アントン・チェーホフの短編小説をニール・サイモンが9つの物語の戯曲に仕上げたオムニバス形式の舞台は、ふたりの時代背景が色濃く描かれた愉快で鋭く風刺が効いて楽しい悲喜劇になった。
主演のイッセー尾形がいい。
第1幕第1話『くしゃみ』が始まる前、その語り口は既に役者の演技だ。執筆が行き詰まる理由や舞台自体の説明が丁寧で明確でゆったりした台詞回しによって引き込む。さすがは一人芝居の名手だ。チェーホフ、サイモンが重なって見えた。第4話『誘惑』で演じたのは、誘惑の名人の口車に乗って悩む妻に戸惑う夫。名人の松尾貴史と絶妙の掛け合い、アドリブ連発のふたりは漫才のようで笑わせた。
第2幕になると第1話『溺れた人』で溺れる芝居を3ルーブルで買えという船乗りの相手をする作家。ここはチェーホフとサイモンの才知が掛け算になる面白さ。尾形と松尾という巧みな芸人ふたりがアドリブを加えて爆笑ものだった。
福田悠太は5つの話に登場した。一番最初の『くしゃみ』を楽しみにしていたのだが、上出来だ。国立公園省の事務官チェルジャーコフという気の弱い男。しかし仕事は真面目で妻には優しい。所属グループ・ふぉ~ゆ~の舞台でも軽やかな存在感を放つ福田だが、ユーモラスな個性と切れの良い演技を発揮していた。それがこの役にハマった。
3話『手術』では歯科の新米助手クリャーチンとして、患者の虫歯を引き抜く場面で患者役の松尾と大騒動を繰り広げる。『溺れた人』では出番は少ないながらも、警官役として制服姿が板につき、『大人の階段』では奥手の息子アントーシャを演じ、父親役の尾形に必死に食いついていた。
さて松尾の推しはまず『手術』。
安藤玉恵は何と言っても『弱くて無力な生き物』で夫の会社から不当な扱いをされたと訴え、銀行にお金を返せと迫る女性。チェーホフの帝政ロシア時代、庶民は貧しく差別されていた。役員を攻める芝居は怒り、最後に爆発した女性の解放、理不尽な社会への抗議。全身全霊で訴えた。
最後は小向なる。魅力が際立ったのは2幕2話『オーディション』だ。
文:大島幸久
<公演情報>
『チェーホフの奏でる物語』
作:ニール・サイモン
翻訳:小田島創志
演出:内藤裕子
出演:イッセー尾形 安藤玉恵 福田悠太 小向なる 松尾貴史
【東京公演】
2026年1月23日(金)~2026年2月2日(月)
会場:東京芸術劇場 シアターウエスト
【大阪公演】
2026年2月7日(土)・8日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
関連リンク
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/chekhov2026/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2563763&afid=P66)
公式サイト:
https://chekhov2026.jp/

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