リース業界の動向と展望」によると、少子高齢化による需要の伸び悩みから国内リース市場の大幅な拡大は見込みにくく、サービスの高付加価値化や、成長分野の取り込みがリース各社の課題となっていると分析。

さらに、こうした状況を踏まえ、アジアやアフリカなどの新興国市場でリースの利用が拡大しており、「リースサービスへの需要が高まる海外市場の開拓が進む」と予測する。

オーストラリアは、都市間移動に欠かせないインフラとしてレンタカー需要が底堅く、今後も若年層人口の増加や観光客の増加などで、レンタカー市場の成長が見込まれている。

東京センチュリーは2028年3月期を最終年とする「中期経営計画2027」で、既存事業の価値向上と、新たな事業領域の創出をオートモビリティ事業分野の成長戦略として位置付けている。

五つの事業分野で展開

東京センチュリーは、リースを祖業とし、金融やサービスなどを融合したビジネスモデルを展開する。

現在は五つの事業を展開しており、売上高構成比は、情報通信機器や事務機器などのリースやファイナンスを手がける「国内リース事業」が32.8%で最大。

船舶や航空機、不動産を中心とする「スペシャルティ事業」が24.5%、法人・個人向けオートリースやレンタカーを手がける「オートモビリティ事業」が22.0%で続く。

このほか、海外でのリースやファイナンスなどの「国際事業」が16.3%、再生可能エネルギー関連の「環境インフラ事業」が4.4%となっている。

大手リースの「東京センチュリー」豪レンタカー会社を買収 海外モビリティ事業を拡大
東京センチュリーの売上高構成比

M&Aに関しては、2020年以降に適時開示された東京センチュリー関連の案件は11件ある。

直近では2026年1月に、データセンター事業を手がける米国のNTT Global Data Centers Joint Venture(2024年に子会社化)の持ち分30%を譲渡(譲渡予定日は2026年3月)し、持分法適用関連会社(保有割合50%)とする発表があった。

譲渡先と戦略連携を強化し、データセンター事業の成長加速と価値向上を狙いとしている。

東京センチュリーの2025年3月期は、売上高1兆3686億3500円(前年度比1.7%増)、営業利益は1170億600万円(同12.3%増)と4期連続の増収営業増益となった。

スペシャルティ事業や国際事業の伸びが業績を押し上げた。

2026年3月期は、第3四半期の時点で2.8%の増収、12.1%の営業増益となっている。

今回のM&Aは、堅調な業績を背景に海外事業の拡大と事業ポートフォリオの拡充を進める同社の成長戦略を象徴する施策といえそうだ。

大手リースの「東京センチュリー」豪レンタカー会社を買収 海外モビリティ事業を拡大
東京センチュリーの業績推移

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文:M&A Online記者 松本亮一

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