猫はどうやって『人を見分けている』?飼い主と他人を区別するために頼りにしている3つのこと
猫と飼い主の手

1.匂い

猫はどうやって『人を見分けている』?飼い主と他人を区別するた...の画像はこちら >>

猫が人を識別するうえで最も重視していると考えられているのが「匂い」です。猫の嗅覚は人間の数万倍ともいわれ、個々の人間が持つ体臭の違いを鋭く嗅ぎ分けられるといわれます。香水や洗剤を変えたとたんに猫の反応が変わることがあるのも、匂いによる識別能力の高さです。

猫が匂いによって人を見分けている可能性について、東京農業大学にて研究実験が行われました。実験では、30匹の猫に対して3種類のチューブを提示。中にはそれぞれ「飼い主のにおい」「知らない人のにおい」「無臭の綿棒」が入っており、猫がどれに反応するかを観察したそうです。

その結果、猫は見知らぬ人の匂いがついたチューブを嗅ぐ時間がもっとも長く、知らない匂いに強い関心を示す傾向が確認されたとのこと。このことから、猫は嗅覚を使って「いつもと違う人かどうか」「飼い主であるか」をある程度判断できていると考えられます。

出典:東京農業大学研究チーム論文(PLOS One)

2.視覚情報

猫はどうやって『人を見分けている』?飼い主と他人を区別するために頼りにしている3つのこと
寝転がっている猫

続いて挙げられるのが、視覚情報。猫は体の輪郭、全体のシルエットなどを識別しているといわれています。飼い主の輪郭、シルエットの特徴から「この人は知っている人だ」と認識しているのです。

ただ、猫の視力は人間と比べるとそれほど優れているわけではありません。視界の解像度は人間の10分の1程度しかないと言われています。そのため、猫は飼い主さんの顔を詳細に覚えることができない、とする説もあります。

もうひとつ、猫は対象の輪郭、シルエットなどによって飼い主さんかどうかを判断すると述べましたが、もしこの輪郭・シルエットが変わることになったら視覚だけで対象を判断することが難しくなります。たとえば、帽子などを頭にかぶると、猫が飼い主かどうか視覚で判断できず混乱してしまうこともあるようです。

3.声や足音

猫はどうやって『人を見分けている』?飼い主と他人を区別するために頼りにしている3つのこと
猫の耳

猫は聴覚も優れている動物です。音の識別能力がとても高く、飼い主の声のトーンや話し方、足音のリズムまで把握できます。遠くから帰宅する音や、部屋のドアを開ける音にすぐ反応する猫も少なくありません。

声に関しても、呼びかけられる頻度や語りかけの仕方によって、「自分に向けられた声」だと理解することも可能。飼い主の声とそうでない人の声を聴き分けられるそうです。

まとめ

猫はどうやって『人を見分けている』?飼い主と他人を区別するために頼りにしている3つのこと
猫を抱く女性

猫は匂い、視覚、音といった様々な感覚を使うことで、人を見分けています。ただし、匂いや服装、声の調子がいつもと違うと猫が瞬時に飼い主だと判断できず戸惑うこともあります。

体のシルエットや匂いなどが変わったときは、要注意。もしかすると猫が飼い主さんだと分からずに威嚇してしまうかもしれません。もし、そうなっても悪気があってしているわけではないので、怒らず優しく接してあげましょう。

編集部おすすめ