『日本画アヴァンギャルド』京都市京セラ美術館で 伝統的な日本画の革新を試みた戦後京都の「前衛」の足跡
大野俶嵩《緋 No.24》1964年、京都市美術館蔵 通期展示

2026年2月7日(土)より、京都市京セラ美術館で特別展『日本画アヴァンギャルドKYOTO 1948-1970』が開催される。第二次大戦後、京都で生まれた日本画の反骨的創造運動を「日本画アヴァンギャルド」と総称して紹介する展覧会だ。



近代日本画を牽引する文化的中心地のひとつとして、多くの優れた日本画家を輩出してきた京都。しかし戦後の京都画壇では、旧体制への反省や、既存の権威または制度への反発から、伝統文化としての日本画への批判の声が高まり、同時に気鋭の若手作家を中心に、継承と革新を模索して前へ進もうとする「前衛日本画」の運動が盛り上がった。



『日本画アヴァンギャルド』京都市京セラ美術館で 伝統的な日本画の革新を試みた戦後京都の「前衛」の足跡

向井久万《浮游》1950年、泉佐野市立歴史館いずみさの蔵(泉佐野市指定文化財) 前期展示

その流れの中で生まれた主な美術団体が、創造美術、パンリアル美術協会、ケラ美術協会の3つだ。今も創画会として存続する創造美術は、世界性に立脚する日本絵画の創造を標榜し、東京と京都の意欲的な日本画家が呼応して結成された在野団体。京都側の創立委員には上村松篁や秋野不矩、向井久万らが名を連ねた。2020年に解散したパンリアル美術協会は、三上誠や山崎隆ら京都市立絵画(美術)専門学校日本画科の卒業生が中心となって結成。社会の現実を反映させながら、抽象表現や先端的な西洋美術を取り入れて日本画の再起を目指した。



『日本画アヴァンギャルド』京都市京セラ美術館で 伝統的な日本画の革新を試みた戦後京都の「前衛」の足跡

三上誠《灸点万華鏡1》1966年、福井県立美術館蔵 後期展示

ケラ美術協会は、岩田重義や楠田信吾ら京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)日本画科出身の若手画家らが1959年に結成し、64年に解散した前衛団体。ラテン語で「細胞」や「単位」を意味する「ケラ(Cella)」を冠する団体名には、「細胞が分裂し、拡大するように、この運動があらゆる人たちに賛同される」という願いが込められている。日本画の顔料だけでなく、ビニール塗料やペンキ、漆、石膏、布、ムシロ、石などあらゆる素材を使用し、「日本画」の概念にとらわれず、「真に創造的な絵画」を生み出した。



『日本画アヴァンギャルド』京都市京セラ美術館で 伝統的な日本画の革新を試みた戦後京都の「前衛」の足跡

岩田重義《Work-139》1963年、京都国立近代美術館蔵 3/24~5/6展示

同展では、これら団体で活躍した日本画家30名以上の作品を、戦後復興期の京都の社会状況を示す資料などと併せて紹介する。日本画といえば、美人や花鳥風月を破綻なく描いた伝統的な絵画をイメージしがちだが、自由で挑戦的な彼らの表現は、従来の日本画のイメージをことごとく打ち破ってくれるに違いない。



<開催情報>
特別展『日本画アヴァンギャルド KYOTO 1948-1970』



会期:2026年2月7日(土)~5月6日(水・休) ※会期中一部に展示替えあり
前期:2月7日(土)~3月1日(日)、中期:3月3日(火)~4月5日(日)、後期:4月7日(火)~5月6日(水・休)
会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
時間:10:00~18:00(※⼊場は~17:30)
休館日:月曜(※祝日の場合は開館)
料金:一般1,800円、大学・専門学校生・高校生1,300円、中学生以下無料
公式サイト:
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20260207-20260506

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