吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」
吉沢亮、板垣李光人 (撮影/梁瀬玉実)

大河ドラマ「青天を衝け」(2021)から約4年、今度はコメディ映画『ババンババンバンバンパイア』で再共演した吉沢亮と板垣李光人。それぞれ、450歳のバンパイア・森蘭丸と、彼が身分を隠して働く銭湯の息子・立野李仁を演じる。前代未聞のバンパイア・ラブコメディという新ジャンルを確立した本作において、応援したくなるキャラクターを愛らしく演じたふたりに作品完成までの話を聞いた。



原作は大人気コメディ漫画「イメージに忠実に」

吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

ーー本作は、永遠の命を持つ450歳のバンパイア・森蘭丸と、彼が働く銭湯の息子・立野李仁のやりとりを中心に展開していくラブコメディです。銭湯や家族団欒のシーンも含め、昭和の古き良き家族像も感じられますが、お二人が原作を初めて読んだ印象は?



吉沢亮(以下、吉沢) 敵も味方も、みんなアホな人しかいないなと思いました(笑)。全員に愛すべき可愛らしいポイントがあって、読んでいてすごく安心感がありました。家族みんなで銭湯に入って、背中を流し合ったり。



板垣李光人(以下、板垣) すごく仲良しで、良い家族ですよね。僕が演じた李仁は15歳の高校生ですが、思春期真っ只中で家族とこんなふうに過ごせるのは、素敵だなと思いました。どのキャラクターも可愛らしいですし、とくに吉沢さんが演じた森さんは、バンパイアっていうスマートなイメージとは良い意味でかけ離れていて、愛着がわきます。



吉沢 李光人が演じた李仁くんは、原作者の奥嶋(ひろまさ)さんが、李光人から名前をとって作ったキャラクターなんだもんね。



板垣 そうなんです。自分がモデルになっていることは、事前に伺っていて。ただ、僕としては「どうしたらいいんだろう?」という感じでした。自分が元になったキャラクターを、実写で演じさせてもらう経験が初めてだったので。現場で奥嶋さんにお会いして「原作は原作、映画は映画ですから」と言ってくださったので、あまり考えすぎず、映画は映画で良いものを作ろう! という意識で向き合ってました。



吉沢 僕も、蘭丸を演じるにあたって、あまり原作は意識してなかったかもしれません。お芝居がどうこうというより、髪型や衣装などビジュアル面で、原作のイメージに忠実に寄せられるように、と。メイクさん、衣装さんの力をお借りしながら、クランクイン前に細かいところを調整しました。



吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

バンパイアの“人間臭さ”を意識

吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

ーー吉沢さんは浜崎慎治監督と『一度死んでみた』(2020)以来のタッグで、板垣さんは今回がはじめて。コメディ作品への向き合い方として、とくに意識した点などありますか?



吉沢 テンポ感、セリフのスピード感でしょうか。たとえば相手に何か言われたときの返しとして、どれくらい早ければいいのか、反対に少し間を開けたほうがいいのか。とくに今回、僕が演じた森蘭丸はバンパイアなので、彼が人間になる瞬間というか“一瞬だけバンパイアが抜ける”人間臭さみたいなものを、意識してたかもしれません。



板垣 現場で吉沢さんとお会いしたとき「あ、森さんだ!」とすぐに思いました。それくらい自然だったんですよね。僕はコメディ作品の経験が少ないからこそ、大真面目にやることを心がけました。森さんとの掛け合いが多かったので、吉沢さんの仰るテンポ感やリズムは、吉沢さんに形成してもらった間に僕が乗っかる、みたいな感覚で撮影してた気がします。



ーー李仁くんの「森さ~ん!」の呼びかけ方も、いろいろなパターンがありましたね。



板垣 僕としては、のび太くんをイメージしてました。



吉沢 あとマリオっぽい呼び方もあったよね。あれ良かったな。こういうがっつりしたコメディ作品では、李仁みたいな普通の役柄が、ある意味一番難しいなと思っていて。僕が演じた森蘭丸はバンパイアですから「バンパイアです」って顔をしていればいいんですけど。純粋で真っ直ぐで一生懸命な李仁を、20歳を超えた李光人が全力でやったら、変にわざとらしくなっちゃいそうだけど、自然に李仁として存在していたから、すごいと思いました。あざとさみたいなものが、一切なかった。



吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

『青天を衝け』以来の再共演

吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

ーーお二人は大河ドラマ『青天を衝け』以来の共演ですが、久々に再会して、お互いの印象に変化はありましたか?



吉沢 少なくとも、当時よりはお互いに喋るようになったかな。



板垣 確かに!



吉沢 『青天を衝け』のときは現場が忙しかったし、僕も切羽詰まっていたので、あまり周りの人と話す時間がなかったんです。でも今回は仲良くお話ししたよね。



板垣 そうですね。僕も前回は、一言くらいしかお話しできなかった気がします。久々の大河ドラマの現場でしたし、恐縮してたのもあって……。



吉沢 今回の撮影に入る前に、共通の友達と一緒にご飯を食べに行ったんだよね。作品のことはまったく話さず、くだらない話しかしてないんだけど(笑)。ひたすらゲームの話ばっかりしてたよね。



板垣 昨日も一緒にゲームしてましたもんね。



吉沢 李光人がこの間、新しいPCを買ったんですよ。だから、ちょくちょく一緒にオンラインで遊んでます。



ーーゲームを通じてお二人の仲が、より深まったんですね。今回はコメディですから、本番にも良い影響があったのでは?



板垣 リラックスして話せるようになったのは、僕としても良い効果があったと思います。



吉沢 お互いにこういう落ち着いたテンションのまま、まったり楽しく撮影できました。



銭湯シーンでハプニング?

吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

ーー思わず声を出して笑ってしまうシーンばかりの本作ですが、実際に出演されているお二人が、演じながら「思わず笑いを堪えきれなかった……」なんてシーンはありましたか?



板垣 僕はもう、あのシーン一択です。関口メンディーさんが演じたフランケン(篠塚健)の……。



吉沢 あそこね、蘭丸と李仁とフランケン、3人で一緒にお風呂に入ったシーン。確かに、あれは耐えきれなかった。フランケンがお風呂に入りながら筋トレするんです。



板垣 フランケンは身体も大きいから、お湯のなかで動くと、水面がまあ揺れるんですよ。すごい筋力だな~!と思いながら見てました。



吉沢 銭湯でのシーンは、足元がツルツルしているなかのアクションもあったので、滑って転ばないようにするのが大変でした。足元が映らないカットはゴム靴を履いて撮影したんですけど。そもそも、裸でお芝居をするのに慣れません。



吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

板垣 銭湯はもちろんですけど、森さんは裸のまま自室で寝ているシーンもあって、それが彼にとっての日常だから。裸でいることに慣れないといけませんでしたよね。



吉沢 俺はそっちのほうが恥ずかしかったなあ。銭湯のシーンはみんな裸だけど、自室で寝ているシーンは自分しか裸にならないから。



板垣 部屋も狭いし、気まずかったですよね(笑)。



吉沢 銭湯でも自室でも、裸にならなきゃいけないシーンが結構あったから、やれるだけやろうと思って事前にジムとか行ったんだよね。でも、途中でちょっと怪我しちゃって、コンディションが良くないシーンもあるので、自室シーンのほうが自信あるかもしれない(笑)。



板垣 周りに裸の人がいないぶん、目立っちゃいますからね。



肩の力を抜ける、自然体でいられる現場

吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

ーー本作は、すでに名前が挙がっている関口さんはじめ、李仁のクラス担任・坂本梅太郎を演じる満島真之介さんや、李仁の祖父・立野長次郎を演じる笹野高史さんなど、コメディセンスの高い俳優さんが集っている作品でもありますよね。



吉沢 坂本が登場するシーンの曲が、とってもカッコいいんです。カッコいいのにギャップがあって、声を出して笑っちゃいました(笑)。相当振り切って演じてらっしゃったので、声の出し方なども含め、やっぱり素敵だなと思いました。



板垣 満島さんはもちろん、笹野さんも、ただ普通に歩きながらポンッて一言話すだけで、おもしろいんです。テクニックもそうですけど、これまでのキャリアと厚い経験から滲み出てくるものも大きいんだろうな、と。自分が真似しようとしても、なかなかできないです。



吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

ーー李仁の同級生・篠塚葵を演じる原菜乃華さんが「撮影の合間にゲームをして遊んだ」と仰っていますが、どんなことをしたんですか?



吉沢 人狼ゲームをやりました。3人でひたすらやってたよね?



板垣 やりましたね~。それを、横から浜崎監督が見てました。



吉沢 上手な人が一人もいなくて。誰が犯人なのか、ずっとわからなかったよね。



板垣 みんな役者だから、得意なはずなのに(笑)。吉沢さんが現場でもフラットにいてくださって、肩の力を抜ける空気感をつくってくださっていたので、そのリラックスした雰囲気が作品にも良い影響を与えてくれていると思います。



不老不死、憧れる? 憧れない?

吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

ーー吉沢さんが演じた森蘭丸は、永遠の命を持つ不老不死の存在です。お二人は、永遠の命についてどう思いますか?



板垣 いや、大変だと思います。僕は、たとえ不老不死だとしても、地球が滅んじゃう前には命を終えたいです。でもその前に、あらゆる技術が進歩し切るのも見届けたいなあ。たとえばタケコプターとかは頑張れば実現させられそうだから、どこでもドアが開発されるのを見たい。



吉沢 確かに、どこでもドア欲しいよね。永遠の命より、どこでもドアが欲しいな、俺も。スケジュールが詰まっていても、どこでもドアがあればギリギリまで寝られるし。李光人って、どこでも寝られるタイプ?



板垣 どこでも寝られます。僕、乗り物に乗るとすぐ寝ちゃうんですよ。



吉沢 すごいね、車でも寝られる?



板垣 車も電車も新幹線も、あと飛行機も寝られます。離陸前に機体がゆっくり動いている時点で寝ちゃいます(笑)。



吉沢 いいな~。俺、車では寝られないんだよ。相当疲れてたら寝られるんだけど。



板垣 吉沢さんは、永遠の命についてどう思いますか?



吉沢 寿命が長いほうが、人生を楽しめるんだろうな、とは思う。たとえば、ちょっとミスしたり嫌なことがあったりしても、永遠の命があったら落ち込まないんだろうなって。そのせいで命が終わるわけじゃないし、落ち込んだり後悔したりする時間がもったいない、って思えるようになるのかもしれない。



ーーお二人にとって、人生は長いですか? それとも短い?



吉沢 短いのかなあ。



板垣 僕も短いと思います。



吉沢 今年30歳になって、もう人生の三分の一は生きたんだって思ったら、まだ何もしてないのになって思うんだよね。もっと年齢を重ねたら、捉え方が変わるのかもしれないけど。



板垣 一年って早いじゃないですか。この一年をあと60回くらい繰り返したら、人生終えるんだって思うと……あっという間だなって。人って、だいたい20歳くらいになったら、人生の半分くらいは終えてるって自然に体感してるらしいですよ。



吉沢 じゃあもう俺たち、半分は終わってるじゃん。余生だね(笑)。



吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

取材・文:北村有 撮影:梁瀬玉実



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<作品情報>
『ババンババンバンバンパイア』



7月4日(金) 公開



吉沢亮・板垣李光人 再共演で感じたこと「吉沢さんがリラックスできる雰囲気を作ってくださった」

■出演:
吉沢亮
板垣李光人
原菜乃華 関口メンディー/満島真之介
堤真一
音尾琢真 映美くらら
笹野高史
眞栄田郷敦
■原作:奥嶋ひろまさ『ババンババンバンバンパイア』(秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
■監督:浜崎慎治
■脚本:松田裕子
■製作幹事:松竹 テレビ朝日
■製作:「ババンババンバンバンパイア」製作委員会
■制作プロダクション:ダーウィン
■配給:松竹
©2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 ©奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022



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