日本の大学発ベンチャー企業数が2019年度(2019年9月時点)に前年度比288社増の2566社と、2500社を突破したことが経済産業省による調査で分かった。同調査は2019年9月から同10月にかけて大学や高等専門学校、TLO(技術移転機関)、インキュベーション施設、都道府など1092の学校・法人・団体にアンケートを実施し、77.9%に当たる851件の回答を得た。
社数、増加数ともに過去最高
1989年度以前は54社だった大学発ベンチャーだが、1995年度に112社と100社を超え、2004年度に1207社と1000社の大台に。2008年のリーマン・ショックによる景気減速で一時低迷するが、2017年度に2093社と2000社を突破している。2019年度の288社増は過去最高の伸びで、大学発ベンチャーの設立が加速していることが判明した。
2019年度はの大学発ベンチャーのIPO(株式公開)は、前年度と同じく3社増の65社に。大学発公開企業の時価総額合計は2兆5000億円となった。一方、M&Aによるイグジット(投資資金の回収)は前年度よりも3社増えて5社あった。2016年以降のイグジットは累計で17社あるという。
旧帝大系が強い大学発ベンチャー
大学別では東京大学が269社(前年度比2社減)でトップ、次いで2位が京都大学の191社(同27社増)、前年度は4位の大阪大学が141社(同35社増)と3位に。上位5校を旧帝国大学系の有名国立大学が占めた。
一方、前年度3位の筑波大学は114社(同3社増)と6位に沈んだ。私立大学ではいずれも85社だった慶應義塾大学(同4社増)と早稲田大学(同3社増)の8位が最高だった。早大は前年度の7位からワンランク下がっている。
東大発ベンチャーが最も多い状況は変わらないが、京都大や大阪大、東北大、九州大、筑波大、名古屋大などのベンチャーも増加しており、上位層ではその差が縮まりつつある。
分類別では大学の持つ特許や技術を事業化する「研究成果ベンチャー」が全体の58.6%(同0.3ポイント減)の1504社(同163社増)と最も多く、学生が起業する「学生ベンチャー」が22.1%(同1.6ポイント増)の568社(同101社増)と続く。
経産省では「最高技術責任者(CTO)が研究者を兼任して大学とのつながりを活用する一方、最高経営責任者(CEO)に企業経験者を迎えるなど、大学発ベンチャー企業のチームビルディング(効果的な組織づくり)が進化し、成長につながっている」とみている。
文:M&A Online編集部

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