柚香光「生への執着と強い意志を表現」　主演ミュージカル『十二国記』原作書影オマージュビジュアルをお披露目

小野不由美による人気小説シリーズを世界で初めて舞台化するミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』の製作発表会見が9月11日、都内で行われ、出演する柚香光、加藤梨里香、太田基裕と牧島 輝（Wキャスト）、相葉裕樹、演出を手がける山田和也が出席した。2025年12月に東京・日生劇場、2026年1月から2月に福岡・大阪・愛知で上演。

我々が住む世界と、地球上には存在しない異世界を舞台に繰り広げられる壮大なファンタジー。シリーズ本編の第一作『月の影 影の海』を描く本舞台では、異界に連れ去られた後の中嶋陽子（ヨウコ）役を柚香、我々が住む世界の陽子役を加藤が演じる。

柚香は「広大な異界に迷い込んだヨウコが、不安と戸惑いを浮かべながら、絶対に生きて故郷に帰るんだという姿。生への執着と強い意志を表現しようと、撮影に臨みました」と、力強いオマージュビジュアルについて説明。

シリーズ累計1300万部を突破する人気小説の初舞台化・世界初演に「光栄で身が引き締まる思い」だと語り、「魅力を追求し、深めながら役作りをしていきたい。原作ファンの皆さんに『こんな風に舞台化してくれたのか』『こういうものが見たかった』と思っていただけるよう務めていきたい」と意気込んだ。

改めて、原作の魅力を問われると「葛藤を抱えたヨウコの試練を通して、いろんなことを教えてもらえるし、『じゃあ、あなたの生き方はどうですか？』と常に問いかけられている感覚になれて、すごい小説に出会わせていただいたなと思う」と回答。昨年5月、宝塚歌劇団を退団し、本作で東宝ミュージカル作品に初主演。ミュージカルならではの歌唱に加えて「殺陣もあります」とアピールし、「異形の獣たちとどんな風に戦って見せるのか。そちらもぜひ皆さんに楽しんでいただければ」と話していた。

現実世界の陽子を演じる加藤は、「ヨウコが旅をしている途中で、たびたび登場し、心の中で柚香さんと対話する」と“二人一役”ならではの演出を語り、「ミュージカルならではの表現で、変化しながら、自分の人生を見つける陽子を演じたい」と抱負を語る。

お気に入りは、旅のお供である楽俊（らくしゅん）との再会シーンだと明かすと、柚香が「私も！」と意気投合する場面も。早くもヨウコ／陽子の気持ちが、確かに通じ合っていることを印象付けた。

その楽俊をWキャストで演じるのが、太田と牧島だ。原作では、灰色のネズミの姿をした半獣という設定で、舞台上で両名がどのように演じるのかも注目を集めている。

原作が持つファンタジー要素が気に入っているといい、「文字から空気感や情景、独特な匂いが浮かび上がり、演じがいがありそう。お客様の想像力を突き動かすようなアプローチで、楽俊として自分の中で世界観を膨らませたい」（太田）、「見てくださる皆さんの想像力も大切。理解するたび、その異界に入り込んでいける没入感をお客様にも味わってほしいです」（牧島）と、闘志を燃やした。

そして、景麒（けいき）役を務める相葉も「世界初演でもあるので、新たな試みをたくさんして、舞台を作っていく感覚だと思うので、クリエイティブにアイデアを出し合っていきたい」と意気込み。

演出の山田は「架空の世界のビジュアル化なので、難易度が高いが、だからこそ、生身の人間が舞台化する価値や、舞台だからこその語り口を追求したい」と語り、「主人公は等身大の高校生。過酷な試練を乗り越える姿に共感しながら、同じ気持ちで最後まで楽しんでもらえれば」と期待を寄せた。

取材・文・撮影（会見）：内田涼

＜公演情報＞
ミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』

原作：小野不由美『月の影 影の海 十二国記』（新潮文庫刊）
脚本・歌詞：元吉庸泰
音楽：深澤恵梨香
演出：山田和也

【キャスト】
ヨウコ（中嶋陽子）：柚香光
陽子（中嶋陽子）：加藤梨里香
楽俊：太田基裕・牧島 輝（Wキャスト）
蒼猿：玉城裕規
舒栄：原田真絢
延王：章平
景麒：相葉裕樹

【東京公演】
2025年12月9日(火)～29日(月)
会場：日生劇場

【全国ツアー】
福岡公演
2026年1月6日(火)～11日(日)
会場：博多座

大阪公演
2026年1月17日(土)～20日(火)
会場：梅田芸術劇場 メインホール

愛知公演
2026年1月28日(水)～2月1日(日)
会場：御園座

チケット情報：
https://w.pia.jp/t/12kokuki/（https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2560982&afid=P66）

公式サイト：
https://www.tohostage.com/12kokuki/