『ガンダム』が圧倒的、とデータが言っている。アニメデータインサイトラボが「2025年春アニメ初回放送週の話題ランキング」を公開!
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 ブシロードのグループ分析組織にあたるアニメデータインサイトラボは、アニメビジネスにおける調査を実施。「2025年春アニメ初回放送週の話題ランキング」を公開しました。



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 2025年春クールのアニメ作品を対象に、Googleトレンドの検索量データを中心とした、SNSや配信再生数、各種ランキングなど多角的なデータを用いて分析を実施。分析を通して、「放送直後の期待」と「放送中の盛り上がり」を明らかにし、今後のアニメ市場におけるプロモーション戦略のヒントを探っています。



2025年春アニメの特徴:冬アニメとの比較


 2025年冬アニメでは、『薬屋のひとりごと』を筆頭に続編作品が上位を占める傾向が見られましたが、春アニメでは新作作品が優勢となっています。



 また、冬アニメでは『SAKAMOTO DAYS』や『悪役令嬢転生おじさん』など、原作メディアの強みを活かした作品が注目を集めましたが、春アニメでは『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のような伝統的IPの新展開が台頭しています。



検索量の相対値について



 検索量は、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の初回放送週の検索量を基準値100として、他の作品の検索量を相対的に示したものです。この値が高いほど、その作品の検索量が『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の初回放送週に近いことを意味します。元データの具体的な検索量は非公開ですが、作品間の相対比較を行うための指標となっています。



2025年春アニメランキング


「初回放送週」話題ランキング(全作品TOP10)



 まずは、2025年春に放送を開始した全作品(新作・続編含む)を対象に、放送開始直後の1週目でどれだけ話題になったかを相対値で比較した結果をご紹介します。



 上位5作品を見ると、新作が4作品を占めており、新作アニメへの期待の高さがうかがえます。特に『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は2位に2倍以上の差をつけて1位となっており、ガンダムシリーズの新展開への期待の高さが出ています。



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 次に、新作アニメのみに絞って初回放送週の相対値を比較します。新作部門では『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が2位の4倍近くの話題量で、大きく引き離しています。



 2位の『片田舎のおっさん、剣聖になる』、3位の『謎解きはディナーのあとで』や『ウィッチウォッチ』『LAZARUS ラザロ』『ウマ娘 シンデレラグレイ』なども新作ながら平均の2倍以上となる20以上を記録し、高い期待値がうかがえます。



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過去4期との比較:ガンダムの圧倒的な強さ



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 2025年春の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の注目度を過去3期のトップアニメと比較すると、その圧倒的な強さがわかります。



 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は前期のトップだった『薬屋のひとりごと』と比較しても約1.5倍弱の高い検索量を記録し、過去1年間で最も注目を集めた作品となりました。これは、ガンダムIPの強さと新シリーズへの期待の高さを如実に示しています。



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▲全体作品の維持率ランキング(TOP10)



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▲新作作品の維持率ランキング(TOP10)



 最も特徴的なのは『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)』で、放送開始前はさほど注目されていなかったにもかかわらず、放送を重ねるごとに注目度が上昇し、初回から18%増の118%という維持率を記録しています。これは口コミや作品の質自体が視聴者を惹きつけた典型例と言えるでしょう。



 同様に注目すべきは『戦隊大失格 2nd season』です。通常、続編作品は初回の盛り上がりから徐々に熱が冷めていくパターンが多い中、115%という維持率で継続的に視聴者の関心を高めている点は珍しいケースです。



 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は67%と他と比較すると低めに見えますが、これは初回放送時の検索量が他を圧倒するほど突出していたためであり、実際の絶対値ではいまだに全作品中トップの注目度を保持しています。



VOD独占配信の影響


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 今期の注目すべき傾向として、Netflix・Amazonなどの配信プラットフォーム独占作品が上位にランクインしている現象が挙げられます。



 初週注目度上位5作品の内3作品が、配信プラットフォームによる独占となっています。これらの作品は独占配信プラットフォームの宣伝により、高い注目度を獲得している可能性があります。特に『炎炎ノ消防隊 参ノ章』は、前作からの期間が空いたにもかかわらず、高い注目度となっています。



 一方で、独占配信は切り抜き動画や二次創作活動を制限する側面もあります。そのため、SNSでの拡散力という点では従来の作品に劣る傾向も見られます。

『謎解きはディナーのあとで』は初回注目度は高かったものの、維持率が22%と低く、独占配信が必ずしも長期的な注目度の維持につながっていないことも示唆しています。



総括と今後の展望


 2025年春クールは、新作アニメが優勢な展開となり、特に『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が過去1年間で最も高い注目度を獲得しました。また、Netflix、Amazonなど配信プラットフォームの独占配信作品の注目度が大きいことも特徴的です。



 今後は、作品本編のクオリティやプロモーション展開によって、さらなる数値の変動が予想されます。特に、放送中盤以降の展開次第では、現在の順位が大きく変動する可能性があります。また、SNSでの話題性や、音楽との連動効果なども、作品の注目度に大きな影響を与えると考えられます。適切なタイミングでのプロモーション展開が、作品の評価を左右する重要な要素となるでしょう。



【レポート著者】

SevenDayDreamers

湯通堂 圭祐

【レポート編集】

アニメデータインサイトラボ

代表:大貫 佑介

(C) 創通・サンライズ

(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS

(C) 古橋秀之・別天荒人・堀越耕平/集英社・ヴィジランテ製作委員会

(C)PROJECT MBW

(C)2024 七菜なな/KADOKAWA/だんじょる製作委員会

(C)佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ/SQUARE ENIX・「片田舎のおっさん、剣聖になる」製作委員会

(C)久住太陽・杉浦理史&Pita・伊藤隼之介/集英社・ウマ娘 シンデレラグレイ製作委員会

(C) Cygames, Inc.

(C) Anime Data Insight Lab

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