季節の移ろいを日本画で味わう『笑い滴る 春と夏の日本画名品選』松岡美術館で
池田蕉園《桜舟》 1912(明治45)年頃

2026年2月25日(水)より、白金台の松岡美術館で、『笑い滴る 春と夏の日本画名品選』が開催される。俳句の季語「山笑う、山滴る」にかけて、春の淡く色づく自然や夏のみずみずしさ溢れる日本画の名品を、館のコレクションより前・後期に分け、一部展示替えをしながら紹介する展覧会だ。

作品の素晴らしさはもとより、それらを独自の審美眼で蒐集した同館創設者・松岡清次郎の、自然に対する深い愛着も感じることができるだろう。



季節の移ろいを日本画で味わう『笑い滴る 春と夏の日本画名品選』松岡美術館で

横山大観《梅花》 1929(昭和4)年

まず春のパートでは、メインヴィジュアルの池田蕉園《桜舟》(後期展示)をはじめ、横山大観《梅花》(前期展示)、上村松園《春宵》(後期展示)といった同館の日本画コレクションの名品ほか、伊藤小坡や鏑木清方ら美人画の大家による作品、さらに江戸時代の酒井抱一から昭和の堀文子まで、各時代の作家による花鳥画を出陳。夏のパートでは、川端龍子や小林古径が描いた朝顔や、渡辺崋山や山口蓬春による夏の風物を描いた作品を紹介する。



季節の移ろいを日本画で味わう『笑い滴る 春と夏の日本画名品選』松岡美術館で

上村松園《春宵》 1936(昭和11)年

そのなかでも今回最大のみどころは、咲き誇る桜の下、水面をゆったりとすすむ屋形舟での観桜の宴を描いた《桜舟》だ。文展の花形美人画家として西の上村松園と並び称された池田焦園(1886-1917)が描いた同作は、当時おしどり画家として知られていた夫・輝方(1883-1921)と合作した六曲一双屏風の右隻。淡く儚い夢のような耽美的な屏風絵だが、焦園自身も本作を描いた5年後、結核により31歳の若さでこの世を去った。夫の輝方が描いた左隻《紅葉狩》は、10月からの企画展「粧い眠る 秋と冬の日本画名品選」で展示される予定だ。



季節の移ろいを日本画で味わう『笑い滴る 春と夏の日本画名品選』松岡美術館で

三彩馬 唐時代7~8世紀

なお同時開催の展覧会は、漢から唐時代にかけての墳墓に納められた作品を紹介する『千古躍動 漢から唐までの中国陶磁』。2026年の干支、午年にちなんだ唐三彩馬の優品の展示は注目だ。また通年の小企画展『いにしえのエトルリア』では、古代ローマ以前、イタリア中部に栄えた都市国家エトルリアのブロンズ像やテラコッタの所蔵作品全8点が展示される。



<開催情報>
『笑い滴る 春と夏の日本画名品選』



会期:2026年2月25日(水)~5月31日(日)
[前期]2月25日(水)~4月12日(日)
[後期]4月14日(火)~5月31日(日)
*前期・後期で展示替えあり
会場:松岡美術館
時間:10:00~17:00(※最終入館は~16:30)
休館日:月曜(※祝日の場合は翌平日)
料金:一般1,400円、25歳以下700円
公式サイト:
https://www.matsuoka-museum.jp/

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