
竹生企画第四弾『マイクロバスと安定』が、11月に本多劇場(その後、兵庫・広島・熊本・盛岡・久慈・青森・長岡公演あり)で上演される。「竹生企画」とは、俳優の竹中直人と生瀬勝久による演劇ユニットで、倉持裕を劇作・演出に迎えて2011年に始動し、今回は2018年以来7年ぶりの新作公演となる。小惑星の衝突によって世界が滅亡するまであと3年という世界で、それでもいつもどおりに生きる人々を描いた本作に出演する戸塚純貴に意気込みを聞いた。
このおふたりを前にして何ができるのか

──本作への出演オファーが来た時の気持ちを教えてください。
生瀬さんには公私ともに大変お世話になっていて、尊敬している役者の先輩である生瀬さんと共に演劇を作るというのは、僕の中ですごく大きいことだな、という思いが強かったです。しかも竹生企画という、演劇界を築き上げてきた竹中さんと生瀬さんのユニットに参加させていただけるということで、とても身の引き締まる思いがしますし、このおふたりを前にして自分にはいったい何ができるのか、と楽しみな気持ちになりました。
──戸塚さんは、竹中さんと生瀬さんそれぞれと共演経験がおありですが、印象をお聞かせください。
生瀬さんは、撮影前に準備して来た以上のものを、現場に応じて新たに生み出す引き出しを多く持っている役者さんだな、という印象です。その引き出しの多さは、これまでの豊富な経験に裏打ちされたものでもありますし、芝居をするときに個人プレーではなく、周りも巻き込む力がある方なので、そこはものすごく勉強になりました。あと、生瀬さんは僕のことを「昔の自分と似ている」と言ってくださっていて。確かに昔の生瀬さんのお写真を見ると、表情の作り方とか佇まいとか、どことなく僕と似ているんですよ。何か重なるものがあるのかな、と勝手に思っています。

竹中さんは、いい意味で壊してくださるといいますか(笑)、でもそれが必ず面白い方向に繋がっていくんですよね。「次に何をやるんだろう」と思わず期待してしまう、そんな魅力にあふれている方だなと思いました。
──倉持さんとご一緒するのは今回が初めてですね。
シソンヌのじろうさんが、倉持さんが脚本で参加されているコント番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK)に出演されているのですが、いきなり「倉持さんに“戸塚がめちゃめちゃすごい”って伝えておいたから、恥かかせんなよ」ってプレッシャーをかけてきたんですよ。じろうさんは全然この舞台と関係ない人なのに勝手なことしないでくださいよ、と思いました(笑)。
嫌なことがあったらステーキを食べに行きます(笑)
──ちょっと不思議な公演タイトルですが、どういう印象をお持ちですか。
いやもう「何言ってるんだろう」というか(笑)、どういう意味なんだろうな、と思いました。バスの中でもマイクロバスという、絶妙なチョイスがいいですよね。ビジュアルも“偽物の家族”みたいな雰囲気があって、タイトルとも相まって「繋がっているけど繋がっていない」みたいな印象を持ちました。

──どんな稽古場になりそうでしょうか。
どうなんでしょうね。噂では、生瀬さんはあまり長時間稽古をするのがお好きではないと。でも竹中さんは稽古が大好きなんですよね。ちゃんと時間通りに終わりたい生瀬さんと、「いやいや、もうちょっと」という竹中さんがいて、という感じなんですかね。そんな正反対なおふたりだからこそ、ユニットを組んでいる意味もあるのだろうし、そんな中に自分が入っていくのがすごく楽しみです。「服を脱げ」と言う竹中さんと、「服はちゃんと着なさい」と言う生瀬さん、みたいな……こんな表現で合ってるのか分からないですけど(笑)、それくらい両極端なふたりに存分に振り回されたいな、と思っています。
──この作品では、昔のわだかまりを引きずっているふたりを竹中さんと生瀬さんが演じますが、戸塚さんご自身は昔のことを引きずるタイプですか。
全く引きずらないですね。すぐに忘れて、なかったことにしています。
──それは意図的にそうしているのか、それとも元々の性格なのか。
性格的なものだと思います。昔からそうですし、すべてにおいてそんな感じです。僕は飽きっぽくて、面白くないとか続けてもしょうがないと思うことはすぐにやめてしまいます。それと一緒で、嫌なことを引きずっていてもしょうがないな、という感じです。解決できることには全力で向き合いますが、解決しようがないことは「もう忘れてご飯食べよう」ってなります(笑)。
──嫌なことは食べて忘れるタイプですか。

食べることが好きなんです。空腹の時って、イライラしたり、悪い方に考えたりしがちで、よくないなぁ、と思います。でも、ご飯を食べてお腹いっぱいになった時には、嫌なことを忘れていたり、「そんな大したことないか」と思えたりしませんか? 僕は特にステーキが好きで、疲れたり嫌なことがあったりしたら、ステーキを食べに行きます。ステーキだったら400グラムとか、場合によっては600グラムくらい食べます。
──結構な量を食べるのですね!
そのくらい食べないと、それこそ忘れられないというか。あと「なんか体の調子悪いな」というときは、「あ、肉を食べてないからだ」って言って、食べに行きます(笑)。だから舞台中はめちゃくちゃステーキを食べます。
舞台は俳優としての自分の軸を戻す場所
──映像でのご活躍も目覚ましいですが、コンスタントに舞台にもご出演されています。舞台への思いを教えてください。
役者としては、やはり舞台に立つ機会があるならば、立った方がいいと思います。映像とはもちろん作品の作り方が異なりますし、約1ヶ月かけて稽古をし、皆さんと共通言語を築き、ひとつの作品を創り上げ、観客の前で生で披露するというプロセスは、とても真摯なものだと思います。舞台に立つことで、俳優としての自分の軸を戻すというか、芝居の基準を見つめ直すことができるのは、演劇ならではだと感じています。
──お客様へのメッセージをお願いします。

僕もまだ何が待ち受けているのか分からないのですが、今の段階で感じているのは、インターネットやSNSといったさまざまなデジタルツールが普及し、人との距離感がどんどん難しくなってきている今の時代を生きている中で、今までなかなか考えが及んでいなかったことに直面せざるを得ないような舞台になるのかな、というイメージがあります。観客の皆さんが、普段の生活では味わえないような体験をした、と思ってくださるような舞台にできたらいいなと、思っています。
取材・文:久田絢子 撮影:藤田亜弓
ヘアメイク:中島康平 スタイリスト:鬼塚美代子
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受付は9月8日(月)まで
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※応募締め切り:9/18(木)まで
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— ぴあ ステージ編集部 (@PiaStage) September 4, 2025(https://twitter.com/PiaStage/status/1963421757911732290?ref_src=twsrc%5Etfw)
【応募締め切り】
2025年9月18日(木) 23:59まで
【注意事項】
※当選者の方には9月19日(金) 以降にXアカウントよりDMにてご連絡いたします。やむを得ない事情によりご連絡や発送が遅れる場合もございますのであらかじめご了承ください。
※当選後、お送り先メールアドレスについてご連絡頂ける方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
<公演情報>
竹生企画第四弾『マイクロバスと安定』
作・演出:倉持裕
出演:竹中直人 生瀬勝久
飯豊まりえ 戸塚純貴
サリngROCK 松浦りょう 浜野謙太
【東京公演】
日程:2025年11月8日(土)~30日(日)
会場:本多劇場
【兵庫公演】
日程:2025年12月5日(金)~7日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【広島公演】
日程:2025年12月10日(水)
会場:JMSアステールプラザ 大ホール
【熊本公演】
日程:2025年12月13日(土)
会場:市民会館シアーズホーム夢ホール
【盛岡公演】
日程:2025年12月19日(金)
会場:トーサイクラシックホール岩手 大ホール
【久慈公演】
日程:2025年12月21日(日)
会場:久慈市文化会館アンバーホール 大ホール
【青森公演】
日程:2025年12月23日(火)
会場:リンクステーションホール青森 大ホール
【長岡公演】
日程:2025年12月27日(土)
会場:長岡市立劇場 大ホール
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/takenama4/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2561235&afid=P66)
公式サイト:
https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/takenama-4