REVISIOは、NHK「紅白歌合戦」について、地上波放送の注目度データを使って直近5年分の放送を分析しました(注目度が高いことは、テレビの前の視聴者がくぎづけになったことを表します)。
直近5年の放送で個人全体注目度が最も高かったのは2020年
▲NHK紅白歌合戦注目度ランキング(REVISIO調べ)
直近5年の紅白歌合戦の放送を注目度データで振り返ると、個人全体において最も注目度が高かったのは2020年放送の第71回でした。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出を控え、自宅や帰省先でテレビを見ながら年末年始を過ごす人が多かったことでしょう。
なお、X世代では2023年放送の第74回が65.4%で最も注目度が高くなりました。この年は「テレビ放送70年 特別企画」として、スペシャルゲストで黒柳徹子さんが出演し、ポケットビスケッツ&ブラックビスケッツ・薬師丸ひろ子さん・寺尾聰さんがパフォーマンスするなど、X世代(45-60歳)に馴染みのあるアーティストの登場も注目度上昇の要因になったでしょう。
Z世代の注目度は上昇の兆しも
テレビ離れが顕著なZ世代ですが、2022年放送の第73回で直近5年における最低注目度を記録して以降は、注目度上昇の兆しが見えます。これには、Z世代にとってのメインカルチャーであるK-POPグループのキャスティング増加や紅組・白組どちらにも属さず性年代を超えて豪華アーティストが共演する特別企画が影響しているかもしれません。
たとえば、2023年はその年の紅白歌合戦のテーマ『ボーダレス-超えてつながる大みそか-』にちなんだスペシャルコラボが多数企画されていました。そのうちの一つ、「ディズニー100周年スペシャルメドレー」では、K-POPの人気アーティストLE SSERAFIMといまや国民的アーティストと言っても過言ではないMrs. GREEN APPLEの大森元貴さんが共演するなど、貴重なパフォーマンスが披露されました。こういったコンテンツは放送直後からSNSで話題になることが多く、リアルタイムで視聴する動機にもなることから、Z世代をくぎづけにする要因の一つと考えられます。
いよいよ明日、2025年の紅白歌合戦が放送されます。連続テレビ小説「あんぱん」と「それいけ!アンパンマン」のコラボレーションや前田敦子さん・大島優子さんら卒業メンバーも登場するAKB48のステージ、デビュー50周年を迎えた矢沢永吉さんによる13年ぶりの紅白でのパフォーマンスなど、見どころは満載です。今年も視聴者が思わずくぎづけになるような企画や演出で楽しませてくれることでしょう。
REVISIOでは、今年の紅白歌合戦放送後も分析結果を公開する予定です。
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今回分析に利用した指標について
注目度とは、テレビの前にいる時間(滞在時間)のうち、テレビ画面に視線を向けていた時間(注視時間)の割合を表します。シーンに注目している度合いがわかります。
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