牛丼の吉野家「ダチョウ」事業を本格化 スキンケア商品の販売を開始

牛丼チェーン店「吉野家」を展開する吉野家ホールディングス<9861>が、いよいよオーストリッチ(ダチョウ)事業の本格展開に向け動き出した。

同社は吉野家公式通販ショップで、子会社のSPEEDIA(東京都中央区)が生産する、オーストリッチから抽出した美容成分を含むスキンケア商品の販売を始めた。

今後もオーストリッチの美容成分を使用した新製品の開発や、オーストリッチが持つ新しい機能の解明に取り組み、オーストリッチ事業の拡大に力を入れる。

オーストリッチ事業は2015年にオーストリッチ関連の事業を譲り受け、同事業に参入したのが始まり。今後の事業展開に再度M&Aの出番はあるだろうか。

男性向けスキンケア商品の開発も

吉野家は2024年8月に、SPEEDIAが生産したオーストリッチミートを用いて、約6万食限定で「オーストリッチ丼」を販売したのと同時に、肌荒れを防ぐ効果の高い「ハンド&ボディケアミルク」などの販売準備を進めてきた。

体制が整ったことからネット通販に乗り出し、要望の多かった定期購入サービスにも対応することにした。

今回、販売するのは「ハンド&ボディケアミルク」のほかに、「グラマラスブースターオイル」「グラマラスエイジングクリーム」「モイスチャーマスク」の合わせて4種。

「ハンド&ボディケアミルク」は、オーストリッチの羽根から採れ爪や髪などを健やかにする機能のあるオーストリッチケラチンと、オーストリッチオイルを混ぜ合わせており、高保湿なのに、べたつかないのなどの特徴を持つ。

吉野家の従業員の声によって生まれた製品で、飲食業向けに無香料で使いやすく仕上げてある。

「グラマラスブースターオイル」は国産オーストリッチオイル使用した導入美容オイルで、「グラマラスエイジングクリーム」は同じく国産オーストリッチオイルを使用した美容クリーム。

「モイスチャーマスク」は美肌の湯で有名な山口県「湯田温泉」の温泉水と国産オーストリッチオイルを配合したフェースマスクとなっている。

吉野家には男性客が多いことから、今後は男性が手に取りやすいような新商品の開発も視野に入れて事業を展開していくという。

牛丼の吉野家「ダチョウ」事業を本格化 スキンケア商品の販売を開始
SPEEDIAのスキンケアブランド商品
SPEEDIAのスキンケア商品(吉野家ホールディングスのニュースリリースより)

オーストリッチ丼、スキンケア商品の次は何

吉野家は、安心で健康的な食事を提供し続けるためには、牛丼に次ぐ第二、第三の主軸商品の開発が必要と判断。これまでに鳥、豚、鮭、鯖、培養肉などの研究を重ねてきた。

この取り組みの中で、牛の味に似ていることや優れた栄養素が含まれていることなどから、牛、豚、鳥に続く第四の肉として、オーストリッチに注目。

現在は、獣医学や畜産学の専門家と連携しながら、食肉やオイルだけでなく、骨や羽根、皮などについても美容や健康にかかわる新しい機能を解明する研究を進めている。

オーストリッチ丼、スキンケア商品の次には、果たして何が来るだろうか。

関連記事はこちら
吉野家の「オーストリッチ(ダチョウ)丼」を支えるSPEEDIAってどんな会社?

文:M&A Online記者 松本亮一

『ダイヤモンドMOOK M&A年鑑2025』を100名様にプレゼント
発売にあたり、2025年2月28日までにご応募いただいた方を対象に抽選で100名様に『ダイヤモンドMOOK M&A年鑑2025』をプレゼント。下記のバナーをクリックすると応募できます。SNSキャンペーンからも応募可能ですので、ぜひ皆様、ご参加ください!

牛丼の吉野家「ダチョウ」事業を本格化 スキンケア商品の販売を開始
編集部おすすめ