
9月6日(土)より東京・国立映画アーカイブにて開催される『第47回ぴあフィルムフェスティバル2025』(以下、PFF)より、ヌーベルバーグ特集のセレクターのコメントが公開された。
本年の映画祭は「ヌーベルバーグ」をキーワードに、特集企画を5つ展開。
全17作品を上映するヌーベルバーグ特集では、ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、ジャック・リヴェットなど、現在は古典となった歴史的名作を「映画史的ヌーベルバーグの代表作」、李相日監督、山中瑶子監督、仲野太賀ら全8名のセレクターたちの極私的な「新しい」体験となった作品を「私のヌーベルバーグ作品」と題し、2つの柱で企画展開する。
8名のセレクターが最も刺激を受け、自身にとってのヌーベルバーグ体験となった作品のセレクト理由は、映画祭来場者プレゼントの公式カタログに全文掲載。今回は、各人の"告白"の一部分を抜粋する。
<「私のヌーベルバーグ作品」8名のセレクト作品とコメント>(※敬称略/50音順)
■大島依提亜(グラフィックデザイナー)

(C)2019 A24 DISTRIBUTION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
セレクト作品:『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』監督:ジョー・タルボット/2019年
ある“終わり”についての物語でありながら、これからの映画の“はじまり”を予感させる傑作。
■仲野太賀(俳優)

(C)ビターズ・エンド
セレクト作品:『リアリズムの宿』監督:山下敦弘/2003年
自由で、オフビートで、映画に充満する匂い立つ“何か”の虜になってしまいました。
■秦早穗子(エッセイスト)

(C)1944 松竹株式会社
セレクト作品:『陸軍』 監督:木下惠介/1944年
ヌーヴェル・ヴァーグとは、私にとっては、ひとり、ひとりの、時代の記憶であり、見抜かんとする自分自身の目である。
■ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

(C)1984 CINESTHESIA PRODUCTIONS INC. New York All Rights Reserved
セレクト作品:『ストレンジャー・ザン・パラダイス』監督:ジム・ジャームッシュ/1984年
ラジカセで流れる「I Put A Spell On You」の衝撃ったら一生忘れませんね。
■山下敦弘(映画監督)

(C)Sputnik Oy
セレクト作品:『真夜中の虹』監督:アキ・カウリスマキ/1988年
複雑な撮影やカット割り、計算された音楽設計などしなくても、こんなにも豊かな映画を作ることが出来るということに、たぶん勇気をもらえたんだと思う。
■山中瑶子(映画監督)

セレクト作品:『人魚伝説』監督:池田敏春/1984年
ずっとスクリーンで観たかった映画として外せませんでした。
■吉田大八(映画監督)

セレクト作品:『爆裂都市 BURST CITY』監督:石井聰亙(岳龍)/1982年
『爆裂都市』に触発された勢いで『爆裂家族』というまんまのタイトルで短編を撮ってみたら案外褒められて、いろいろ勘違いした。
■李相日(映画監督)

(C)1993 Tomson(Hong Kong)Films Co.,Ltd.

(C)1979 松竹株式会社/株式会社 今村プロダクション
セレクト作品:
『さらば、わが愛/覇王別姫 4K』監督:陳凱歌(チェン・カイコー)/1993年
『復讐するは我にあり』監督:今村昌平/1979年
平和ボケを享受して生きてきた自分の脳天に杭を打たれた忘れ難き映画体験です。
<開催情報>
『第47回ぴあフィルムフェスティバル2025』
日程:9月6日(土)~20日(土)
会場:国立映画アーカイブ ※月曜休館
公式サイト:
https://pff.jp/47th/