
2007年に公開されたアイルランド映画『ONCE ダブリンの街角で』を原作に、初の日本カンパニーによる上演となるミュージカル『Once』が本日9月9日(火)から、東京・日生劇場で開幕。主演を務める京本大我をはじめ、共演するsara、鶴見辰吾、斉藤由貴、稲葉賀恵(演出)が意気込みを語った。
物語の舞台は、アイルランドの首都ダブリン。失恋を機にミュージシャンの道をあきらめようとする“ガイ”と、音楽を通して出会ったチェコ移民の“ガール”、そしてダブリンで暮らす個性豊かな人々との交流を切なくも優しいまなざしで描く。
過去にはブロードウェイ版がトニー賞に輝き、来日公演も行われているが、今回は新たな演出での上演で、稲葉は「日本版としてゼロから皆さんで作りこんだ。まったく違う演出ですが、音楽の多面的な素晴らしさを伝えるために、皆さんと頑張ってきた」と自信を示す。

ミュージカル『Once』囲み取材より 左から)稲葉賀恵(演出)、斉藤由貴、京本大我、sara、鶴見辰吾
京本は、5月に行われた韓国公演にも足を運んだといい「映画やブロードウェイ版の印象が強かったので、稲葉さんの斬新なプランを聞いたときは、どんな『Once』になるんだろうと高揚した。それが稽古で具現化され、こちらとしても新解釈に自信がついた」と、開幕が待ちきれない様子。「稲葉さんが細部までこだわった演出をされていて、見どころがたくさん」とアピールした。

京本大我
主人公のガイを演じるために、半年以上をかけてギターの演奏を猛練習。それ以前から、独学でギターに親しんでいたが「いただいた楽譜の難易度が高くて。プロのギタリストさんや、ミュージシャンの方にお願いしたほうがいいんじゃないかと思うほど、レベルの高い曲もあり、心が折れかけたことも」と苦労を回想。練習期間中は、SixTONESのメンバーにもギター演奏を聴いてもらったそうで「どんな反応をしてくれるかなって。うるさかったかもしれませんが(笑)」と楽屋での様子も話していた。
弾き語りからバンド形式まで、演奏方法もさまざまで「緊張感はあるんですけど、『難しそうだな』って思われたら負けなので、ここまで頑張ってきた自分と皆さんを信じて、大好きな『Once』の物語と楽曲、メッセージを届けられたら」と意気込んだ。

そんな京本について、稲葉は「アーティストとしてかなり面白い、刺激的な人」と評し、「自分自身と戦っているし、世界に対して挑発しながら、もがいている。そういう人じゃないと物作りはできないし、一緒に物作りするのはワクワクする。行けるところまで行ける信頼感があった」とコラボレーションに確かな手応えを示した。
ガール役のsaraは「セリフも物語も鮮やかで、人生のいろんなことが凝縮されている。それを表現するために、無我夢中でひたすら走ってきた感覚がある」と振り返り、観客の反応にも期待を寄せる。

sara

ガイの父親・ダを演じる鶴見は「味わったことのない余韻を持ち帰っていただけるはず」とアピールし、ガールの母親バルシュカ役を務める斉藤は「京本さんのギター、saraさんの声に圧倒される。ものすごく素晴らしい作品だと断言したい」と誇らしげだった。

鶴見辰吾

斉藤由貴
東京・日生劇場での上演後、2025年10月4日(土)・5日(日) に愛知・御園座、10月11日(土) から14日(火) に大阪・梅田芸術劇場メインホール、10月20日(月) から26日(日) に福岡・博多座で上演される予定だ。
取材・文・撮影 内田涼
<公演情報>
ミュージカル『Once』
脚本:エンダ・ウォルシュ
音楽・歌詞:グレン・ハンサード/マルケタ・イルグロヴァ
原作:ジョン・カーニー(映画『ONCE ダブリンの街角で』脚本・監督)
翻訳・訳詞:一川華
演出:稲葉賀恵
出演:
京本大我
sara
小柳友 上口耕平 こがけん(けがのため当面休演) 竪山隼太/榎木淳弥(Wキャスト) 佐藤貴史 土井ケイト 青山美郷 新井海人
鶴見辰吾
斉藤由貴
【東京公演】
2025年9月9日(火)~28日(日)
会場:日生劇場
【愛知公演】
2025年10月4日(土)・5日(日)
会場:御園座
【大阪公演】
2025年10月11日(土)~14日(火)
会場:梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】
2025年10月20日(月)~26日(日)
会場:博多座
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/once2025/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2560764&afid=P66)
公式サイト:
https://www.tohostage.com/once/