こたけ正義感「誰もが被害者にも加害者にもなり得る」“SNS炎上”描いた『俺ではない炎上』試写会に登場
『俺ではない炎上』トークショー付き試写会より 撮影:内田涼

阿部寛主演の映画『俺ではない炎上』トークショー付き試写会が9月19日、都内で開催され、現役弁護士でお笑い芸人のこたけ正義感が登壇し、劇中に描かれる“SNS炎上”について、弁護士の視点から考察やアドバイスを行った。



36回山本周五郎賞候補にもなった浅倉秋成の小説を、山田篤宏監督が実写映画化した本作。

“大手企業のごく普通の営業部長”である山縣泰介(阿部)が、突如SNSで個人情報をさらされ、殺人犯として追われることになる逃亡劇を描く。



こたけ正義感は、「こういう炎上や冤罪は、確かに起こるなという怖さがあった。後半は、グッとエンタメになって面白かったですね。小学生に見せても、教育的な意味がある映画」と作品に対して好意的な意見。「SNS炎上は、誰もが被害者にも加害者にもなり得る」と指摘し、「世の中の誹謗中傷は、だいたい正義感のもとに行われていますもんね。自分が正義だと思ってしまい、炎上の一端を担ってしまう」と、その理由を説明した。



こたけ正義感「誰もが被害者にも加害者にもなり得る」“SNS炎上”描いた『俺ではない炎上』試写会に登場

(左より)筒井竜平、こたけ正義感

また、SNSでのリポスト(劇中ではリツイート)について、「リツイートしただけで名誉棄損になって敗訴する事例もある。意見が分かれるところですが、法的な責任を負うこともあります」と解説。「真偽不明な情報やフェイクニュースを安易にリツイートすると大変なことになる。社会的メッセージを感じました」と話していた。



こたけ正義感「誰もが被害者にも加害者にもなり得る」“SNS炎上”描いた『俺ではない炎上』試写会に登場

ただ「SNS炎上に巻き込まれ、被害者になってしまうのを防ぐのは難しい」とも語り、「もしかすると、主人公の山縣さんは、弁解する場所としてSNSのアカウントを持っていたほうが良かったかも」と分析。劇中、阿部が演じる主人公・山縣が焦って迷走する姿には、「ぜひ、最初に弁護士に相談してもらえれば!」と警鐘を鳴らした。



こたけ正義感「誰もが被害者にも加害者にもなり得る」“SNS炎上”描いた『俺ではない炎上』試写会に登場

トークショー付き試写会には、プロデューサーの筒井竜平が同席。「時代性、テーマ性もあるが、逃走劇としてサスペンス要素や“おかしみ”もあり、映画化にチャレンジしたいと思わせてくれる魅力が多くあった」と原作の魅力を語っていた。



こたけ正義感「誰もが被害者にも加害者にもなり得る」“SNS炎上”描いた『俺ではない炎上』試写会に登場

取材・文:内田涼



<作品情報>
『俺ではない炎上』



9月26日(金)公開



公式サイト:
https://movies.shochiku.co.jp/oredehanai-enjo

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