「どれだけ大きくなっても心はずっと近いまま」ICEx 涙と笑顔の最終公演「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」ライブレポート
「ICEx Third Concert Tour 2025

8月より始まった「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」が9月23日の東京・LINE CUBE SHIBUYAでの公演をもって幕を閉じた。



今回のツアータイトル"BOKUNCHI"は、メンバーが僕たちの地元に招待するよという意味も込めてのもの。

ステージ上には、8人が共同生活を送っているような家に見立てたセットが登場し、朝起きるところから、夜寝るところまでを表現したようなステージ構成で展開していった。



本記事では、8人それぞれが、各々の思いを元に涙を流した最終公演の模様を詳細レポートする。



爽やかな朝を感じさせる演出から幕開け

「どれだけ大きくなっても心はずっと近いまま」ICEx 涙と笑顔の最終公演「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」ライブレポート

今か今かと待ち遠しく思うCOOLer(ICExのファンネーム)で、いっぱいになったLINECUBE SHIBUYA。会場内の電気が消えると、流れてきたのは今回のツアータイトル“BOKUNCHI”に相応しく、8人で共同生活を送っているような映像だった。その映像の中では、阿久根温世と志賀李玖がゲームを楽しみ、筒井俊旭と千田波空斗はミステリー小説で盛り上がる。中村旺太郎と山本龍人はジェンガに奮闘、竹野世梛と八神遼介の最年少コンビは2人で1つのタブレット端末を楽しそうに見ていた。



そんな映像の後、会場を鳥のさえずりと目覚ましのアラーム音が包み込む。すると、会場内に組まれた家風のセットの中にある複数の扉や、ベッド、ソファなどからメンバーが続々と登場。爽やかな朝から始まる希望に溢れた日常を歌った「Sunny Road」でライブが幕を開けた。



実は、この最終公演を前に、同日の1部で腰を負傷をしてしまった八神が演目の一部のみの参加を発表されたのだが、1曲目には八神も登場。7人と同じく踊ることはできずとも、精いっぱい自分のできる範囲で会いにきてくれたCOOLerに笑顔を見せる姿が印象的だった。



「どれだけ大きくなっても心はずっと近いまま」ICEx 涙と笑顔の最終公演「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」ライブレポート

「どれだけ大きくなっても心はずっと近いまま」ICEx 涙と笑顔の最終公演「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」ライブレポート

2曲目に披露されたのはデビュー曲「CANDY」。楽曲に合わせて、コールをするCOOLerの姿は安定。

その中で、普段と違ったのは洗面所風のセットの中、メンバーが歯磨きをしたり、ヘアセットをしたりする動作をしながら歌唱する姿である。表情豊かに、朝のセットに励む姿は、まさに共同生活を想像させ、ICExの代名詞とも言える「CANDY」の新たな見せ方を提示してくれた。



ノンストップで披露されたのは筒井の歌い出しから始まった「Miracles」。サビでは、7人の意気が揃ったフォーメーションダンスを披露。ラストのサビ前には中村、阿久根、竹野、山本の4人、筒井、千田、志賀、八神の4人ずつに分かれてのダンスブレイク映像が映し出される。その映像の中で、筒井がアクロバットを披露したことに驚かされていると、メンバーがパジャマ風の衣装から私服風の衣装に着替えて再登場。そのまま最後まで楽曲を歌いきったところで、この公演1回目のMCへと繋いだ。



竹野「八神と世梛、両方呼んでください!」

「どれだけ大きくなっても心はずっと近いまま」ICEx 涙と笑顔の最終公演「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」ライブレポート

中村の「ツアーファイナルー!」との呼びかけからスタートしたMCには、1曲目以降、出演を控えてきた八神もゆっくりと歩いて登場。



ファンが心配そうに見守る中、八神は自己紹介をした後で「東京ラスト公演、よろしくお願いします!」と盛り上げ。八神とともにグループ最年少の竹野は「世梛って呼んで、って言いたいんですけど…」と挨拶を止め、会場を半分に分けて「こっち側は俺、こっちは八神の名前を呼んでください!八神と世梛、両方叫んでください!せーの!」とメンバー愛を炸裂。会場は「八神ー!」と「世梛ー!」と叫ぶ大きな声で包まれた。



“おうちゃん”の愛称で親しまれている中村は「おうさまで!」とCOOLerに呼びかけをリクエスト。いざ「おうさまー!」と呼ばれると、目を細めて「何か用かい?」とボケて見せ、COOLerを笑わせた。



「どれだけ大きくなっても心はずっと近いまま」ICEx 涙と笑顔の最終公演「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」ライブレポート

メンバー全員の自己紹介が終わったところで、志賀は「声出す準備、いきまーす」と独特な煽りをし、メンバーから「お願いしますよ?」などとツッコまれる。そして気を取り直して「声出す準備できていますか?」「幸せになる準備できていますか?」「愛される準備できていますか?」と呼びかけ、再びパフォーマンスへと戻っていった。



メンバーが各々食べたいものを提案した映像の後で披露されたのは、恋に溺れていく心情をしっとりと表現した「Maniacs」。曲中のステージでは千田が阿久根の背中に乗ろうとするも不発に終わるようなシーンや、竹野の背中に山本が乗る一幕など、仲睦まじい姿が垣間見えた。



その後、メンバーは全員で外出。おしゃれなカフェを目指したところで流れたのは、2025年2月にリリースされた「理想郷」。普段は千田とともにボーカル面でグループを引っ張る八神のパートをメンバーがカバーしている姿が印象的だった。



再び、COOLerのコールで盛り上がったのは「シブヤ 午後6時」。ラストのサビ前には、一旦8人がステージから捌けて、千田、中村、山本、筒井だけが残る。そして、ステージの別の場所から出てきた阿久根、志賀、竹野と電話してお互いの居場所を確かめ合う姿は、まさにミュージックビデオさながら。それを渋谷という街で見れたのは、なんともエモーショナルであった。



八神と千田のユニット曲「listen to your heart」では大きな拍手も

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阿久根、志賀、竹野のユニット曲「恋ソーダ」では、3人がイケメンカフェ店員に扮する。そんなカフェに、山本、千田、中村、そして曲の途中には筒井、そして八神も登場するという演出がかわいらしい。



この曲の終わりには、山本、中村、筒井が傘をもらってカフェを出る。外では雨が降っていることを想像させるような音響が流れ披露されたのは、千田と八神によるユニット曲「listen to your heart」。ここで八神の代打を務めたのは、最年長としてグループを引っ張る志賀だった。曲に合わせて志賀が登場すると、会場からは驚きと応援が混ざったようなどよめきが。しっとりと聞かせるバラードソングを、時折、2人で見つめ合いながら美しいハーモニーで歌いきる姿は圧巻で、曲の終わりには大きな拍手が贈られた。



スクリーンに現れた時計が時を刻んでいるかと思いきや、巻き戻っているような動きを見せ、少しノスタルジックな夏の風景が映し出される。その流れで披露されたのは「青と白」。永遠ではない夏の切なさを歌った歌詞と、青と白のライティングに照らされたステージがリンクしているのを見て「この瞬間は永遠ではない」と考えさせられるような気持ちにさせられた。



雰囲気はガラッと変わり、会場には開演ブザーの音が鳴り響く。そして、メンバーは映画館を彷彿とさせるセットの中に集合し「Hollywood」を披露。曲中では、モニターにモノクロ映画の中に出演しているかのようなメンバーの姿も映し出された。その中でも竹野と山本の“壁ドン”シーンにはCOOLerも大興奮。

大きな歓声が上がっていた。



“帰宅”した先ではハプニングが!

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楽しかった外出パートを経て、メンバーが再び家に戻ってきた映像が流れた後、ステージには山本が「ただいまー!」と元気よく登場。これに対して、COOLerがしっかりと「おかえりー!」と返答したかと思うと、山本は片付いていない我が家を見て驚き。メンバーに片付けを呼びかけると、掃除道具を持ってきた6人が登場し「Play The Music」をパフォーマンスした。



無事、片付けも終わりかと思いきや、山本が明らかに押してはいけなそうなブザーに触れてしまう。すると、家の中は、赤いサーチライトと大きなサイレン音に包まれ、そしてスモークが充満。それを合図にメンバーは「ビリミ」でクールに魅せた。



曲終わりに筒井が「サイレンとっしー!」とお馴染みのT字のポーズをとると、なぜかサイレン音と怪しげな光は元に戻る。ICExのメンバー紹介ソング「We are ICEx!」では、八神も椅子に座って登場し、ステージの上手側でペンライトを振り、メンバーを応援した。歌詞に合わせて山本が「龍ちゃんって呼んで!」とキュートに呼びかけたり、竹野が「怒らないでね?」と懇願したりすると黄色い歓声が上がる。そして曲の終わりには大きな“ICEx”ポーズを作成。これぞICExと言わんばかりの個性とグループの一体感を両立させて見せていた。このツアーのために作成されたおもてなしソング「Welcome to BOKUNCHI」では、ステージに横一列に並び、会場全体を煽る姿も。



そして、この公演、2度目となるMCへと繋げた。



ここで八神は感想を聞かれ「楽しいっすね、これ!ファン特等席みたいな。まさかのステージ上ですみません」と笑顔。



さらに話を振られた山本は「時が過ぎるのもあっという間でして…」と独特な言い回しからエピソードトークをスタート。「秋が始まっていることにかけて、〇〇の秋、もしくは秋にしたいことを話てください!」と7人に振った。



これにはトップバッターの八神「筒井俊“あき”です!」と秋をかけたボケを披露。しかし、実は筒井、自分でこれを答えようとしていたようで、それに気がついた八神は「ごめん!」と謝っていた。このコーナーを大喜利と捉えた関西人の阿久根は「かきにはちまき!」と謎の単語を生み出し、すぐさま「おもんな!どうした!」と自分自身にツッコんで見せた。さらに、大トリを務めた中村は会場に手拍子を求めギャグを見せるも、微妙な空気に。最後に膝から崩れ落ちると、志賀は容赦なく「ということで、皆さん立ちましょう!」と再びライブパートへいく合図を出した。



ラストスパートにかけて魅せたICExの真骨頂

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ライブパートの前には、メンバーカラーの蝶ネクタイを付け、タキシードに身を包むメンバー8人の映像が流れ出す。その映像が終わると、メンバーは映像の中と同じタキシード姿でステージに登場。



華やかな服装に相応しいキラキラとした恋心を歌った楽曲「It's party time!」を披露。

大人な魅力が凝縮された「COUNT DOWN」では、千田が曲中で筒井の顎先を掴むという色っぽい絡みも見られた。



そのままノンストップで披露されたのは、どこか怪しげな空気感が否めない、阿久根の歌い出しから始まる「ALPHA」。そのステージングは、窓の外が赤く染まる様子を演出しており、曲の中盤には、筒井、阿久根、中村によるセリフパートもあり。今まで見たことのないようなICExの姿を楽しめた。



「どれだけ大きくなっても心はずっと近いまま」ICEx 涙と笑顔の最終公演「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」ライブレポート

続けて披露されたのは、7月23日にリリースされたばかりの「インストール」。ラップパートが豊富なこの曲もまた、ICExの表現の幅を広げた1曲である。また、今回のライブでは、曲中にメンバーが横1列になり、それぞれのソロダンスを披露するコーナーもあり。今のICExのパフォーマンスを、歌唱、ラップ、ダンスで多角的に見せていた。



<WOW WOW OH OH OH EVERYBODY>と会場の煽りを誘う元気な歌詞から始まる「CARNIVAL」では、メンバーが客席に降りる。会場の隅から隅に散らばるメンバーたちは、できるだけ多くのCOOLerとの交流をするように心掛け、日頃応援してくれていることへの感謝を伝えているように思えた。ステージに戻ったメンバーが本編ラストに披露したのは「BOOM BOOM BOOM」。間奏部分では、メンバーがそれぞれのチョイスしたワードで思い思いに会場を盛り上げる一幕も。



そして「みなさん楽しかったですか?いっぱい声出せましたか?愛されましたか?僕らもめちゃくちゃ幸せでした!ありがとうございました」と志賀が言い、本編は終了。スタッフロールがスクリーンに映し出され、それが終わると舞台上に設置された2台のベッドの1つには阿久根、そしてもう1つのベッドには志賀と山本が登場。そこではまるで眠る前の会話と同じようなテンションで、志賀の身に起こった恐怖体験や、山本と阿久根のグループ結成前の微妙な関係などが語られる。そして、最後には「おやすみなさい」と言い合って、今度こそ本編が終了した。



涙が伝播していったメンバー挨拶

「どれだけ大きくなっても心はずっと近いまま」ICEx 涙と笑顔の最終公演「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」ライブレポート

COOLerからの熱烈なアンコールに呼び戻され、再び登場したICExは異なるカラーを持つICExが切磋琢磨しあった日々を謳ったような楽曲「Jelly Beans」を披露。横一列で肩を組みながら歌う一幕では、山本と志賀が普段その間にポジショニングしている八神がいるかのようにあえて空間を開け、横に揺れながらパフォーマンスしてみせた。



1曲を披露したところで、ICExから3つのお知らせが。まず1つ目はICExが“愛”に挑む!初の冠番組 『愛されICExの作り方』のレギュラー放送が決定したこと。2つ目が先輩グループ・超特急の草川拓弥が主演を務めるカンテレ×FODドラマ『地獄は善意で出来ている』の主題歌を担当すること。3つ目は結成3周年を記念し2026年3月22日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでのワンマンライブ『ICEx 3rd Anniversary Concert 2026 "ICEx School"』を開催することが発表された。



これにはメンバーも嬉しそうな様子。しかし、志賀がこの三大お知らせの後で「実は、とある映像があります!」と言うと、メンバーは「なんでりっくん、いつもそっち側なの?」と驚き。まさかの草川拓弥からの映像が流されると、COOLerと共にメンバーも興奮した様子を見せていた。



これらのお知らせ、そしてツアーを完走したことを受けてメンバー8人が挨拶。



まずは、最終公演、一部の演目のみの参加となってしまった八神は「今日は改めまして、本当にありがとうございます」と感謝。「言いたいこと、思っていることがたくさんあるんですけど、今日がツアー最終日で8人で一緒に笑顔でステージに立つというのが、形にできなかったことがファンの皆さんにもメンバーにも申し訳ないなと思っています。本当に悔しいというのが本当で。一部の終わりに腰を痛めちゃって…」と言葉を詰まらせる。これには会場から「ありがとう」や「頑張れ」と言った声援が。「8人でやっているところを急に7人にして、2時間もないくらいの時間でみんなが動いてくれて、いいもの作ろうって言って。やっぱり本当に僕のミスというか、管理不足だから、申し訳なくて。でも、メンバーのみんなが肩をトントンしたり、頭をさすってくれて。正直完全な状態じゃないときに、ステージに出るのも悔しくて」と苦しさを吐露。



「僕がちょっとでも顔を見せれたのも、みんなのおかげだし、言い過ぎかもしれないけど、もしこの先、踊れなくなったとしても、歌えなくなったとしても、ICExのメンバーとしてみんなの力になりたいなとすごい思って。もっとみんなのために頑張れることってあるなと思いました」と続けた。さらにパシフィコ横浜での公演はICExにとって大きな壁であると語った上で「絶対に乗り越えられると思うから…次は出ます!次は踊って、歌います!」と高らかに宣言した。



これを受け、グループ結成前から共に活動してきた中村は「ツアー完走できたのは、ここにいるCOOLerのみなさんのおかげです」と語った後で、「こうやって末っ子が成長している姿を見ると…」と突然号泣。さらに「ぶっちゃけ言うと、初日の名古屋の日に僕と八神、パフォーマンスのことで喧嘩をしまして。こうやって八神が前に進んでいるのを見ていると、すごく成長を感じて、ものすごく嬉しいです。言葉にするのは難しいんですけど」と語った。「その足跡をたくさん残していって、次の大きなステージ、パシフィコ横浜に8人全員で健康な状態で立とうと思っています。その時は、最高のパフォーマンスをお届けするので待っててください」と呼びかけた。



阿久根「大きいステージに立っても、心の絆は、ずっと近いまま」

「どれだけ大きくなっても心はずっと近いまま」ICEx 涙と笑顔の最終公演「ICEx Third Concert Tour 2025 "BOKUNCHI"」ライブレポート

ボーカルとして八神と共にグループを引っ張っている千田は「悔しいよな。俺じゃないのに、泣けてくるんだよ」と八神を見て涙。さらに今回のツアーの10公演について「長いと思っていたけど、大切な時間ってあっという間で。みんなと駆け抜けた思い出が大好きで、幸せをすごく感じました」とコメント。さらに、上京したからこそ、地元に凱旋したことをありがたく思い「ここで生まれてよかったなって思うし、ここで育ってよかったなってすごく思いました」と地元への愛を語った。さらに「皆さんへの恩返しは、パシフィコを大成功させて、それを積み重ねて言って、国立競技場に立って、その景色を皆さんに見せることが、僕らの恩返しだと思っています!ついてきてください」と締めくくる。



続いて、前日の東京公演を体調不良で欠席してしまった山本は八神に共感しつつ「せっかくみんなが準備してきたことだったり、COOLerのみなさんが空けてくれた時間を無駄にしてしまったような感じがして、すごい悔しかった」と本音を告白。「みんなとCOOLerがいてくれたから、今日も頑張ってステージに立とうと思えましたし、最終的には8人で立てて、すごい幸せです。僕たちはこれから決まったことを、もっと大きなことに繋げられるように、もっと幸せをお返しできるように頑張りたいと思うので、応援よろしくお願いします」と続けた。



筒井は「ツアーにはハプニングがつきものですし、本領を発揮できないとかなったときに、みんなが1人のために、1人がみんなのために頑張れるICExって仲間想いな素敵なグループだなと思ったし、そんなICExにいれていることが幸せだなと思いました」と笑顔。「いろんな場をもうけていただけているのは、恵まれているなと思うので、恵まれている分、皆さんに恩返しできているのかなって疑ってしまうときもあって、グループでの存在意義を見失いそうになる時もある」と語った。その上で「僕たちは、どれだけ大きくなっていっても、ずっと皆さんのそばに寄り添い続けていますし、皆さんと一緒に同じ夢に向かって突き進んで、いろんな景色を皆さんと一緒に見ていきたいです」と宣言した。



阿久根は「このツアーは、僕たちのことをもっとよりよく知って欲しいと言う気持ちを込めて作り上げたので、僕たちの想いが少しでも伝わってくれたら嬉しいです」と改めて"BOKUNCHI"について言及。「本当にみんながたくさん声を出してくれて、パワーをもらって、頑張れたなっていうのは思います。大きいステージに立っても、心の絆は、ずっと近いままであるので、ぜひこれからも応援をよろしくお願いします」と挨拶した。



フィナーレは、COOLerへの愛を詰め込んだ「Destiny」

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「どの公演も、みなさんがたくさん声を出してくれたり、ペンライトを振ってくれるおかげで楽しくて。みなさんからいっぱい元気をもらって、無限に力が湧いてくるんじゃないかという風に思いました」と竹野。さらに3つの発表を受けて「みなさんがいなかったらできないことだし、みなさんに本当に感謝でいっぱいです」と感謝を伝え、引き続きの応援を呼びかけた。



最後に挨拶をした志賀は「すごい嬉しい重大発表が3つもできて嬉しいです」と笑顔。「普通だったら自分のことでいっぱいだったりする中で、僕らのお知らせを一緒に喜んでくれるのって、当たり前じゃないし、本当にみんなを愛おしいなって思うので、パシフィコ横浜、すごく大きな場所ですけど、そこで恩返しできたらいいなと思っています。そこに立つまで、僕らも成長していって、みなさんの期待を超えていきますので、引き続き応援してくれたら嬉しいです」と明るくコメントした。



そんな後で披露したのは、COOLerへの愛を詰め込んだ「Destiny」。<君と見たこの夢は 奇跡じゃない運命さ Destiny>という歌詞がまるでこの瞬間、8人でいることがいかに尊いことかを実感したICExの今にふさわしく、またCOOLerと過ごした、この公演が当たり前じゃないことを改めて実感させた。そんな歌詞もあってか、歌いながら千田と志賀は涙を流し、歌えなくなる一幕も。



改めて、8人でいること、そして応援してくれる人がいることの尊さを最後に実感したところで会場の下手、上手、中央へと順に手を振り、ステージを後にした。



この"BOKUNCHI"というツアーには、メンバーの地元という意味が込められていた。しかし、最終公演を見て思ったのは、結成から時を経て、メンバーそれぞれにとって、ICExという場所が確実に自分のホーム"BOKUNCHI"になっているということだ。



これから先、それぞれの場所で個人として活躍をすることもあるに違いない。しかし、そんな時も、いつでも仲間が待っている"BOKUNCHI"があるということは、きっとICExにとって、大きな糧になるはず。今回のツアーの10公演を通して、確実に強固になったメンバー愛を見て、そう思った。



取材・文/於ありさ、撮影/小坂茂雄



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