Interview&Text:谷岡正浩 Photo:山下深礼(PRoPGRESS-M)
昨年のデビュー50周年の活動から引き続き――というかさらなる盛り上がりを見せるTHE ALFEE。彼らから通算27枚目のオリジナルアルバム『君が生きる意味』が届いた。
「僕らのように毎年全国をまわり、新曲も出し続けている51年というのは世界的に見てもあまり例を見ないらしいですね」(高見沢)
── 昨年の50周年の活動を経て今年に入り、若いファンや初めてライブに来るお客さんが増えているというお話を伺いました。要因としては何だとお考えですか? やはり昨年末に出演されたNHK『紅白歌合戦』の影響が大きかったのでしょうか?
高見沢 そうですね。確かに紅白は大きなきっかけになりました。そして今はインターネットの時代、入り口はいろいろあるみたいですね。例えば動画サイトの「THE ALFEE kitchen」やコロナ禍に始めた配信番組など音楽ではないものも含めてね(笑)――興味を持って下さった方も多いようです。
坂崎 そういう意味では、THE ALFEEのアーカイブにはものすごいたくさんのコンテンツがありますからね。我々が今までやってきた51年の足跡を見て、新しく知った人たちは「何なの!? この人たち!」って興味を持ってもらえたのではないかと(笑)。
── 堀りがいがありすぎですから(笑)。新しいお客さんが多いなというのはステージからすぐにわかるものですか?
高見沢 そうですね。客席の雰囲気でわかりますね。
坂崎 街によっては会場の3~4割が初めてのお客さんっていうこともありましたよ。そういうときはすぐに感じますね。「これは『星空のディスタンス』しか知らないな(笑)」って。でもそれもうれしいんですよ。めちゃくちゃ盛り上がってくれていますしね。そこはベテランのファンの人たちがうまく巻き込んでくれて。
高見沢 今年でデビュー51年だったんですけど、まさかこんな50年後が待っているなんて、想像だにしませんでしたよ。バンドマンとして本当にありがたいことです。僕らはこれまで一度も活動休止とかをしていないので、まさに真の51周年ですから(笑)。
坂崎 長くやっていると活動休止して、何年か経って再結成して、というパターンはよくあるけどね(笑)
高見沢 色々な事情があるから仕方ないね。でも僕らのように毎年全国をまわり、新曲も出し続けている51年というのは世界的に見てもあまり例を見ないらしいですね。
坂崎 そうみたいね(笑)。
── そうした途切れのない活動の賜物だとは思うのですが、それにしても、今の盛り上がりはすごいのひと言です。
高見沢 特別に何かをしたわけではないんですけどね。やっていることはずっと変わらないので。
坂崎 でも何かがバズったと言えば、やっぱり紅白。
高見沢 SNSでは桜井が歌い出したら「おまえが歌うんかい!」って総ツッコミで盛り上がったという(笑)。バンドと言えば真ん中が歌うのが当然と思っていたらまさかの端っこのベースが歌い出すんですから。僕ら3人とも歌うってことを知らない人からしたらびっくりだったんでしょうね。
坂崎 僕らからしたら「星空のディスタンス」は桜井が歌うっていうのは当然のことなんですけど。でもこれが驚かれたというのが結構衝撃的でしたね。
高見沢 だから50年経ってもまだまだなんだなって実感しましたよ。
桜井 本当にそう思いましたよ。
── でも、毎年かなりの本数をやっていらっしゃいますよね。
高見沢 そうですね。もうずーっとライブばかりやってます。
坂崎 全国ツアーを年間ふた廻り。
高見沢 夏のイベントと年末は日本武道館と大阪城ホールというのはずっと続けていますね。
坂崎 武道館も100回越えて、大阪城ホールも1984年に出来た当初からやり続けていますから。1回大阪城ホールから表彰されたよね?
桜井 されましたね。
高見沢 大阪城ホールでの通算の回数がどれくらいかはわからないけど毎年やり続けてるから結構多いほうだろうね。
桜井 そうだろうね。
坂崎 だってなんとなく大阪城ホールって新しいイメージがあるもん、出来たときからやってるから(笑)。そしたら40年経ってるってびっくりした。
── 現在の年間ライブ本数でもすごいなって思うんですけど、その前はもっとやっていたってことですよね?
高見沢 年間120本くらいが平均でしたね。ほとんど家にいない感じ。
坂崎 一番多いときで月に20本くらいやってたんですよ。
── えーー! 移動も含めるとほぼ毎日じゃないですか。
坂崎 すごいでしょ? しかもレコーディングやりながら年に1枚アルバム出してましたから。ラジオの生放送もやってたし。
高見沢 でも平気だったよね。
坂崎 全然ね。だってそんななかでも朝まで飲んでましたから(笑)。
桜井 いやー、ひどかったですね。
坂崎 記憶にないよね。
桜井 今日は一体どこにいるんだろう?って思いながら飲んでました(笑)。
坂崎 あの頃の桜井は起こさないと絶対に起きなかった。
桜井 ドアを開けっぱなしで寝てて、ホテルの掃除の方に起こされたこともありましたね(笑)。明日朝早くからバス移動っていうときはブーツ履いたまま寝てました。起きてすぐに行けるように。
高見沢 それは違うよ、そのまま倒れて寝てただけだよ。(笑)
桜井 あ、そういえばブーツを脱がしていただいたことがありましたね(笑)。高見沢が部屋で曲をつくるって言うから俺と坂崎は飲みに行って、帰って来たらそのまま寝ちゃったみたいで。それを見た高見沢が、しょうがないなってブーツを脱がしてくれて。
坂崎 そんな感じでしたね、昔のツアーは(笑)。ドタバタでした。
── NHKで1986年に行った日本初の10万人コンサートの模様(『伝説のコンサート THE ALFEE 1986 東京ベイエリア』)が放送されていましたが、まさにそれくらいの時期ですか?
坂崎 そうそう。そこから10年くらいはそういう感じでしたね。
高見沢 1986年だったらまだ31とか32歳。そう考えたら、昭和~平成~令和と活動をやり続けているわけで、元号をずらして考えたら、明治~大正~昭和っていうことになりますからね(笑)。すごくない?
── そう言われるとレジェンド感が増しますね(笑)。
「今回のアルバムはアコギが結構効いてるね」(坂崎)
── 12月24日(水)にリリースされる最新アルバム『君が生きる意味』についてお聞きします。まずは、50周年の様々な活動がありつつ、アルバム制作はどのあたりからどんなふうに始まっていったのでしょうか?
高見沢 なんとなくね、50周年の活動をやりながら、そろそろアルバムをつくらないとねーなんていう言葉がまわりからちらほら聞こえ出して、曲は常につくっているので、今年に入ったあたりからまとめ始めたっていう感じですね。
── ということは、50周年の盛り上がりやそこを通過した実感というものがアルバムをつくる上でのモチベーションや方向性にかなり関係したということでしょうか?
高見沢 それは確かにありましたね。当然、お祭りっていう雰囲気もありましたし、あとは、「ああ50年やってきたんだな」っていう感慨もあるんですよね。メンバーに出会ったのは10代ですから。そこからいろんなバンドのコピーをしたり、影響を受けたりっていうのもお互いに知っていますし、さっきも話したみたいにこれだけライブをやり続けていたら、やっぱりスキルはどんどん上がっています。だからデビュー当時出来なかったことが今出来るようになってるという明らかな技術の向上と感覚があるので、今のTHE ALFEEをそのままアルバムに収めようと思いました。なかにはかなり難解な曲もありますけど。3人ともボーカルが取れるので、それぞれの個性をより活かすようにはっきりと色分けした楽曲が1枚にまとまっているっていうイメージが最初にありましたね。
── アルバムをつくる上でコンセプトを3人で共有するところからスタートするんですか?
高見沢 コンセプトはないんですよ、いつも。やっているうちにこうなってくるなっていうのがなんとなくわかってくるんですよね。だから曲次第なんですよ。アルバムの前にはシングルもリリースしていますから、そういうなかで、「こんな楽曲もいけるんだ」みたいな新たな発見があったり。今回で言うと、シングル「HEART OF RAINBOW」のカップリングで「丁寧言葉 Death!」という曲があるんですけど、デスメタル調で。
── 驚きました。
高見沢 ボーカルは坂崎で、すんなり出来たので、そこからこんなのも出来るんじゃないかっていうことでまた違うアプローチにチャレンジしてもらった曲もアルバムには入っています。それは常に曲をつくり、レコーディングをしているからこそ気がつけることであって、その歩みを止めちゃうとダメなんですよね、きっと。だからアルバムのタイトル『君が生きる意味』も、そういう曲が出来たので、じゃあこの曲をメインにしようかなっていう感じですね。
── だからこそ時代の空気をうまく取り込んだアルバムになるんでしょうね。前作の『天地創造』(2022年)がポストコロナの時代感を纏っていたように。
高見沢 今回はひと言ではなかなか言えないんですけど、例えばネットが生活に欠かせないものになってすごく便利になった反面、どうしてこんなに息苦しさを感じるんだろう?っていうのをすごく思うんですよね。どうですか? 窮屈じゃないですか?
── なんでしょうね、たしかにこのどんよりした感じは。
高見沢 そうですよね。なんか監視されているような感じというか。そのへんの感覚を自分なりに取り入れて作りましたし、今回は。そういうことも含めて3人ではよく話をしていますからね。「今血圧どのくらいあるの?」とか(笑)。
坂崎 それを本番直前に聞かないでください(笑)。もうSEが流れてるのに、「坂崎、血圧どれくらい?」って。「130くらいかな」って俺も答えなくていいのに(笑)。「桜井、γGTPいくつ?」とか。
桜井 「うん、あとでね」って。
── はははは。
坂崎 曲に関して言えば、もうその日ですよ。スタジオに入って、じゃあ聴かせてって。で、高見沢の仮歌とオケを聴いて、きっとこういう歌い方でいいんだろうなとか、こっちの路線を求めているんだろうなっていうことがわかるんですよ。その引き出しがわからないときはあらかじめ高見沢が「こういう曲なんだけど、出来るかな?」って確認してくれるので。今回のアルバムのなかで言えば、8曲目の「Dancing in Heaven」なんかはそうだったんですけど。ちょっと今までにはない感じの歌謡ロック調な曲だったので。どう?って言われて、でもまあ出来るんじゃないって。
高見沢 まわりのほうが戸惑ってたよね。
坂崎 歌入れ当日にスタジオに入ったら、ディレクターが「ちょっとわかんないですけど……」って。「何が?」って聞いたら、「今までの坂崎さんのボーカルにないパターンなので」って言うんです。でも僕にはわかるんですよ。高見沢の狙いが。だから「大丈夫だよ」って言って実際に歌入れして、終わったあとに高見沢がスタジオに来たんですけど。
高見沢 プレイバックしたらもう、OK! Good!
坂崎 「ほら! だから大丈夫って言ったでしょ。それ見たことか!」と(笑)。「丁寧言葉 Death!」もそんな感じでしたね。「ライブっぽくやったほうがいいんだよね」「そう、それそれ」って。
── 桜井さんも同じような感じなんですか?
桜井 自分では自分の良さっていうのがよくわからないんですよ。
高見沢 確かにわかってないね、この人は。桜井の良さはものすごく艶のある声なんですが、ある音階の音が個人的にものすごく好きなんです。
桜井 そうなの?
──(笑)。
桜井 だからつくった側からすればこっちの良さをこういうふうに活かして、みたいな狙いがきっちりあるんですけど、そもそも自分の良さをわかってないですからね。
高見沢 だから桜井の場合は、一度歌ってもらって、それで確認してその日は終わりにして、次にもう一度やってもらう。それでビシッと入っちゃったら最強ですから。
── この3人の関係値と言いますか、経験値と言いますか、ほかのどこのバンドにもないものがありますね。
坂崎 そうなんですよ。だいたい、3人で歌うっていうスタイルも今やないですよね。昔はいたんですけどね。
高見沢 CSN&Yとかね。ガロもそうだよね。
坂崎 そうだね。昔は3人組ってなると当たり前のように3人が歌ってたんですよ。
高見沢 僕らがデビューした頃はね。
── 3人の声のブレンド具合というのは時代とともに変化、進化をしていったと思うのですが、そのあたりはいかがですか?
高見沢 THE ALFEEの基本的なパターンがあって、3声のコーラスだと真ん中に桜井がいて、上に俺がいて、下に坂崎がいる――これが黄金比というか、僕らにとっての一番いいパターンなんですよ。ここは変わってないですね。やっぱり3人の声がある部分で似ているというのがあるんでしょうね。
桜井 昔はもっと似てたんだけど、おまえがいろんな歌を歌わせるから変わってきちゃったんだよ(笑)。元々アート・ガーファンクル目指していたのに、ハードロックな曲を歌わせるから。まあ、それによっていろいろと鍛えられましたけどね(笑)。
── 音楽的なアプローチに関しても高見沢さんが主導で様々なチャレンジが行われるわけですか?
高見沢 僕が曲をつくっているということもありますけど、3人歌えて個性が3つあるというのは創作意欲をかきたてられます。アコギに関しては坂崎にアドバイスをもらうことも多々あります。今回使ったMartin、めちゃくちゃいい音してたね。
桜井 あれはいい音だよね。
坂崎 意外と弾いてるときはそこまで思わなかったんだけど、今回のアルバムはアコギが結構効いてるね。
高見沢&桜井 効いてる!
高見沢 「君が生きる意味」のアルペジオとかね。あと「Dancing in Heaven」もそうだよな。
坂崎 あれは12弦を使っているんですけど、加藤和彦さんがザ・フォーク・クルセダーズ時代に手に入れて、ライブとかレコーディングで実際に使ってたやつなんですよ。それが高石ともやさんに渡って、次に杉田二郎さんの元に行って、ずっと持っていらしたんですけど、あるタイミングでギターの断捨離をして知り合いの楽器屋さんに引き取ってもらったんですって。それが僕も知っている楽器屋さんで、そこから僕に連絡があったんです。「最初に加藤さんが使ってたEpiphoneがありますけど」って。
高見沢 それは買わなきゃダメだよね。
坂崎 そう。そしたら二郎さんが喜んでくれて。そのギターを初めてレコーディングで使ったんですよ。それが思いのほかいい音で。
── そうした音を楽しめるというのもスタジオアルバムならではですよね。
坂崎 そうですね。あとの曲はだいたい、1968年のMartin D-45を使っています。
高見沢 あれはいいよ。
── ちなみに、ギターのお話になったので、アルバム5曲目に収められている「12Fretの躍動」についてお聞きします。どうして「12Fret」だったのでしょうか?
高見沢 音で言うとEですよね。僕がコピーしてきたロック――たとえばレッド・ツェッペリンの「コミュニケイション・ブレイクダウン」とか「胸いっぱいの愛を」とか全部Eなんですよ。それで、ギタリストって12Fretを使うことが多いんです。歌詞のなかにも〈燃える飛行船〉という言葉を使っていますけど、高校生のときにツェッペリンを武道館で初めて観て、無気力だった学校生活がパッと変わった瞬間があったんですよね。初めて海外のロックバンドを観たのがそのときのツェッペリンでしたから。そういった心の躍動感って言うんですか、それを12Fretというものに象徴させて歌にしてみました。
── めちゃくちゃ深読みなんですけど、12Fretは開放のオクターブ上に当たるので、変わったけど変わらない、そしてさらにその先に続くという意味もあるのかなと思いました。
高見沢 それいただきましょう(笑)。
坂崎 いいインタビューですね(笑)。
高見沢 確かにそのとおりですね。
── 歌詞はまさにあの頃の自分たちが描かれている内容になっていますね。
高見沢 そうですね。デビューした1974年って、僕らはまだ大学2年生だったんですよね。
── 結成して翌年がデビューですもんね。
高見沢 ふたりは高校のときからやっていましたからね。
坂崎 大学に入ったらデビューしようっていう話になっていたんですよ。
高見沢 らしいです。
坂崎 でもまあ、そんなに期待してはいなかったんですどね。だけど、それなりにコミュニケーションをとっているうちに、そろそろ本格的にデビューに向けてっていうタイミングで新しく高見沢が入って、それでレコード会社の人に紹介したら、「高見沢くん、ルックスがいいねー」なんて(笑)。
高見沢 歌も聴いたことないのに。
坂崎 グループサウンズの夢よ、もう一度という感じなのかな、当時のレコード会社の皆さんからすれば。GSが下火になってまだ4、5年くらいだったし、またバンドブームをつくりたかったんだと思います。まさにそこからフォーク系のバンドブームにはなるんですけどね。だって僕らのデビューした1974年だけでも何百組ってバンドが出ましたから。
── え、そんなに!
坂崎 ガロ、チューリップが僕らのデビューより3、4年前くらい。で、オフコースもいたし、かぐや姫とかアリスも出てきたしっていうところで、若手のバンドをっていう青田買いに僕たちが引っかかったんじゃないですかね。
高見沢 毎月いっぱいいろんなバンドがデビューしてたよね。
坂崎 しかもみんなおんなじような感じで(笑)。ひとりメガネで、ひとり男前がいてっていう。髭はいなかったけどね、あんまり(笑)。
── でもそうした何百組のなかで今も残っているのはTHE ALFEEだけなんじゃないですか?
桜井 そうなりますね。300くらい出てたから、1年に。
坂崎 バンドを解散して個人でサポートミュージシャンをやったり裏方に回ったりっていう方はたくさんいるでしょうけど、バンドで残っているのはないですね。
高見沢 そうだね。
坂崎 でもね、不思議というか何というか、みんな上手かったんですよね。僕らが一番ヘボかったから。
高見沢 ほかのバンド見て感心してたもんな(笑)。いい曲だなー、上手いなーって。
── それで残ったのがTHE ALFEEだったっていうのは、いったい何なんでしょうね。
高見沢 先輩たちに恵まれていたというのはあるかもしれないですよね。かまやつひろしさんや研ナオコさん、いろんな先輩のバックをやらせていただいたことで自分たちのステージングに後々役に立つことがたくさんありましたから。
坂崎 あとは同じ3人組だったガロの大野真澄さんからのアドバイスとかね。やっぱり3人組の良さも難しさもいろいろ知っているから。
「今までで一番自信を持ってお届け出来るアルバムだって言えますね」(桜井)
── 自分たちの音楽ってこういうことなんじゃないかってぼんやりにでもわかり始めたのはどれくらいの時期だったんですか?
高見沢 ビクターからデビューして3枚目のシングルが発売中止になって、そこからオリジナルの曲をつくるようになり、ポニーキャニオンに移籍して。しばらくアコースティックをやっていたときに、少しずつお客さんが増えてきて――あれは学園祭だったかな――アコギでやってるのにある瞬間、オーディエンスが総立ちになって前に押し寄せてくるっていうことがあったんですよ。「え! これ何?」みたいな。それからですね、自分たちの音楽って人をこんなふうに、ある意味熱狂させる要素があるのかなって思い始めたのは。ちょうどそれくらいの時期にエレアコが発売されて、アコギに比べて断然動きが自由になったんですよね。で、僕はエレアコにフォーク弦じゃなくてエレキ弦を張ってエフェクターをつないで(笑)。
坂崎 コーラス(※エフェクターの種類)だったらわかるよ、エレアコだから。でもディストーションで思いっきり歪ませてるんだから(笑)。
高見沢 だったらエレキ弾けばって言われて(笑)。
桜井 まだアコースティックでツアーをまわっている頃、コンサートが終わって打ち上げの二次会用にエレキ持ってきてるんだから。コンサートでアコギ弾いて、終わってから打ち上げでエレキ弾きまくってるって何なんだよ!って(笑)。そっちが本当にやりたいことだったっていう。
高見沢 ということで、お客さんが熱狂するようになって、それに対応する楽曲をつくるようになったんですよ。
坂崎 そのへんから変わってきたよね。
高見沢 坂崎がドラム叩いてたこともあったもんね。俺がエレキ弾いて。今考えたらすごいね。3ピースのビートバンドみたいでさ(笑)。
桜井 クリームとは言わないんだ(笑)。
高見沢 それは言えない。そこまで上手くなかったから(笑)。だからそうやってライブによって気づかされることがあって、音楽性も変わっていったっていうところはありますよね。
坂崎 だから高見沢がエレキを弾くようになってさ、そうなるとエレキ、アコギ、ベースだけじゃ対応できないので、82年からパーソナルなメンバーを入れてライブをやることになるんです。
高見沢 だいたい基本は5人だよね。
坂崎 それまでもレコードでは、井上鑑さんにアレンジしてもらった楽曲ではガッチリしたサウンドでやっているんだけど、ライブになったらそれを3人でやらないといけないっていう。そういう矛盾みたいなものも出てきてはいたんだよね。
桜井 だってあれは無理があったよ(笑)。
高見沢 でもあれをアコースティックの3人編成で再現するというのも勉強にはなりましたね。
坂崎 そこを経て自分たちのメンバーを加えるようになってからは、アレンジも自分たちでするようになっていくんですよ。そこからはあんまり変わってないかもしれないですね、基本的にはね。
── 80年代に入った空気というものと、バンドの変化がマッチしたというのもあったんでしょうね。
坂崎 時代の風みたいなものが多少、僕らに有利に働いたのかもしれませんね。
高見沢 あとやっぱり80年に入って坂崎が『オールナイトニッポン』を始めたのも大きかったよ。
桜井 うん。あれは大きかったね。
── 今回のアルバムは、その頃のモードというか、ある意味での若さみたいなものが曲やサウンドから感じられるように思いました。
高見沢 パッションって年齢じゃないんですよね。とにかく続けること。それに尽きる。僕らの場合ライブをずっと続けて来たことが大きいと思います。今回、文化長官特別表彰を頂いたのも、あきらめずライブをやり続けてきた結果だと思いますので。ライブをやればやるほど僕は曲が作れるし、スキルも上がるから、難易度の高い楽曲も生まれます。とは言え2曲目の「孤独の太陽」はやりすぎちゃったかな(笑)。これ、ライブどうしようって思っていますよ。
坂崎 難関のトップに入るくらいの曲です。
高見沢 うーん、大変だなー(笑)。
──(笑)。今だからこそ出来るという意味では歌詞もそうですよね。
高見沢 そうですね。やっぱり小説を書き出してから言葉の選び方が変わってきたという部分は大きいですね。歌詞を書くのと小説を書くのとではまったく違うんですけど、歌詞を書くときに小説を書く感覚で書けるようになって、逆に小説は歌詞を書くように書けるようになったんですよ。
── 相互作用しているんですね。とくに「君が生きる意味」は言葉を中心として曲が成り立っている印象を受けました。
高見沢 あの曲は歌詞をまずはある程度つくりあげてから仕上げていった曲なので。あの曲こそ僕らがやってきたアコースティックな世界観を具現化している楽曲なんじゃないかなと思います。
── アルバムを通して、歌詞ではきちんと正面から理想を描いているところが素晴らしいなと思いました。理想を描くのって、若い頃にそれをやれば嘘くさく聞こえますよね、どうしても。
高見沢 たしかにそうですよね。だからそこも今だからこそ出来るっていうことなんでしょうね。
── それが出来るというのは、THE ALFEEが一度も止まらずに活動を続けているからなのだと改めてお話を伺って思いました。
桜井 今までで一番自信を持ってお届け出来るアルバムだって言えますね。レコーディングで歌い終わって、これ本当にライブでやるのか?って確認したくらいすごい曲が入ってました(笑)。
坂崎 進化が止まらない1枚になりましたね。
高見沢 年齢に関係なく、今やりたいことを素直に表現したアルバムになりました。少しでもやりたいことがあるなら、年齢に関係なく今直ぐ始めるって選択は時には必要ですよね。
<リリース情報>
『君が生きる意味』
12月24日(水) リリース
●通常盤【1CD】3,300円(税込)
●初回限定盤A【CD+Blu-ray】4,950円(税込)
●初回限定盤B【2CD】4,950円(税込)
●初回限定盤C【3CD】5,500円(税込)
通常盤
◼︎CD 収録内容 ※全形態共通
01. 月光譚 - Moonlight Rhapsody -
02. 孤独の太陽
03. 君が生きる意味
04. 疾風怒濤 - Mind Riot -
05. 12Fretの躍動
06. 丁寧言葉Death ! (album mix)
07. KO. DA. MA.
08. Dancing in Heaven
09. 鋼の騎士 Q
10. Be Alive
11. HEART OF RAINBOW (album mix)
初回限定盤A
■Special Blu-ray:MV COLLECTION ※初回限定盤Aに収録
・KO. DA. MA.
・ロマンスが舞い降りて来た夜
・HEART OF RAINBOW
初回限定盤B
■Special CD:『2024_08_25 Live!』 ※初回限定盤Bに収録
THE ALFEE & Alfee Premium Orchestra
1. 木星(組曲「惑星」より)~星空のディスタンス
2. 夏しぐれ
3. 組曲: 時の方舟
4. ヴァルキューレの騎行~ジェネレーション・ダイナマイト
5. FLOWER REVOLUTION
初回限定盤C
■Special CD:風の時代・春 From The Beginning @NHK HALL(2024.5.26)※初回限定盤C
DISC1
1. 悲劇受胎(50th Anniversary Ver.)
2. FLOWER REVOLUTION
3. Final Wars !
4. シンデレラは眠れない
5. この素晴らしき愛のために(2023Mix)
6. 星空のディスタンス
7. My Life Goes On
8. COMPLEX BLUE -愛だけ哀しすぎて-
9. 生きよう
DISC2
1. 運命の轍 宿命の扉
2. GATE OF HEAVEN
3. 天地創造
4. LAST STAGE 2024
5. CRASH !
6. SWEAT & TEARS
7. 鋼鉄の巨人(50th Anniversary Ver.)
8. 明日なき暴走の果てに
9. ロマンスが舞い降りて来た夜
⚫︎初回プレス分封入特典
・フォトカード(形態別・全4種類)
・『君が生きる意味』リリース記念トークイベント応募抽選用シリアルナンバーチラシ(4形態共通)
※2026年2月28日(土)、東京都内某所で実施するCD購入者限定のメンバー出演トークイベントに抽選で900名を招待
※応募には、1応募につきシリアルナンバーが2つ必要になります。
※イベント会場・実施時間などの詳細は当選者様のみにご案内いたします。
抽選受付期間
2025年12月23日(火) 10:00~2026年1月13日(火) 20:59まで
※トークイベントの応募方法など詳細は下記UNIVERSAL MUSICのTHE ALFEE公式サイトのニュースおよび、商品に封入されているチラシをご覧ください。
THE ALFEE オフィシャルサイト
https://www.alfee.com/

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