『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025』コンペティション部門、石川慶監督が審査委員長に就任
『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025(第22回)』ラインナップ発表会より

デジタルシネマにフォーカスし、映像表現の可能性とエンタテインメント性を備えた作品を世界中から厳選し上映する『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025(第22回)』のラインナップ発表会見が6月26日、都内で行われた。今年は、国際コンペティションは実施せず、日本作品を対象としてコンペティション部門を実施。

応募作271本から、厳正な審査の結果、13本がノミネートされた。



コンペティション部門の審査委員長は、『ある男』が第46回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む最多8冠を飾り、先日開催された第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に『遠い山なみの光』がノミネートされた石川慶監督が務めることになり、会見に出席した。



『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025』コンペティション部門、石川慶監督が審査委員長に就任

石川慶監督

ポーランド国立映画大学で演出を学び、帰国後の2009年には『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭』に短編を出品した縁も。「白石和彌監督をはじめ、当時出会った仲間たちとの横のつながりは、今も大きな財産。我々、映画監督にとって、サポートしてくれる映画祭の存在は大きかったと実感している」と振り返った。



『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025』コンペティション部門、石川慶監督が審査委員長に就任

審査委員長を務めることについては、「審査される側も経験しているので、そう思うと、あまりやりたくないなという気持ちもあった」としながら、「今の若い人たちが何を考え、映画を作っているのか。若い人たちの映画がどこに向かっているのか。現場にいると接することができないので、審査とか若手育成ではなく、自分自身が刺激を受けて、新しい才能に出会いたいなと思った」と、大役を引き受けた理由を説明。「皆さんの映画を観ること。若いフィルムメーカーに出会うことが楽しみ」と期待を寄せていた。



『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025』コンペティション部門、石川慶監督が審査委員長に就任

なお、コンペティション部門の審査は、早川千絵監督『PLAN 75』『ルノワール』のプロデューサーとして知られる水野詠子、ロッテルダム国際映画祭プログラマーであるクーン・デ・ローイが務めることが明らかになった。



『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025(第22回)』では、コンペティション部門の他に、埼玉県のSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザの若手映像クリエイター支援事業として製作された『ディッシュアップ』(池本陽海監督)を世界初上映。

特集「商業映画監督への道」では、石川監督の長編デビュー作『愚行録』が特別上映される。



加えて、海外招待作品4作品、SKIPシティセレクションとして『ゴジラ-1.0』『ルックバック』など5作品、関連企画「AI映画の現在」「武蔵野美術大学映像学科作品上映」など、多彩なプログラムが登場。企画展「デジタルネイティブが視る映像のカタチ」では、縦型映画、AI、XR(クロスリアリティ)、ソニーの最新8Kカメラ「VENICE2」といった最先端テクノロジーを通じて、デジタル技術がもたらす新たな可能性を探求する。



会見には土川勉(映画祭ディレクター)が同席。コメントを寄せた。



『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025』コンペティション部門、石川慶監督が審査委員長に就任

「今年も22回目を迎えるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025を開催いたします。近年、映像視聴の多様化を受け、映画祭の在り方を再考する選択をし、21年間続いた国際コンペティションの開催を見送りました。



国際コンペティションが日本のクリエイターにとって大きな財産であったと認識しており、この見送りに対し多くのクリエイターの皆さんから貴重な、かつ厳しいご意見を頂載しました。皆様の熱い思いを痛感しております。



しかしながら、本年の映画祭はこの多様化に対応すべく、国内クリエイターの発掘・育成を中心としたコンペティションに再編成しました。多目的ホールを中心に、若者たちに人気の縦型映画の上映やフルAIで制作した映画、XR映画など、最新技術を駆使した先進的な企画を展開します。



皆さん、今年も川口市に来て映画祭をお楽しみください。

最後になりますが、今年2月、本映画祭第1回から運営に携わってくださった国弘よう子さんが急逝されました。ここに深く哀悼の意を表します」



取材・文=内田涼



<イベント情報>
『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025(第22回)』



開催時期:2025年7月18日(金)~26日(土)
会場:埼玉・SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ映像ホール ほか



公式サイト:
https://www.skipcity-dcf.jp/

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