なぜ?『お腹に17センチ長の棒が!』猫が緊急手術を受け、一命をとりとめる オーストラリア
三毛猫にさわる飼い主

抱こうとした猫の皮膚に突起物が!

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ある夜、三毛猫Smooch(6歳)は散歩に出てからわずか15分で、毛を逆立てた状態で自宅に戻ってきました。いつもはたっぷり1時間は外出しているのです。飼い主のChrisさんとGregさんは、特に異常だとは思いませんでした。

「この猫は探検が好きで、ちょっとやりすぎることもあります。毛が逆立っているのは、ほかの猫に攻撃されたからかな、と思いました」と2人。

ところが愛猫を抱こうと手を伸ばしたところ、皮膚の下にゴルフボール大の硬い塊があるのを感じたのです。一体何でしょうか?

「血痕などはなく、傷口もありませんでした。体の中で何かが破裂したのではと、急に恐ろしくなりました」

夫婦は急いで猫を動物病院に連れて行きました。キャンベラ獣医救急サービス(CVES)のMegan Wright院長は「非常に珍しい、複雑な症状でした」と話しています。

レントゲン写真でわかった衝撃の事実

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レントゲン撮影を受ける猫

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当初獣医師らは「単純な猫のケンカによる膿瘍(感染した噛み傷により生じる柔らかい腫れ物)ではないか」と考えました。

「猫はほかの猫が嫌いで、よく喧嘩をします。でも身体検査をして、実際に体に手を当てて初めて、腫れ物の感触がそれとは違うことに気づきました。皮膚の下にとても硬いものを感じたのです。すぐに何かがおかしいと分かりました」とWright院長。

緊急撮影したレントゲン写真には、体内に17.5センチの長さの棒が写っていました。しかし診察台の上の猫は明るく元気で、外傷の兆候や出血、目に見える傷もありません。

この棒はSmoochの腹部、後ろ足の近くのたるんだ皮膚と脂肪組織でできた「皮弁」の裏側にすっぽりと入っていたのです。そして棒の先のあたりの脂肪が成長して、傷口を覆い隠していたのでした。この棒は肋骨の裏側から腹部を貫通した状態で、しばらくの間そこにとどまっていたのです。

「レントゲンを撮って初めて、ひどい状態がわかりました。この猫はかなりの痛みを感じていたことでしょう」

猫の健康には、スキンシップが大切

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お腹の手術を受け、休む猫

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「これには驚きでした。猫に神経症状がまったく見られなかったのは奇跡でした。明るく幸せそうで、幸いバイタルサインもおおむね正常でしたが、容態は急速に悪化していました」

さっそく30分後には緊急手術が行われたのです。

「棒は挿入時に臓器や血管、神経を傷つけなかったようです。手術で取り除くときも棒を慎重に分解して、臓器に損傷がないか確認しながら行いました」と院長。

夫婦によると、術後のSmoochはとても元気で、キャットタワーの上に跳び乗ったり、椅子の背もたれにジャンプしたり、夫婦のベッドで一緒に眠ったりしているとのことです。

Wright院長は次のように話しています。

「毎日ペットにスキンシップをしている飼い主さんは、身体や行動の異常を早期に発見できます。

今回もお2人が抱こうとしたので、迅速な診断と治療をすることができました」

「日ごろから飼い主のみなさんには、ペットの体重や毛並み、皮膚にしこりや腫れがないか、動き方や元気の度合い、痛みや不快感を感じていないか、触れられるのをいやがる部位がないかなどに注意を払っていただきたいですね。そしてもし心配なことがあれば、すぐに獣医師にご相談ください」

「ペットのことを一番よく知っているのは飼い主さんです。医師は具合の悪い状態しか知りませんが、ペットの正常・異常を見分けられる飼い主さんからの情報は、診断する上でおおいに役立ちます」

出典:Patting could save your pet's life after owners detect 17.5 centimetre stick embedded in cat's stomach

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