
猫が「突然動かなくなる」5つの理由
1.本能的な行動
猫が突然動かなくなる行動は、外敵から身を守るための本能的な「フリーズ」反応であることがよくあります。これは、危険を察知した際に体を固めて動かず、捕食者から見つからないようにする、野生時代の名残です。
たとえば、雷の音や掃除機の大きな音、見慣れない人や動物が来た時などに、猫は身を隠すことができない状況でこの行動をとることがあります。
2.リラックス状態
猫が突然動かなくなるのは、単に深いリラックス状態にある場合もあります。飼い主のそばで安心しきっているときや、お気に入りの場所でくつろいでいるとき、猫は体の力が完全に抜けきり、まるで眠っているかのようにじっとしています。
特に、お腹を出して仰向けになっているときは、最大の安心感を得ている証拠です。この状態は、猫が飼い主を心から信頼し、無防備な姿を見せていることを意味します。
このような行動は、猫にとって最高の愛情表現であり、決して心配する必要はありません。
3.狩猟本能
猫は、獲物を待ち伏せするときにも、じっと動かずに身を潜める習性があります。これは、狩猟本能に基づく行動で、おもちゃや虫、光の点などをじっと見つめ、一瞬の隙を狙って飛びかかる準備をしている状態です。
この行動中は、猫の目は獲物に釘付けになり、耳はわずかに動いて獲物の音を探っています。この行動は、猫が遊んでいるときの真剣な姿であり、単にリラックスしているわけではありません。
これらの行動は、猫の知的好奇心と運動欲求を満たすために重要なものです。
4.体調不良
突然動かなくなる行動は、体調不良のサインである可能性も考えられます。猫は、痛みや不調を隠す習性があるため、じっと動かずに耐えることで、体力を温存しようとすることがあります。
元気がない、食欲がない、呼吸が荒い、震えているなどの症状が同時に見られる場合は、病気や怪我を抱えている可能性が高いです。また、高齢の猫では、関節炎や内臓疾患が原因で動くのがつらくなり、じっとしている時間が長くなることもあります。
5.老い
猫も歳を取ると、若い頃のように活発に動けなくなります。関節が固くなったり、筋肉が衰えたりすることで、動きが緩慢になり、じっとしている時間が増えます。
これは、単に体が疲れやすくなっているためであり、必ずしも病気ではありません。しかし、歩き方やジャンプの仕方が不自然になったり、特定の場所を触られるのを嫌がったりする場合は、関節の痛みがある可能性も考えられます。
老いによる行動の変化は、猫の体力が低下しているサインと捉え、無理をさせないようにすることが大切です。
飼い主が取るべき対処法と体調不良の見分け方

猫が突然動かなくなったときは、まずはその状況をよく観察することが重要です。呼吸が浅い、苦しそうにしている、目や鼻から分泌物が出ている、体が震えているなどの明らかな異変が見られる場合は、すぐに動物病院に連絡しましょう。
また、体調不良の猫は、普段と異なる場所(隠れる、狭い場所に入るなど)でじっとしている傾向があります。
一方、リラックスしているだけのときは、呼びかけに反応したり、自らゴロゴロと喉を鳴らしたりすることが多いです。無理に触らず、猫の様子をそっと見守り、異常を感じたらすぐに専門家へ相談してください。
まとめ

猫が突然動かなくなるのは、本能やリラックス、狩猟行動など様々な理由があります。しかし、体調不良や病気のサインである可能性もあるので注意深く見守りましょう。
普段の様子をよく観察し、異変を感じたら無理に触らず、速やかに獣医師に相談することが大切です。