
自分の死後、愛猫の身の上が心配
画像はイメージです
中国に住む高齢男性が、「自分が亡くなった後に飼い猫の世話をしてくれる人に遺産を譲りたい」と申し出て、話題になっています。
The South China Morning Post紙によると、Longさん(82歳)は自分の死後に愛猫Xianbaの世話をしてくれる人を探しているところです。Longさんの妻は10年前に亡くなり、子供もいません。
報道によると、Xianbaの世話をしてくれる人はまだ見つかっていないということです。
中国で増え続けるペット飼育数

画像はイメージです
Longさんの提案は、猫が財産を直接相続することはできないための苦肉の策のようです。
中国の法律では贈与契約を認めており、「贈与者は自己の財産を受贈者に無償で贈与し、受贈者は贈与の受諾を表明する」とされています。その際に条件として何らかの義務が伴う場合には、受贈者が義務を履行しないときは贈与者は贈与を取り消すことができるとしています。今回の提案は、こうした形で贈与を行うことになりそうです。
中国では近年、犬猫の飼育数が大幅に増加しています。アジアペット研究所によると、2024年に中国の犬と猫の飼育数は1億8700万匹に達するということです。これに伴い、中国のペット市場規模も拡大しています。
日本では「負担つき贈与」が可能

画像はイメージです
では、日本ではペットに財産を相続させることができるのでしょうか。
専門家によると、日本で相続人として人間以外を指定することはできません。そのためペットに直接遺産をのこすことは不可能です。
ただし「負担つき贈与」の方法を使えば、間接的にペットへ遺産をのこすことができます。これは財産を贈与する相手が一定の義務を請け負う見返りとして財産を贈るという方法です。しかし受贈者が遺産の受け取りを拒否してペットの飼育を放棄することも可能なので、注意が必要です。
これとは別に「負担つき死因贈与契約」があります。これは贈与者と受贈者が生前に贈与内容に関する契約を交わすものです。契約の形をとるため、原則として内容を撤回することはできません。確実にペットの世話を依頼したい場合には、この方法も検討に値するかもしれません。
いずれにしても、「自分の死後の愛猫の身の上」を心配する飼い主の親心は、中国も日本も同様のようですね。
出典:
・Man willing to leave inheritance to anyone who would take care of cat after he dies
・ペットに遺産をのこせる?相続・贈与の基本や負担つき贈与について徹底解説!