
猫の『トイレトレーニング』は難しくないって本当?
もともと猫は本能的に「砂の上で排泄すること」が習性づいている生き物です。
このため、整ったトイレ環境や飼い主さんのしつけがあれば、トイレを覚えるのはそれほど難しくはありません。
実際、あるペット保険会社のアンケート調査では、猫飼いさんのおよそ半数が「トイレトレーニングに100%成功」と回答しています。
犬の飼い主さんにも同様に聞いたところ、100%成功していると回答したのは2割ほど。
この結果からも、猫は比較的トイレを覚えやすいことが分かります。
では、猫のトレーニング成功率を高めるには、具体的にどのようなポイントを押さえていくとよいのでしょうか?
トイレのうまい教え方5つのコツ

1.トイレのサインを見極める
最初の慣れないうちは、猫が排泄したいサインを見極めて、優しくトイレに誘導してあげることが大切です。
お尻をソワソワさせたり、床の匂いを嗅いだりする仕草は、トイレのサイン。
「ここでトイレをしてね」と猫を砂の上に降ろしたら、プレッシャーにならないよう、少し遠目から様子を見守りましょう。
2.排泄物のニオイを残す
トレーニング中は、猫のおしっこやうんちのニオイを残し、猫がトイレの場所を認識できるようにしましょう。
お迎え直後はもちろん、トイレの場所や容器を変えたときには、使い慣れた猫砂を少し混ぜたり、お尻を拭いたティッシュをそっと置いたりするのがおすすめです。
完全にニオイを消してしまうより、少しだけ残すことで、安心してトイレを使えるようになります。
3.成功したら褒め、失敗しても叱らない
うまくトイレができたときは「トイレから出た後」にやさしく声をかけ、たっぷりナデナデをしてあげるのがコツです。
「トイレの最中」に褒めるのは、猫を驚かせてしまうためおすすめしません。
一方、失敗したときに大きな声で叱るのはご法度。
猫は排泄自体が悪いことだと思い込んでしまい、トイレを我慢するといった他のトラブルが起きる可能性があるためです。
4.粗相はすぐに片付けてニオイを消す
猫が失敗した粗相は、できるだけ早く後始末をしましょう。
先ほどの「排泄物のニオイ=トイレと認識しやすい」という猫の習性が裏目に出て、同じ場所で粗相を繰り返してしまうことがあるためです。
特に、去勢していない猫ほど、おしっこのニオイがきつくなりやすいと言われています。
ペット用の消臭剤などを使い、念入りにニオイ消しをしましょう。
5.トイレ環境を見直す
「試せることは試してみたけれど、なかなか覚えてくれない…」という場合は、1度トイレ環境を見直してみるとよいでしょう。
猫が好むトイレの条件は、清潔で落ち着ける空間です。
最低でも1日1回以上は掃除し、設置場所も人目のつかない家具の隅っこや、静かな部屋を選ぶのがコツです。
それ以外も、トイレの大きさ、砂の種類・量なども調整し、猫が満足して使えるよう整えてあげましょう。
まとめ

猫のトイレトレーニングを成功に導くために、飼い主さんの適切なフォローが必要です。
上手にトイレができたときに褒めるのはもちろん、失敗したときも決して叱らずに、速やかに粗相を片付けてあげましょう。
叱ると「排泄自体がダメなこと」と思い込んでしまい、ますますこじらせる可能性があるため控えてください。
それでもなかなか覚えてもらえないときは、そもそものトイレ環境に問題がないかをチェックし、トライ&エラーを繰り返しましょう。
小さな工夫の積み重ねが、猫の健康を守ることにつながっていくに違いありません。