ブルース・スプリングスティーンも登壇! 『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』プレミア上映で楽曲をサプライズ披露
(左から)スティーヴン・グレアム、スコット・クーパー監督、ジェレミー・アレン・ホワイト (C)Jamie McCarthy

ブルース・スプリングスティーンの若き日を描く映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』が、11月14日(金)より日本で公開される。この度、第63回ニューヨーク映画祭【スポットライト・ガラ部門】で本作のプレミア上映が行われ、上映後には、スプリングスティーンとキャスト陣のジェレミー・アレン・ホワイト、ジェレミー・ストロング、オデッサ・ヤング、スティーヴン・グレアムに加え、スプリングスティーンの盟友ジョン・ランダウ、司会を務めたスコット・クーパー監督が登壇した。



ニューヨークは、スプリングスティーンが生まれ育ったニュージャージーからバスで30分~40分の距離にあり、ミュージシャンとしての修業時代に何度も訪れた街でもある。今回のプレミア上映では、彼のコンサートTシャツを着た多くのファンが詰めかけ、満員の会場は最初から熱気に包まれていた。



プレミア上映では、最もパーソナルで地味なアルバム『ネブラスカ』の創作の過程を通して、スプリングスティーンの内面の葛藤を描く静かな語り口の作品でありながら、上映中には登場人物たちのさりげない会話で何度も笑いが起きるなど、観客が作品にとても集中していたという。特に、マネージャーのランダウとCBSレコードの重役とのシーンで、コマーシャル性に乏しいアルバム『ネブラスカ』に消極的な態度を示す重役に対し、ランダウが「私たちはブルース・スプリングスティーンを信じている」と言いきる場面では、会場内に拍手喝采が湧き起こった。



上映後のステージでは、クーパー監督が「初めて彼に会ったとき、私はこう言いました。“神話や象徴を剥ぎ取ろう。ブルース・スプリングスティーンという名を持つひとりの男を演じる。苦しむ男だ。だが我々が描くのは人間性、優雅さ、謙虚さ。そしてジュリアード音楽院では教えられないあの風格だ”」と主演のホワイトを紹介した。



スプリングスティーンと熱いハグを交わした監督は「率直に言って、今この瞬間は予想外だ。結婚や娘たちの誕生に次ぐ、人生で最も胸躍る夜のひとつです。

ブルース・スプリングスティーンに感謝を伝えたい。君を愛しているぜ、兄弟」と謝意を伝えた後、スプリングスティーンにステージを譲った。



ブルース・スプリングスティーンも登壇! 『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』プレミア上映で楽曲をサプライズ披露

ジェレミー・アレン・ホワイト(左)とブルース・スプリングスティーン (C)Kevin Mazur

ひとりステージに立ったスプリングスティーンは、「最近の出来事は、私たちが今、極めて危険な時代を生きているという事実を、日々思い出させてくれる。私はこれまでずっと、いわばアメリカの音楽大使として世界中を旅してきた。しばしば、私たちが理想からかけ離れているというアメリカの現実との距離を測ろうとしてきたのだ」と語った。
しかし、「多くの人にとって、アメリカは恐怖や分断、政府の検閲や憎悪の国ではなく、希望と夢の国であり続けているのだ」と締めくくると、観客へのサプライズとして、ギター1本で「LAND OF HOPE AND DREAMS」を熱唱。この予想外の演出に、満員の観客は大いに興奮した。



ブルース・スプリングスティーンも登壇! 『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』プレミア上映で楽曲をサプライズ披露

ブルース・スプリングスティーン

本作をいち早く観た全米の有力メディアからは、賞賛の声が続々と発信されている。映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では、93%というハイスコアをマーク。「Deadline」は「アーティストの魂を探求する、知的で緻密なテンポの旅路を描いた傑作。ホワイトの変貌ぶりはまさに驚異的だ」とし、父親役のグレアムには「『アドレセンス』でキャリア最大の成功を収めているグレアムは、父親役としてこれ以上ないほどの演技を見せている」と絶賛している。



「THE WRAP」は「ホワイトのしょんぼりとしたカリスマ性はまさに完璧だ」「スプリングスティーンのファンにとっては、道中、満足感を得られるエピソードが数多くある」「だからこそ、この映画は他に類を見ないほど感動的で、満足感に溢れたロックンロール映画となっている」と、演技、隠されたエピソードを語る脚本、スプリングスティーンの曲を堪能できる3拍子揃った作品だと太鼓判を押した。



「Variety」は「この作品は、ありきたりな伝記映画ではない」と強調し、「ホワイトは、スプリングスティーンのトレードマークだった、着古したデニムとノースリーブのTシャツを軽やかに着こなしている」と、自然体な演技が観客の共感を呼ぶだろうと指摘。さらに「Indiewire」は「首をかしげ、肩をすくめたホワイトは、模倣よりもむしろ喚起に重きを置いている。自らを偽者のように見せることで、言葉では言い表せないほど説得力のあるスプリングスティーンを作り上げている。この映画は、ブルースがそのふたつを両立させる術を学ぶ前の姿を私たちに紹介する。だからこそ、ホワイトは、常に嘘をつかれたと感じている男の誠実さをもって、彼を演じるのだ」と、ホワイトの演技に最大級の賛辞を贈っている。



映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』本予告映像



<作品情報>
『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』



11月14日(金)日本公開



公式サイト:
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/springsteen



(C)2025 20th Century Studios

編集部おすすめ