ネオディスコバンドGeloomyインタビュー「アース・ウインド & ファイアーのあの感じを日本でも俺ら世代に広めたいなって」
左から)肝臓(key)、腎臓(b)、肺(ds)、小腸(g/vo)

Text:吉羽さおり



軽やかで都会的、そのクールな佇まいからいたずら心や毒っぽさが顔を覗かせる、ネオディスコバンドGeloomy(ジェローミー)。今年4月に1stシングル「Vagi@」(ヴァギ アット)をリリースし、自主制作MVがSNS中心に話題となった4人が、早くも1stEP『Saladbowl』をリリースする。

ファンクやR&B等ソウルミュージックを下地にした洗練されたサウンド、グルーヴを奏でながらも、どこかお茶目なキャッチーさを放つ。そんなGeloomyならではのノリはどんなふうにして生まれたのか、4人に話を聞いた。



──先ほど自己紹介していただきましたが、なぜステージネームを臓器にしたんですか? サウンドのイメージともちがう感じですよね。



小腸(g/vo) ノリでした(笑)。名前をつけたときはまだ、しっかりとバンドをやるという感じではなくて。何か漢字の名前がいいみたいな話になって、臓器になりました。



肺(ds) イカツイ漢字を探したら、臓器がかっこいいみたいになって。



肝臓(key) ビジュアル系みたいですけどね(笑)。



ネオディスコバンドGeloomyインタビュー「アース・ウインド & ファイアーのあの感じを日本でも俺ら世代に広めたいなって」

肝臓(key)、小腸(g/vo)

──ノリでということですが、Geloomyはどんなふうにはじまったバンドですか。



小腸 結成したのが昨年の10月くらいなんですけど、最初は音楽で遊ぶくらいの感じだったんです。4人でライブに行って、というのがはじまりで。



 元々知り合いだった人もいるし、そのライブで知り合った人もいるしで。



小腸 僕と肝臓は小学校から一緒で、もうひとつのバンド(luv)でも一緒で。腎臓さんと僕は高校3年間クラスが一緒で、肺さんは大学のジャズのビッグバンドで知り合いました。



──昨年10月にバンドがスタートして、今年4月には1stシングル「Vagi@」をリリースして。この最初の曲がSNSを通じてたくさんの人の目に触れることになりましたね。



小腸 これはみんなで遊んだ帰りの車中で曲作るか、ってなって。駐車場で曲ができて、これめっちゃいいんちゃう?ってなった感じだったんですけど。「Vagi@」は自分らでMVも作って。これ、いくんちゃうん?っていう手応えはありました。SNS大臣の肝臓がいろいろプロモーションとかをやってくれて。たまたまTikTokでバズって、Instagramのリールでバズっていい感じにいけて。



肝臓 MVのはじまりが特徴的だったので、もしかしたらワンチャンあるかなって感じで上げてみたら、通知が止まらなくなって。ヤバい、ヤバい、ヤバいみたいな感じでしたね(笑)。

たまたま1曲目は聴いてもらえたのかなと思います。



ネオディスコバンドGeloomyインタビュー「アース・ウインド & ファイアーのあの感じを日本でも俺ら世代に広めたいなって」

──ノリや遊びの感じがありながらも、バンドのグルーヴであったり、曲の運びのうまさやキャッチーさが際立っていますが、それぞれのルーツだったり、バンドの経験というのはどんな感じなんですか。



 僕は元々、UKロックのオリジナルバンドに入ってやってたんですけど、実はずっとブラックミュージックをやりたくて、そんなときにこのバンドができたので、めちゃうれしかったです。



腎臓 僕は高校生くらいから、今やってるような音楽が好きでしたね。大学に入ってからバンドがやりたくて音楽サークルに入って、コピーバンドで、1、2回ライブはやったんですけど。そこから8カ月くらい留学をしていたんです。その間にみんなは人脈ができちゃってたから、なかなかバンドができなくて(笑)。帰ってきてしばらくして、Geloomyがスタートした感じでした。



ネオディスコバンドGeloomyインタビュー「アース・ウインド & ファイアーのあの感じを日本でも俺ら世代に広めたいなって」

腎臓(b)、肺(ds)

肝臓 僕は、ちゃんとキーボードをはじめたのが大学からなんですけど。はじめたときに聴いていたのが、ネオソウルで。キーボードもインスタとかYouTubeに上がっているネオソウル系のキーボードの人の動画を見て、真似しまくって。今の感じになりました。



小腸 このバンドは4人ともルーツが似てるから、やりたいことがいちばんできてるんじゃないかなって、個人的には思います。僕は90‘sのブラックミュージックをずっと聴いてきたんですけど、共通してみんな好きなのがアース・ウインド & ファイアーで。Geloomyは“ネオディスコバンド”って言っているですけど、アースのあの感じを日本でも俺ら世代に広めたいなっていうのはありました。



──9月18日には早くも1stEP『Saladbowl』がリリースとなりました。まさにバンドの名刺代わりとなる、それぞれの持つ色味やルーツをネオディスコへと昇華した作品になりましたね。自分たちのこういうところが出ているなというのはあります。



小腸 シンセのキラキラ感がある、ディスコっぽくて、ちょっとUK味が強いかなっていう感じがありますね。今回のEPはミックスの音像的にはジャミロクワイのアルバム『ファンク・オデッセイ』を参考にしていたんですけど、とくに「p.h.p」には、そのキラキラ感があります。



ネオディスコバンドGeloomyインタビュー「アース・ウインド & ファイアーのあの感じを日本でも俺ら世代に広めたいなって」

──曲作りはどんな感じで進んでいくんですか。



小腸 主に僕と肝臓で作っていくんですけど、肝臓が元ネタを持ってくることが多いですね。それを4人で話したり、スタジオでやってみてDAWに起こしていく感じで。メロディを乗せてみて、今のいいやんみたいに進んでいくことが多いですね。



肝臓 まずこんな感じにしたいなっていうリファレンス曲を持ってきて、コード進行を考えていくんですけど。ちょっと気持ち悪いことしたいので、普通じゃないコード進行にもしたくて。



小腸 「p.h.p」はいちばんキモい感じがありますね。



肝臓 予想を裏切るようなことをしたいんです。



小腸 ブレイクでめっちゃサイケにしてみたりとか、いろんなルーツが垣間見える感じになってます。



──結成から約1年ほどで、まだライブの本数自体も少ないそうですが、バンドのグルーヴ感や耳心地のいい4人の音の感じっていうのが、すでにできている感じですよね?



小腸 この4人でいると、楽器を弾いてるよりも一緒にスマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)をしてる時間の方が長いんですよね。いつも肺の家にみんなで泊まるんですけど、シングルベッドにふたり、座椅子にひとり、ひとりが床に寝ることになるんです。その床に寝る人をスマブラで決めるっていう。



ネオディスコバンドGeloomyインタビュー「アース・ウインド & ファイアーのあの感じを日本でも俺ら世代に広めたいなって」

肝臓 負けたら床です。



 というのを昨日もやってました(笑)。



小腸 昨日は僕が床でした。



──4人で一緒に遊んでいる時間が、バンドにとっても大事な感じですかね。



小腸 4人で集まる時間が多いのは、大きいと思いますね。リハがないのにスマブラしに行ったり、普段からスマブラか音楽の話をしている感じで(笑)。最近この新譜が熱いっていう話ももちろんあります。



肝臓 移動中の車でもずっと音楽を聴いているので、これいいなっていうのを言い合ったりとか。みんな好みが似ているので、誰かが流した知らない曲でも、これめっちゃいいっていうのが多いんですよね。そういう曲をリファレンスにして、新しい曲を作ることもあったりしますね。



──曲の幅は広がっていくなかで肝になるのがメロディだと思いますが、作り方であったり、意識することはありますか。



小腸 メロディは鼻歌で作るんですけど。サウンド的にキモいこと、予想を裏切ることをする分、メロディがキャッチーじゃないとというのがあるので。今回のEPでは「p.h.p」以外はキャッチーな曲なんですけど、「p.h.p」ではメロディに苦戦しましたね。



ネオディスコバンドGeloomyインタビュー「アース・ウインド & ファイアーのあの感じを日本でも俺ら世代に広めたいなって」

──リズム隊おふたりは、どんなことを大事にしていますか。



 ダンスミュージック的な曲が多いから、あまり派手なことはやらないけど、グルーヴはきちっとと言うのはありますね。

逆に「Black Cinema」みたいなネオソウルっぽい曲では、グルーヴありつつもキメもしっかりあって、やるときはやるみたいな感じで最近、徐々に掴めてきた感じがありますね。



腎臓 ベースラインの場合は、頭で考えてやるというよりは曲の雰囲気でこんな感じかなって弾いたものが、そのままライブとか音源になっていく感じですね。



小腸 センスっていう感じだよね。とりあえず今、激安ベースを使ってるのでそろそろ新しいのを買ってもらって。



腎臓 音がヤバいので(笑)。



小腸 EP制作のときも、ベースの録り音よりノイズの方がデカい曲が送られてきたこともあったので(笑)。



ネオディスコバンドGeloomyインタビュー「アース・ウインド & ファイアーのあの感じを日本でも俺ら世代に広めたいなって」

──曲、サウンド面で予想外なこと、変なことをしたいっていうお話でしたが、リード曲のMV「Shock!!中毒」もまた面白いものになりましたし、EPのアートワークもかなりインパクト抜群ですよね。



 アートワークは僕がやってるんですけど。DIY感とかカオスな感じをイメージして作ったら、こんな感じになりました。



小腸 作った本人の顔がど真ん中にあって、主張がいちばん激しいという。



 そこだけはね。



腎臓 譲れないと。



 最初はこういうのもスマホでやっていたんですけど、最近はパソコンでやりはじめたので、演奏以外でもそこのレベルも磨いていきたい。あとはスマブラのレベルもですけど。



小腸 めっちゃ弱いからね。



──それでは、バンドとしてここからの目標を聞かせてください。



小腸 Geloomyに関しては、続けることが目標というのはありますね。こうして1stEPができて、Geloomyはこういうバンドですよっていうのを見せられたと思うので。ここからは自分らなりに場数を踏んでいって。フェスとかにも出られたらうれしいです。



──11月11日には1stEP『Saladbowl』のリリースパーティ「Dressing」が開催されます。どんなライブになりますか。



小腸 僕ら自身、クラブとかディスコには行ったことがないんですけど。ディスコにいく感覚、昔ながらのいい音楽がかかっているところにいくノリノリな感じで来てもらえたら嬉しいなって思います。



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<リリース情報>
1st EP『Saladbowl』



配信中
【収録曲】
1. Shock!!中毒
2. 블루 (beullu)
3. p.h.p
4. Black Cinema



配信リンク:
https://friendship.lnk.to/Saladbowl_Geloomy



<イベント情報>
Geloomy 1st EP『Saladbowl』release party『Dressing』



2024年11月11日(月) 東京・下北沢BASEMENTBAR
開場18:30 / 開演19:00
出演:Geloomy ほか
料金:一般:3,400円 ※入場時ドリンク代が必要
https://w.pia.jp/t/geloomy/



公式X:
https://x.com/Geloomy_Band



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